研究背景:①少子高齢化に伴い日本国内の小売市場が飽和状態になってしまった;②東南アジア諸国特にベトナムの経済発展ポテンシャル;③ベトナム市場のコンビニ状況と日系コンビニの展開 ベトナム市場に、日系コンビニが進出した理由と日系コンビニの状況と立場が分かった。 研究の対象と範囲:ベトナムコンビニ業界のシェアNo.1のWinMart+とセブン‐イレブンを研究対象とする。 ベトナム市場でのコンビニの競争力に関しては、主に顧客分析、すなわち「対消費者」としてのアプローチであるが、各コンビニがそのニーズに満たせるかや対応すれば利益を出せるかの答えは、競合や自社が置かれている状況に依存するということである。つまり、3軸(Company-Customer-Competitor)を検討する必要がある。 Bối cảnh nghiên cứu: (1) Thị trường bán lẻ nội địa Nhật Bản đã trở nên bão hòa do tỷ lệ sinh giảm và dân số già; (2) Tiềm năng phát triển kinh tế tại các nước Đông Nam Á, đặc biệt là Việt Nam; (3) Chuỗi cửa hàng tiện ích tại thị trường Việt Nam và sự phát triển của người Nhật cửa hàng tiện lợi Tôi đã hiểu lý do công ty gia nhập thị trường và tình hình, vị trí của cửa hàng tiện lợi Nhật Bản. Đối tượng và phạm vi nghiên cứu: WinMart+ và 7Eleven đang chiếm thị phần số 1 trong ngành cửa hàng tiện lợi tại Việt Nam là đối tượng nghiên cứu.
ベトナムの小売市場における日系コンビニエンスストア の競争力に関する研究 -セブン‐イレブンのケース- 指導教員名:青木 良三 氏名:ファム ティ ゴック チャン 目次 はじめに Introduction 研究方法 Methodology 考慮・見解 Analysis・ Discussion 研究背景、対象と 範囲、研究の枠組 み 定性分析と定量分 析を組み合わせて 行っている 分析結果の考慮と 見解 目的 Aims and Objectives 調査の結果 Results・ Findings 終わりに Conclusion 問題意識の解決を 目指す アンケートとインタビュ ー調査の結果 結論、今後の課題 1.はじめに ● 研究背景:①少子高齢化に伴い日本国内の小売市場が飽和状態になってしまった;② 東南アジア諸国特にベトナムの経済発展ポテンシャル;③ベトナム市場のコンビニ状況と日 系コンビニの展開 ベトナム市場に、日系コンビニが進出した理由と日系コンビニの状況 と立場が分かった。 ● 研究の対象と範囲:ベトナムコンビニ業界のシェアNo.1のWinMart+とセブン‐イレブンを研 究対象とする。 ● ベトナム市場でのコンビニの競争力に関しては、主に顧客分析、すなわち「対消費者」として のアプローチであるが、各コンビニがそのニーズに満たせるかや対応すれば利益を出せるかの答 えは、競合や自社が置かれている状況に依存するということである。つまり、3軸(Company -Customer-Competitor)を検討する必要がある。 ベトナム市場におけるコンビニとミニスーパーの状況 ブランド カタカナ WinMart+ Winmart+ Bach Hoa Xanh バックホアサイン Co.op Smile 店舗数 国(チェーンモデ ル) 2524 ベトナム 1578 ベトナム スーパーなど所有 進出年 Winmart 2014 The gioi di dong 2015 Saigon Co.op 2008 Circle K コープスマイル サークルK 440 ベトナム 394 アメリカ Satrafoods サトラ・フーズ Satra Mart Family Mart ファミリーマート 189 ベトナム 139 日本 Ministop 127 日本 108 タイ Aeon B's Mart ミニストップ Bマート GS25 GS25 K-market Kマーケット Eleven セブン‐イレブン T-Mart Tマート Zakkamart ザッカマート Cheers チェエース Soi Bien ソイビエン Hapro foods ハプロフーズ Bac Tom バクトム 2008 2011 2009 2008 2014 61 韓国 60 韓国 2018 54 日本 52 ベトナム 40 韓国 39 シンガポール 17 ベトナム 14 ベトナム 13 ベトナム 2017 2006 T-Mart 2014 2014 2018 2013 Hapro Mart 2007 2010 研究の枠組み 2.