Lê Thị Hoài Dương (2002) “Tiểu từ tình thái cuối câu tiếng Việt và việc dạy tình thái cuối câu tiếng Việt cho người nước ngoài”, Luận văn Thạc sỹ,Đại học khoa học xã hội và nhân văn Đạ[r]
(1)ĐẠI HỌC QUỐC GIA HÀ NỘI TRƯỜNG ĐẠI HỌC NGOẠI NGỮ
KHOA SAU ĐẠI HỌC
TRÌNH THỊ PHƯƠNG THẢO
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nhËt - chú trọng vào“Ne, YO, YONE”-
日本語の終助詞およびベトナム人日本語学習者に対する
日本語の終助詞の指導法の提案 -「ね」「よ」「よね」の使用を中心に -
LUẬN VĂN THẠC SỸ
(2)ハノイ国家大学 外国語大学 大学院学部
TRÌNH THỊ PHƯƠNG THO
TRợ Từ CUốI CÂU TRONG TIếNG NHậT Và MộT Số Đề XUấTVề PHƯƠNG PHáP GIảNG DạY TRợ Từ CUốI CÂU CHO NGƯời việt nam học tiếng
nhËt - chú trọng vào“Ne, YO, YONE”-
日本語の終助詞およびベトナム人日本語学習者に対する
日本語の終助詞の指導法の提案 -「ね」「よ」「よね」の使用を中心に -
修士論文
専門科目:日本語学 (NGÔN NGỮ NHẬT) Code: 09.04.52.97
指導教官:THÂN THỊ KIM TUYẾN, Ma
(3)誓言
本稿において、ベトナム人日本語学習者が日本語の終助詞を会話などに よりうまく使用できるように、終助詞の中にある使用頻度の高い終助詞 「よ」、「ね」、「よね」を中心に研究し、初・中級範囲でベトナム人の 日本語学習者によるそれらの終助詞の誤用を分析する。その分析結果に基 づき、ベトナム人の日本語学習者に対する終助詞の指導法を提案する。
(4)ii
修士論文要約
本稿では、日本語及びベトナム語における終助詞について解説した上、 初・中級ベトナム人日本語学習者に対する「ね」「よ」「よね」の指導法 について考察した。
(5)目次
序論
1.はじめに
1.1 研究の背景
1
1.2 研究の目的
1.3 研究の範囲
1.4 研究の方法
1.5 研究の構成
4
1.5 研究の構成 5
2.先行研究 5
2.1 終助詞に関する先行研究 5
2.2「よ」、「ね」、「よね」についての先行研究
2.3「よ」、「ね」、「よね」の習得についての先行研究
本論
第一章 日本語の終助詞 10
1.1 終助詞とは何か 10 1.2 終助詞の一般的な特徴 10
1.3 終助詞の分類 12
1.4 終助詞とそのイントネーション
13
第二章 「ね」、「よ」、「よね」についての考察 18
2.1 「ね」についての考察 18
2.1.1 「ね」の基本的な用法 19
2.1.2 「ね」の特殊な用法
22
2.1.3 終助詞「ね」のイントネーション 24
2.1.4 「ね」のまとめ 25
(6)iv
2.2.1 「よ」の用法 26
2.2.2 「よね」の用法
29
第三章 日本語の終助詞とベトナム語の終助詞の比較 31
3.1.ベトナム語の文末における終助詞について 33
3.1.1 ベトナム語の終助詞の定義 34
3.1.2 ベトナム語の終助詞の特徴と用法 35
3.1.2.1 ベトナム語の終助詞の特徴 35
3.1.2.2 ベトナム語の終助詞の用法 35
3.1.3 現代の会話でよく出るベトナム語の終助詞の分類 36
3.2 日本語の終助詞とベトナム語の終助詞の比較 36
3.2.1 日本語の終助詞とベトナム語の終助詞の共通点 46
3.2.2 日本語の終助詞とベトナム語の終助詞の相違点 46
3.2.3 終助詞「よ」「ね」「よね」に対応しているベトナム語の終助詞とその機能 48
3.3 まとめ 49
第四章ベトナム人日本語学習者に対する日本語の終助詞の指導法 54
4.1 各教科書における終助詞の導入と出現数 56
4.2 初・中級レベルのベトナム人学習者の「ね」「よ」「よね」の用法の理解度 に
ついての調査 56
4.2.1 調査対象者および調査方法 60
4.2.2 結果の考察および結論 61
4.3ベトナム人日本語学習者に対する日本語の終助詞の指導法 61
4.3.1 「よ」「ね」「よね」の指導法 65
4.3.2 ビデオを使用する指導法 66
4.4 まとめ 68
(7)(8)I 序論
1. はじめに
1.1 研究の背景
日本語の会話において、「よ」「ね」「よね」等の終助詞はよく見られ、文に話し 手の気持ちを加え、コミュニケーションを豊かにする機能を持つ。そのために日本語 学習者にとって適切な終助詞の使用は円滑なコミュニケーションを築くために不可欠 である(大曽1986)。
実際には次の例が示すように、誤った終助詞の使い方によって聞き手に不愉快な気 持ちを与えることも尐なくない。
