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ベトナムにおけるアクティブラーニング形式のディベートオンライン授業の試みーハノイ工業大学の学生の学習意欲の向上と協働学習の効果に注目して (CUA TRUONG DAI HOC VIET NHAT)

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ベトナムにおけるアクティブラーニング形式のディベートオンライン授業の試みーハノイ工業大学の学生の学習意欲の向上と協働学習の効果に注目して CUA TRUONG VIET NHAT DAI HOC QUOC GIA HA NOI

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ハノイ校日越大学

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指導教員 宮崎里司 教授

Hanoi, 2023

謝辞

多くの方々にご指導ご協力を頂き、本研究が順調に進んで、深く感謝申し上げます。

まず、早稲田大学大学院日本語教育研究科の宮崎先生からは、貴重な指導を賜り、日本語教育に関する知識と経験をご教示を頂き、誠にありがとうございます。

東京大学の岩月先生に日本におけるインターンシップの際には色々なご指導を頂き、感謝しております。

また、日越大学の神村先生、粟飯原先生に中間発表の際には、多くの貴重なご意見及び励ましいの言葉を頂き、大変感謝いたします。また、Thu Giang 先生、伊藤先生、坪田先生、春口先生の授業に参加させていただき、日本及び日本語教育に関する知識を身につけることができ、誠にありがとうございます。

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本研究に協力していただいた、ハノイ工業大学外国言語学校日本語学部の日本語教師および学習者の努力に感謝しております。皆さんのご協力のおかげで、この論文を完成することができ、心から感謝申し上げます。

本論文を書く間には早稲田大学の学院生の矢野さんがチューターとして色々なコメントとご助言をいただき、深く感謝申し上げます。

皆様、本研究を完成するために、ご指導、ご支援、ご助言をいつも応援していただき、深く感謝して、心からお礼を申し上げます。

誠にありがとうございます。

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論文要旨

日本とベトナムの外交関係が成立されてから 50 年にわたり、両国の経済・社会・教育関係は発展している。 そうした背景により、ベトナムにおける日本語教育は初等・中等・高等教育のベトナムの教育段階において発展し、一定の成功を収めてきた。 しかし、日越の経済的な関係の拡大に伴い、仕事に応じたスキルを備えた日本語ができるベトナム人材の育成というベトナムの日本語教育の新たな課題が生じている。 そのため、学習者が学習や将来の仕事に必要な学習スキルを備え、学生の主体性を高めるために、アクティブラーニングなどの現代日本語教授法がベトナムの日本語教育に導入されている。

しかし、ベトナムの日本語教育にはまだ多くの課題がある。その中には、学生に知識やスキルを提供するとともに、日本語学習に対する学ぶモチベーションを維持することが必要である。学習者の日本語コミュニケーション能力を向上させたと考えられるディベート授業はアクティブラーニングの授業形態の一つとして、学習者の主体性を発揮することが認められている。また、別のアクティブラーニングの授業形態としての協働学習は日本語授業において学生のモチベーションを向上させるとも考えられている。 しかし、学習者の学習意欲の向上に対する協働学習を用いるディベート授業の効果に関する研究はまだ尐ない。したがって、本研究では、ディベート授業とディベート授業における協働学習の活動がどのように学習者の学習意欲を高めるのかを目的とする。

本研究は日本語教師へのインタビュー調査と学習者へのアンケート調査を行うことによって、協働学習を用いるディベート授業に対して、教師と学習者の認識度と期待を明らかにする。また、協働学習を用いるディベート授業を実施し、協力した学習者を対象としたアンケート調査から、学習者の学習意欲を高めるために、協働学習を用いるディベート授業の効果について分析し、考察を行う。

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【図 4.9.2】 自己のチェックリストの結果………73

【図 4.9.3】 ペアーのチェックリストの結果………73 略語一覧

IMMS Instructional Materials Motivation Survey JLPT Japanese-Language Proficiency Test