問題意識 コンビニに来店する顧客にとってどの要素が ベトナム市場における日系コンビニ、とくにセブ 重要であるか。 ン‐イレブンの競争優位と競争劣位は何か。 他の国で成功した戦略がベトナム市場で 成功しなかった理由は何か。 3.研究方法 研究方法としては、下の順番に行う。 • まず、ベトナムにおけるコンビニ業界の特徴を挙げて解説する。日系コンビニのベトナム市場に進出の状況につ いて、ベトナムからの統計出所と日本からのデータを組み合わせ、分析して全体像を把握する。 • 次は、セブン‐イレブンとWinmart+の沿革、両社の事業、店舗展開計画と商品戦略の分析を行った。それ に基づいてベトナムのコンビニ業界にセブン‐イレブンとWinmart+の位置は競合の軸に沿って分析する。 • ベトナムにおけるコンビニの競争力に関するアンケートを作成し、アンケート調査の実施を行う。それを通じてコン ビニの選択のときどの要素が大切なのかやどの程度大切なのかと明らかにする。 • もっと詳しく消費者のインタビューを行う。アンケートとインタビュー調査に基づいて統計や分析手法を活かしたい。 4.調査の結果 アンケート X4 商品の多 様性 ● Google Forms を使用してアン ケートを作った。ベトナムで一番広く使 X5 接客態度 と店舗か らの支援 X7 割引とプロモ ーション X3 価格 われている「Facebook」と「Zalo」に 公開した。調査期間は2021/12/6 ~2021/12/26である。結果は、 Excelのデータ分析機能を用いて行っ X8 ブランドや小 売業者の評判 X2 時間の利 便性 た。 ● コンビニ来店頻度について、204 人の標本集団で重回帰分析で影響 を及ぼす要因を検討する。 X1 距離の利 便性 X6 設備 Y(コンビニの来店 頻度) X9 電子マネー やオンライン ショッピング・ デリバリーチ ャネル アンケートの標本集団の特性 アンケート 一般的にP-値が0.05未満であれば、その説明変数は目的変数に対して「関係性がある」という判断をする。 結果はX1、X2、X3、X4、X5、X6、X7とYの関係を確認できた。X8、X9とYの関係を確認できなかった。 Regression Statistics Multiple R 0.798439031 R Square 0.637504886 Adjusted R Square 0.620688102 Standard Error 0.566975041 Observations 204 ANOVA df Regression Residual Total Intercept X1 X2 X3 X4 X5 X6 X7 X8 X9 194 203 SS MS 109.6758405 12.1862 62.36337517 0.321461 172.0392157 Coefficients Standard Error -1.967905545 0.314297917 0.406883228 0.070512978 0.231963934 0.050893714 0.187785231 0.053470007 0.104707536 0.048275836 0.115351338 0.04958112 0.163947954 0.069069073 0.160711129 0.042942997 -0.060421514 0.051055106 0.042792428 0.045767116 t Stat -6.26127 5.770331 4.557811 3.511973 2.168943 2.326517 2.373681 3.742429 -1.18346 0.935004 F Significance F 37.90884741 3.16008E-38 P-value 2.40319E-09 3.08837E-08 9.13358E-06 0.000553226 0.031303492 0.021023528 0.01858838 0.000240006 0.238076288 0.350948702 Lower 95% Upper 95% Lower 