(1) 観光で訪れた博物館で博物館職員と日本語が流暢にできる外国人との間でなさ
れた会話である。
博物館職員:これは江戸時代につくられたものなんですよ。 外国人:そうなんですよ。
博物館職員:この屏風びょうぶはきれいでしょう? 外国人:ええ、きれいですよ。
博物館職員:この博物館は数年まえに建てられて… 外国人:そうですよ。
最後に博物館職員が一言。
博物館職員:こちらで一度、説明を聞かれたことがあるんですね? 外国人:いいえ、初めてですよ。
(平香織2009)
(9)識は全くないにもかかわらず、「そうなんですよ」、「きれいですよ」と言うならば、 聞き手に不愉快な感じと誤解を与えることになる。それ故に、会話を円滑に進めるた めには、誤解を生じさせないように「そうなんですか」とか「きれいですね」など、 相手の発話と一致した答えを返す方が適切であろう。
また、以下の例のように、終助詞をつけるか、つけないかによって、その発話に対 する聞き手の印象が大きく影響を受けることがある。
(2)教師:もう宿題はうちでしましたか。
学生1:はい、しました。 学生2:はい、しましたよ。
学生1、学生2とも「宿題をした」という内容を伝えているのは同じであるが、教師 が受ける印象は大きく異なる。学生2のように「よ」が付加された発話のほうに「失 礼さ」を感じる。
以上の二つの例のように、日本語の終助詞の難しさと終助詞をうまく使えないと会 話自体が成り立たなくなることを感じられるようになった。
このような重要性にもかかわらず、終助詞は実際の授業では他の学習項目と比べて ほとんど指導されることがなく、教科書の説明も不充分であり、現在のところ日本語 教育における終助詞の指導に関する研究は充分とは言えない。そのために、多くの学 習者にとって終助詞ははっきりした意味を持たないように見られ、使いこなすのは困 難であり、日本人の使い方をなんとなくまねて使ってみるというぐらいのものであろ う。
実際には、筆者が 8年前卒業論文のために中・上級レベルのベトナム人日本語学習者
の終助詞の運用力についての調査を行なった。この調査の対象はハノイ国家大学・外 国語大学・日本語学部の 3年生(中級レベル)と 4年生(上級レベル)の学習者である。
(10)III
り知らず、会話に使用するのは殆どなかったと分かった。「の、わ、な、ぜ」などの 他の終助詞を会話に使用するのは全くなかったと見られた。また、上級レベルの学習 者は文法と語彙などの知識がかなり身についていても、終助詞に関する知識があまり 向上せず、コミュニケーションの場面にどんな終助詞を使用すればいいかということ がはっきり分からないことが多く、文末に終助詞をつけないほうがいいと思ってしま う学習者がいたことも分かった。しかし、上述のように「ね」・「よ」・「よね」・ 「か」のような終助詞は実際の日常会話に様々の用法でよく使われているので、ベト ナム人日本語学習者の終助詞の運用力を向上することはベトナム人に対する日本語教 育に欠かせないことであろうと考えられる。
1.2 研究の目的と対象
日本語のコミュニケーションを上手に図るために、標準語を円滑におしゃべり、場 面による適切な敬語を使用できるなどの以外、文末に終助詞をうまく付けることも必 要だと言われている。しかし、ベトナム人日本語学習者は中・上級レベルに到達でき ても、終助詞の運用力が高くないと見られた。そこで、本研究ではベトナム人日本語 学習者が日本語の終助詞を会話などによりうまく使用できるように、終助詞の中にあ る使用頻度の高い終助詞「よ」、「ね」、「よね」を中心に研究し、初・中級範囲で ベトナム人の日本語学習者によるそれらの終助詞の誤用を分析する。その分析結果に 基づき、ベトナム人の日本語学習者に対する終助詞の指導法を提案することを目的と する。
本研究の対象は日本語の終助詞、特に「ね」「よ」「よね」である。
1.3 研究の範囲
本研究で考察の対象としたものは日本語の終助詞であるが、主に日常会話での使用 頻度が高い終助詞「よ」、「ね」、「よね」のみとする。他の終助詞の用法は学習者 の参考資料として挙げられる(付録 2の参照)。終助詞「よ」、「ね」、「よね」を中
(11)たとえ使いこなせないとしても実際の会話の上ではそれほど影響がない。しかし、 「よ」、「ね」、「よね」の方は実際の会話で使わない、不適切な使い方をする場合 が多く見られる。それに、「ね」は初級学習者にも誤用がみられること、また「ね」 が学習の早い段階で使用されるものの、その上達はゆっくりしていることが挙げられ る(初鹿野 1994)。このような理由で本研究では、「よ」、「ね」、「よね」という
終助詞を中心として考察を進める。
そして、ベトナム語にも主に文末におく「Tiểu từ tình thái cuối câu」(直訳にすれば
文末情態小詞になる)がある。「Tiểu từ tình thái cuối câu」という品詞は日本語の終助
詞とよく似た機能を持っているので本研究では「ベトナム語の終助詞」という呼び方 にする。本研究では「Tiểu từ tình thái cuối câu」のことをこれ以降「ベトナム語の終助