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第一章 研究背景及び目的 1.1 研究の背景

1973 年にベトナムと日本の外交関係が確立されてから 2023 年現在で 50 年が経過した。特に国連や ASEAN での緊密に協力し続けながら、広範範囲における戦略的パートナーシップとして連携している。経済協力に関しては、日本はベトナムの主要な経済パートナーとなっている。日本はベトナムの最大の ODA スポンサーで、第 2 位の投資国、第 4 位の貿易相手国であり、ベトナムと日本は継続的で緊密な外交関係にある。そうした状況において、ここ数年 ベトナムでの日本語学習者の人数が増加している。国際交流基金(2022)「2021 年度 海外日本語教育機関調査」によると、ベトナム人の日本語学習者の人数は 169,582 人となっており、2018 年度 海外日本語教育機関調査に比べて 4,939 人増加しており、学習者は世界では6位、東南アジアでは3位となっていると述べている。両国間の交流活動が拡大しているのはベトナムの学習者の増加が要因の一つと言える。外交だけだはなく、経済、政治、文化、社会的な分野にまで連携活動を行っていることが、日本語教育の広がりに影響を与えている。その背景には、ベトナムと日本の両国政府は、日本語教育がベトナムと日本の関係には重要性であると認識したうえで、日本語教育における協力関係に大きな関心を払ってきたことがあげられる。

2008 年から 2020 年までの期間でベトナムの教育訓練省によって指名され、2008 年に政府によって承認されたベトナム教育組織における外国語の教育と学習の提案には、英語を始め、中国語、ドイツ語の外国言語をベトナムの学校に導入している。また、2016 年から 2026 年まで、ベトナム教育組織における日本語教育提案により、2003 年から中等教育機関において日本語の導入を開始した。現在、ベトナムの日本語教育は初等・中等・高等教育まで行われている。ベトナムの日本語教育の特徴は学習者の人数が多いことの他には、中等・高等教育における日本語学習者の人数に比べて、学校教育以外の民間セクターにおける学習者の人数がかなり多いということである。

2013 年 5 月、ベトナムの文部科学省と日本の外務省は、ベトナムでの日本語教育に関する平成 25 年 7 月 30 日付第 2840/BC-BNG-LPQT 外務省報告を出した。 2014 年 3 月、ベトナムの文部科学省は日本の文部科学省と共同で、教育協力に関する戦略的プログラムに署名した。 日本は、人材育成においてベトナムを積極的に支援し、ベトナムでの日本語教育を促進すると決定した。また、ベトナムの職業能力基準を構築することにも連携している。ベトナムと日本の協力は、包括的、戦略的、多面的な協力である。その中で、長期的な協力分野としては、日本語教育においての協力である。日本語教育における緊密な協力は、双方に多くの利益をもたらし、ベトナムと日本の間のビジネスおよび文化の交流活動をさらに拡大することに貢献している。

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また、2022 年 11 月 24 日の国際交流基金の報告書(海外日本語教育機関調査)によると、2021年のベトナムでの教育段階別学習者数は学校教育以外の学習者数が 89,254 人、学校教育のほぼ2倍だと報告している。学校教育以外の民間セクターにおける学習者の人数が尐ない東南アジア諸国のインドネシア、タイ等と比較して、ベトナムの教育段階別学習者数は状況が異なっている。

しかし、教育段階別学習者数の構成比はベトナムの日本語教育におけるいくつかの未解決の課題に繋がる。一つ目は日本語教師の教育の能力である。ベトナムと日本の外交関係により、日本からの技術移転を受ける企業で働くために、日本語で話せる人材が求められている。そのため、日本語教師は、文化的なニーズや社会的なニーズに応じる必要がある。したがって、学校教育以外の日本語学習者数が多いというベトナムの状況はベトナムでの日本語の教育と学習に深く関係してる。しかし、現在まで日本語教育と学習は、高等教育や学校教育以外のセンターしかで行っていない。 その結果、現在の日本語教師の基礎的な教育能力がなくて、ほとんどのベトナム人の日本語教師は日本語能力の証明書しか持っておらず、教育の証明書を持っていない。日本語教師の質はベトナムの日本語教育の条件を満たすとは言い難しい。

産業化・近代化という新時代のニーズに応えるため、労働者の人材の育成は、専門知識や資格だけでなく、グローバルスキルに対応した実践的な能力を身につけることが求めらまれる。 そのため、国際的な交流がある社会で働く人材にとって、職場での流暢な言語能力があるのは採用・昇進の条件の一つである。 したがって、外国語の学習の効果を高め、学習者の学習意欲を維持することが非常に必要になる。 日本語教育も例外ではない。ベトナム人の学習者は伝統的な教育に慣れ、新言語教育方法に対応できないため、言語能力とコミュニケーションスキルが低く、教室での日本語学習に対して学習意欲をなくしてしまっている可能性と考えることができる。したがって、現在のベトナムでは日本語教育能力が十分ではなく、教師数が不足しているというベトナム日本語教育の背景における課題に取り組むためには、日本語学習者の学習意欲をどのように維持し、高めるのかを明確にする必要がある。