95.0% Upper 95.0% -2.587785122 -1.348025968 -2.587785122 -1.348025968 0.267812772 0.545953684 0.267812772 0.545953684 0.131587914 0.332339953 0.131587914 0.332339953 0.082328073 0.29324239 0.082328073 0.29324239 0.009494672 0.199920401 0.009494672 0.199920401 0.017564104 0.213138572 0.017564104 0.213138572 0.027725264 0.300170645 0.027725264 0.300170645 0.076016051 0.245406208 0.076016051 0.245406208 -0.161115842 0.040272813 -0.161115842 0.040272813 -0.047472569 0.133057426 -0.047472569 0.133057426 回帰分析の結果 アンケート ● 重回帰分析を行うにあたっては増減法を用いて変数選択を行ったところ、以下の結果が得られた。コン ビニ来店頻度と各原因の関係は以下の数式で表れる。 Y= -1.9658+ 0.4012*X1 + 0.2245*X2 + 0.1915*X3 + 0.112*X4 + 0.1089*X5 + 0.147*X6 + 0.1669*X7 ● 今回の重回帰分析の結果を確認するとR2乗が0.6337(63.37%)となっている。これは「目的変数であ るコンビニの来店頻度の値変動を説明変数である程度の精度で説明できている」ということを意味している。 ● 重回帰分析の結果で見れば、7個の説明変数は独立変数(コンビニの来店頻度)への影響度はX1、X2、 X3、X7、X6、X4、X5降順にある。この結果の結論は顧客の観点から、コンビニの来店頻度への影響に関 して一番重要な要素は距離の便利性(X1)である。 インタビュー ● インタビューの対象は、アンケート 回答者のうちコンビニ来店頻度 が比較的多い20人である。来 店頻度が多い順に、33人にメー ルでインタビューを依頼した。その うち20人にインタビューできた。 ● インタビューは一人一人の対象と Zoomでオンラインミーティングを 行った。ミーティングは約10-15 分であった。調査期間は 2022/4/6~2021/4/16であ った。 インタビュー ● アンケートの通り、ファーストフード(おにぎり、お弁当、カウンター食品・飲料)を購入する目的として日 系コンビニを最も優先に使用する。インタビューの結果から、セブン‐イレブンでは、顧客がファーストフード の購入を優先に来店すること(インタビューの16名、80%)が分かった。インタビュー対象者の多くは、 セブン‐イレブンのPB商品を高く評価しているといえる。 ● 顧客が朝と昼に食事のため、セブン‐イレブンに来店する。また、学校や会社の休憩時間に近くの店に友達、 同僚と一緒にイートインで過ごす。 ● しかし、そのような短い時間帯で売り切れた商品、欠品などのケースが少なくない。それで売り切れによる機会 損失を招かないための品揃えを一定に保つ工夫や、混雑の緩和策等は顧客維持の為に必要不可欠な課 題ではないだろう。 ● 取り扱い商品の構成に新鮮な食品や低カロリー食品の追加が必要と考えられる。 セブン‐イレブンとWinmart+の競争力比較 インタビュー インタビューの議論を整理すると、以下の通りとなる。 ① 接客態度・店舗からの支援と商品の多様性に関して、セブン‐イレブンとWinmart+の間に大きな差が ない。 ② 「距離の利便性」に関して、Winmart+がセブン‐イレブンと比べると圧倒的に優位にある。 ③ 価格と割引・プロモーションに関して、Winmart+がセブン‐イレブンに優位にある。 ④ 設備と「時間の利便性」に関して、セブン‐イレブンがWinmart+に優位にある。 ● 距離の利便性は、コンビニの来店頻度への影響度が最も大きい。Winmart+はその点で、セブン‐イレ ブンより圧倒的に優位にある。その他の要因は、それほど大きな差はない。 ● 以上から、セブン‐イレブンが、ベトナム市場における競争力を向上させるために、店舗数を増やすことが 一番重要であると考えられる。 追加サービス ● アンケートに「下のサービスが追加されている場合、コンビニを利用予定の頻度は上がりますか?」を述べ た。