詞」を言う。ベトナム人学習者が日本語を習得する際に、母語の終助詞の用法を確認 してから「よ」「ね」「よね」をはじめ、日本語の終助詞を習得した方が速いではな いかという考えにより、本研究ではベトナム語の終助詞を紹介する。その上に、日本 語における終助詞とベトナム語における日本語の終助詞とよく似た機能を持つの比較 も行う。日本語の終助詞とベトナム語の終助詞の共通点及び相違点を理解することに よって、日本語の終助詞を会話によりうまく使用し、特にベトナム人学習者の日越・ 越日の通訳能力が向上できるであろうかと考える。
峯(2006)は学習者の内部アンケートを分析し、初級から中級前期の学習者には授
業の影響が大きいのに対して、中級後期から上級日本語学習者の文末表現の使用頻度 には日本人との接触頻度が大きな影響を与えると指摘し、「日本人のまねをして使っ てみるようになった」など学習者のストラテジーを紹介している。このように初級か ら中級の学習者には授業で日本語の終助詞を教授するのが非常に大切であると言える。 そのために、初・中級レベルのベトナム人日本語学習者を対象にする日本語の終助詞 についての調査を行う。初級レベルの学習者は 300時間以上日本語を習得し、中級レベ
ルの学習者は 600時間以上日本語を習得する。この調査の目的は初・中級レベルのベト
(12)V
中級レベルのベトナム人日本語学習者に対する日本語の終助詞の用法を早期からしっ かり把握し、それを会話に適切に使用できるような指導法を提供する。
1.4 研究の方法
参考文献
【日本語の参考文献】
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6.金水
かねみず
敏(1993)「言語学の最新情報-日本語学:終助詞ヨ・ネ」『月刊言語』第22
(13)7.川森
かわもり
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10 曹再京(2000)「終助詞『よ』の機能」『言語科学論集』第4号, p.1, 東北大学文学
部言語科学専攻
11 高民定(2011)「日本語学習者の『よ』『ね』『よね』について-日本語初級・中
級教科書の機能分析を中心に」『国際教育』第4号, pp.11, 千葉大学研究所 12 陳常好(1987)「終助詞-話し手と聞き手の認識のギャップをうめるための文末詞
-」『日本語学』第6巻, pp.10, 明治書院
13 張釣竹(2005)「台湾人日本語学習者の終助詞『ね』の使用-コミュニケーション
機能を中心に」『言語情報学研究報告』第6号, pp 281-299
14 時枝誠記(1951)「対人関係を構成する助詞・助動詞」『国語国文』第 20 号,pp 531-540
15 Naranong, Soysuda(1998)「日本語の終助詞「よ」・「ね」・「よね」について : 日
本語教育の視点から」平成10年度東京外国語大学大学院地域文化研究科博士論文 16 野田恵子(1993)「終助詞『ね』と『よ』の機能-『よね』と重ねる場合-」『言
語文化と日本語教育』第6巻, pp.10-21, お茶の水女子大学大学院人間文化研究科 17 橋本進吉(1934)「国語法要説」『国語科学講座6』明治書院
18 蓮沼
はすぬま
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(14)VII
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23 益岡隆志・田窪行則(1992)『基礎日本語文法』くろしお出版
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thịcáchànhvingônngữtrongtiếng Việt”, Luận ánTiến Sỹ,Khoahọcngữ văn,Hà Nội
f Lê VănLý (1971) Sơ thảongữpháptiếngViệt,SàiGòn
g Đái Xuân Ninh (1978)Hoạt động từ tiếng Việt,NXB Khoa học xã hội
【ウェブ上の参考資料】
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言語学科
(http://www.kuis.ac.jp/korean/colum/taira-20.htm)
2.富樫純一(2004)「現代日本語終助詞研究文献目録」『筑波日本語研究』第9号,
筑波大学人文社会科学研究科
(http://www.ic.daito.ac.jp/~jtogashi/jfp/jfp_text_187.txt)
3.野田春美(1998)「日本語の終助詞について考えるために大切なこと」
国際交流基金
(http://www.kuis.ac.jp/korean/colum/taira-20.htm (http://www.ic.daito.ac.jp/~jtogashi/jfp/jfp_text_187.txt (http://www.jpf.go.jp/j/japanese/survey/tsushin/reserch/030.html