現在、日本語教育を行っている高等教育機関では様々な教育方法を導入している。多くの方法は教師を中心とした伝統的な教授法から学習者を中心とする教授法への転換している。学習者を中心として、学習者の主体性の向上を目指し、アクティブラーニングが注目されている。アクティブラーニングとは「発見学習、問題解決学習、体験学習、調査学習などが含まれると定義されるため、学習者の主体性を向上するために、効率的な教授法と思われる。また、アクティブラーニング活動に参加すると、それぞれの問題が議論され、グループのメンバーは、他のメンバーから話を聞いて多様な視点やアイデアを吸収することからお互いに了解するようになる。それは学習者の学習動機を向上することと学習者の主導権を発揮することにとって重要なことである。したがって、グループ間に多くの相談や積極的インタラクションが可能な社会的

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環境で行われると、学習や研究に効果があるということができる。学習者の主体性を促進しながら課題を深く学んでいくことで、専門的な知識の学習で必要な学習技能を充実させていくことがアクティブラーニングの利点である。

アクティブラーニング教授法の効果を認識して、近年、ベトナムの教育ではアクティブラーニング教授法を様々な科目に導入している。先に導入したのは英語分野である。D.V Hung(2006)はベトナムにおける教師養成のための英語学習者に関する研究を行い、外国語のアクティブラーナー(能動的学習者)について調査を行い、分析を行った。その研究結果によると、アクティブラーナーに関する概念などについて教師と学習者の考えには「積極性」のギャップがあると述べられている。

しかし、日本語教育分野では、ベトナムでアクティブラーニング教授法に関する研究が尐ない。 C.L.D Chi(2017)は「アクティブラーニングに向けた日本語カリキュラム改善のための教員の役割―プロジェクト型学習を実施するホーチミン市師範大学の試み」の研究において、PC などの IT 機材を使いながらプロジェクターで講演内容を映す方法に授業形態を変更しただけでアクティブ化だと認識した教員がいれば、プレゼンテーションやディスカッションを時々行うという授業形態にとどまったと述べている。このことから教員の間でもアクティブラーニングなどの理解度はまだ浅いという状態になっていると考えることができる。

1.2 ベトナムにおけるディベート授業と協働学習の導入

大山(2013)は、アクティブラーニングでの代表的なグループ技法には、汎用性の高い方法、構造化された方法、多人数クラスでの工夫が必要であり、その構造化された方法にはディベートが授業の総括段階できわめて有効な活動であると述べている。

ディベートは学習者のスキルの組み合わせることが必要である。例えば、 批判的思考、コミュニケーションスキル、研究能力、チームワーク、メモのスキルなどである。ディベートは言語交換プロセスを通じて、学習者は論理的な議論によって自分の視点が正しいことを証明する必要がある。 これは、課題を共通の理解に達するために効果的な方法である。 したがって、ディベートは、言語を使用する能力を発揮し、考察力を発達し、思考を向上する方法であるのではないだろうかと考えられる。

また、ディベート授業には学習者が主人公となり、「調べる」「考える」「整理する」「話す」「聞く」「書く」「読む」などの学習活動を一体的に行うことができる。それに、ディベート授業には主体的に学習するための要素として、学習意欲と協働学習を挙げている。これらの理由から、現在のベトナムの英語教育におけるディベート授業に対して人気がある。現在、ベトナムではディベート授業は、主に中等教育から高等教育までの学習者に向け導入されている。 しかし、それは学校教育以外でしか行われておらず、学校の科目として導入されているこ

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とわけではない。外国語の学習者が外国語を運用し、経済的および社会的問題に関する個人的な見解を表明することを奨励するため、 学生に向けた質の高いディベートコンテストが毎年開催さている。例: 小学生向けの World Scholar Cup、中学生向けの Vietnam Middle Debate Contest、Hanoi Debate Tournament 、 Vietnam British Parliamentary コ ンテ スト、大学生向けの National Debate Tournament コンテストである。

しかし、日本語教育におけるディベート授業の応用はまだ見られない。 ディベートに関する研究も尐ない。日本語教育におけるディベート授業の科目もほとんどない。したがって、本研究ではベトナムの高等教育機関における日本語教育にディベート授業を導入することで、学習者の学習に対してどんな効果があるかを明らかにしたい。