結果は1位 宅配便サービス、2位 オンラインで購入した商品を受け取るサービス、3位 金融、 ATMサービスを追加したら利用予定の頻度が最も増やす。 ● 地元コンビニは宅配便サービスとオンラインで購入した商品を受け取るサービスがない。今まだ提供してい ないサービスだが、ノウハウや他の市場に行った経験を持つセブン‐イレブンはサービスを追加したら将来の 競争優位に繋がる可能性が高いある。 ● 今の段階では、ベトナムのセブン‐イレブンの財務能力と専門能力の限界により、金融サービスなどの展 開が実現できない。また、WinMart+は自社の銀行を持ってコンビニの金融サービスに関しては先発者 優位になった。 将来的に店舗数のネットワークが増えれば、セブン‐イレブンにとって一番有望なサービスは宅配便及 びオンラインで購入した商品を受け取るサービス。 5.考慮・見解 セブン‐イレブンの戦略の評価 プランA(ドミナント戦略と プランB(新しい利便性へ プランC(追加サービス) 商品差別化) の取り組み) 対ライバル 特定地域で優っている(集 店舗展開方法の差別化、 ライバルが提供しないサービ 中戦略) 24時間営業 スの展開 対消費者 広告宣伝、オリジナル商品 差別化戦略 無人店舗などの政策を作 って顧客に新しい価値を 発見する 会社の力により最も必要とし ている顧客のニーズを満たす セブン‐イレブンとWinmart+の競争力比較 プランA プランB プランC ある地域でライバルに勝 てる インパクト大きい 広いネットワークが築けれ ば互に利益を得る リスク 大 大 小 規模可能性 小 小 大 リターン 6.終わりに 色々なアプローチからセブン‐イレブンとWinMart+の競争力を指摘する。3軸(Company-Customer- Competitor)を組み合わせて両社の競争力を分析した。自社、顧客、ライバルのアプローチでもセブン‐イレブン と比べると、WinMart+のほうが優っている。 問題意識①:コンビニに来店する顧客にとってどの要素が重要であるか。 コンビニに来店する顧客にとって一番重要な点は、「距離の便利性」である。以下順に、時間の利便性、価格、 割引・プロモーション、設備、商品の多様性、接客態度・店舗からの支援である。 6.終わりに 問題意識②:ベトナム市場における日系コンビニ、とくにセブン‐イレブンの競争優位と競争劣位は何か。 接客態度・店舗からの支援と商品の多様性に関して、セブン‐イレブンとWinmart+の間に大きな差がない。距 離の利便性に関して、Winmart+がセブン‐イレブンと比べると圧倒的に優位にある。価格と割引・プロモーション に関して、Winmart+がセブン‐イレブンに優位にある。設備と時間の利便性に関して、セブン‐イレブンが Winmart+に優位にある。 距離の利便性については、コンビニの来店頻度への影響度に最も高い。しかし、Winmart+はその側面で見れ ば、セブン‐イレブンより圧倒的に優位にある。また、他の要因はそれほど大きい差はない セブン‐イレブンが ベトナム市場における競争力を向上させるために店舗数を増やすことは一番重要という意味がある。 6.終わりに 問題意識③:他の国で成功した戦略がベトナム市場で成功しなかった理由は何か。 他国で成功した戦略がベトナム市場で成功しなかった理由は、セブン‐イレブンの店舗が少ない。店舗が少ないと いう理由でたくさんの商品を発送しなくまとまった量の仕入れができなくて仕入れ価格を抑えることができない。しか も、店舗が少ないのでサービス展開も難しくなる。 また、セブン‐イレブンが、ベトナムに進出の時にすでに既存の小売業態の中で、「時間・距離・品揃え」を満たす 業態はたくさんあった。Winmart+は、その代表例である。他にも、ベトナム市場のミニスーパーと「地元型」のコン ビニは、ある程度の利便性を持っていたため、セブン‐イレブンの差別化が際立ったものとはならなかったといえる。 今後の課題 ● アンケート調査とインタビュー調査の結果を検討したうえセブン‐イレブンがベトナム市場における競争 力を向上させるために店舗数を増やすことという提案を出した。しかし、どの戦略で増えるのかは今の 段階で解決しない。 ● ベトナム市場でどの出店戦略が実現できるのを将来的に検討したい。 宅配便サービス及びオンラインで購入した商品を受け取るサービスに関して、競合に真似されない方 法・競合企業に対する参入障壁を築く方法は今後の課題として研究が必要である。 ご清聴ありがとうございます 何かご不明な点がございましたら、ご遠慮なくお問い合わせください。 Pham_75200091@red.umds.ac.jp