また、ベトナムにおける協働学習の導入の状態は明確的になさてない。Mai Nguyen (2012)によると、ベトナムの学習方法には Học nhóm グループ学習として学校の授業後に親しい友人のグループの間で自発的に行われ、自発的に集まり、誰にとっても便利な場所、通常は生徒の自宅で学びの学習方法であった。 1980 年代に広く採用されたもう 1 つの学習方法は、Đôi bạn cùng tiến (2 人の友人が前進すること) によるものであった。このペアは、学力だけでなく、家族との距離、交友関係、家族関係、性格などを考慮して形成される。しかし、2000 年から協働学習が授業に導入することを勧めていて、学習の効果に与えていると認めた。ただし、英語教育の協働学習の導入に関する先行研究が多いが、日本語教育において協働学習がどのように展開しているかについて先行研究が尐ない。

1.3 ハノイ工業大学における日本語教育の事情

ハノイ工業大学は、ベトナムの技術系総合大学で、理科教育で 120 年の歴史がある大学である。学習者のニーズに応じて、様々な科学部門が設立されている。外国言語学部はハノイ工業大学の科学部門の一つである。2020 年、外国言語学部と観光学部を組み合わせて外国語観光学校が新設されている。

外国語観光学校では、英語専攻・中国専攻・日本語専攻・韓国専攻という四つの部門を取り組んでいる。日本語学部は、質の高い日本語人材を労働市場に提供するために、学生の総合的な能力の促進と日本語運用能力の向上の要求に基づいたカリキュラムの構質が構築されている。基礎的日本語、職業倫理、日本文化に関する日本語知識とコミュニケーションスキルを学習者に提供している。特に、科学・観光分野での仕事の要求に応じて、科学・技術専門の日本語、ビジネス日本語・観光専門の日本語を 2 つの主な専攻にして学生を育成している。

表 1.1:ハノイ工業大学の日本語学部に学習者の人数

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日本語教育カリキュラムは最初の 2 年間で、基礎日本語を学び、初中級レベルの日本語のプログラムである。この 2 年間は主な教科書は「みんなの日本語」のシリーズである。それから、科目によって、使用する教科書が異なる。例えば、会話の授業での教科書は「まるごと A2/B1」で、文法の授業での教科書は「新完全マスターN3」である。中上級レベルの日本語能力に達し、通訳や翻訳の専門的な科目を勉強する 3 年生の学習者は科学技術専門の日本語、ビジネス・観光専門の日本語という専攻を自由に選ぶことができる。四年生の学習者は国内、あるいは海外の企業でインターンシップ経験し、最終的に卒論論文を執筆する。

また、外国語観光学校の日本語学部の教員数は 15 人である。その中で、博士後期課程在学中は 1 人、修士課程は 6 人、修士課程中は 4 人である。JICA の派遣教員は 1 人である。すべての教員は 20 代~30 代、日本語研究及び日本語教育経験がまだ浅いという状態である。

ハノイ工業大学の外国語観光学校の日本語学科は設立されていてから10年間未満なので、まだ未解決の課題が多く存在している。例えば、日本語の教育の質と学習の言語能力、日本語教師の能力、日本語教師の不足などである。その中での、もっとも重要な課題は日本語学習者の学習意欲の維持である。

上述の問題につながる多くの要因がある。 そのうちの 1 つは、ハノイ工業大学の外国語観光学校の日本語学部の合格最低点のことである。ベトナムの大学では、能力評価試験の結果による入学方法で外国語学部への入学を検討され、学習者は外国語の最終試験で 6 点、志望する大学の所定の成績以上を取得すれば、応募の資格が得られる。以下はハノイ市にある日本語学部のある大学の合格最低点の表である。

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表 1.2:ハノイ市にある日本語学部のある大学の合格最低点の表

大学名

ハノイ大学 日本語専攻

ハノイ国家大学 言語大学 日本語専攻

ハノイ貿易大学 言語大学 日本語専攻

ハノイ工業大学 外国言語学校 日本語専攻 2022 35.8 34.23 36 23.78 2021 36.43 36.53 37.2 25.81 2020 34.47 34.37 33.9 22.4

参考:https://huongnghiep.hocmai.vn/diem-nganh/ngon-ngu-nhat/閲覧日:2023420

表 1.2 によると、ハノイ工業大学の外国語観光学校の日本語学部の入学点はハノイ市での他の大学の外国語学部に比べて低いことがわかった。さらに、外国語学部の日本語学習者の一般的な能力は依然としていいと言えない。 その結果、学習者の日本語学習に対する習得能力に影響を与え、学習者の学習意欲を低下させることに繋がる可能性があると考える。

また、筆者の経験から、ハノイ工業大学の外国語観光学校の日本語学部での日本語教育の主な方法は、学習者ではなく、教師を中心とした伝統的な教授法である。 教師は知識の伝達者として役割があり、学習者は受講者として聞く。 そのため、学習者の自発性、創造性、思考能力を促進することはできないため、学習者の受動的な学習方が形成されている。日本語のような難しい言語の学習にとっては、長年の受動的な学習経験から、学習者の日本語学習への学習意欲を失い、学習成果の低下や学習に必要なスキルが形成されていない。これは、教師の日本語教育方法や教師能力の制限、教科書の問題が三つの理由である。 したがって、様々なアクティブ化教育方法を導入してから、学習者の主体的学習を促進し、学習者の日本語学習への学習意欲を向上させる必要があると考えている。

コロナウイルスの感染拡大の影響により、ベトナムの日本語教育も新しい状況に適応するための対策が求められている。 多くの大学では、オンライン学習を実施している。ハノイ工業大学の外国学校の日本語学科も例外ではない。 授業の内容はオンライン学習環境に合わせて変更できるように設計され、学習者は自宅で学習できるため、学校への移動時間を節約できるのはオンライン型の授業のメリットである。

ただし、筆者の経験から、オンライン授業では、十分に集中できない学習者数は多いと見受けられた。このことから長時間のオンライン授業を受講するのは学習者の集中力に影響を与えると考えている。 また、ネットワークの通信速度、オンライン授業中の教師の指導方法などはオンライン授業での学習者の学習意欲に影響を与えるのだろう。コミュニケーションスキルを向上させるために、理論と実践の両方やグループ活動が必要である言語授業では、学習者の学習意欲に対するオンライン型の授業の効果はまだ不明であると考えている。

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1.4 問題意識

世界経済が発展していることを背景として、国際的な労働市場に対応できる質の高い人材を育成する必要性が高まっている。 実践的な知識、決定能力、分析・統合能力などの知識とスキルを備えた人材を育成するのは不可欠である。 これは大学などの高等教育の役割のではないだろうか。 国際交流と経済開発の背景には、外国言語教育は政府の政策の中心的な分野の 1 つである。

日本は、ベトナムの主要な経済投資国家の 1 つであり、ベトナムの経済と労働市場の発展に強い影響を与えている。 そして、質の高い若手人材の深刻な不足状況がある日本企業やベトナムにおける日系企業の労働市場のニーズに応えるためには、ベトナムの大学における日本語教育に対する需要が高まっている。 そのため、近年ベトナムの日本語の学習者が急増している。 国際交流基金(2022)「2021 年度 海外日本語教育機関調査」国際交流基金の報告書」によると、ベトナムは、東南アジアで急速に日本語学習者数が増加している国になっているとわかった。 日本語学習者は、知識と能力を向上させるために、日本語を学びながらさまざまな分野で知識を蓄積し、スキルを練習し、積極的な学習をとる必要がある。しかし、ベトナムの学習者にとって、日本語は難しい言語である。 言語にあるアルファベット、文法の違いや文化の違いは、ベトナム人学習者にとって日本学習の障壁となる。 したがって、日本語学習の知識とスキルを向上させるという目標を達成するためには、学習過程で学習意欲を維持することが非常に重要である。

現在のベトナムの日本語の高等教育には教師の不足、不十分な教師能力、伝統的な教授法などの多くの欠点がある。そのため、ベトナムの日本語教育において、ハノイ工業大学の外国言語学校の日本語学部の学習者の学習意欲を維持することはまだ多くの困難に直面している。 したがって、教師の数の補充、教師の能力の向上といった教師に関する解決策を実施することに加えて、学習者を中心とする現代的な教授法の導入により、日本語学習への学習者の学習意欲を向上させ、学習者のモチベーションを維持することができると考えている。

ハノイ工業大学の外国言語学校の日本語学部の学習者は日本語を専攻している学習者であるが、学習者にとっては日本語の学習が第二言語学習であるため、動機づけを続けることが課題となっている。筆者の経験から、高い動機づけを持った学習は日本語能力の高いレベルが得られる学生があるが、逆に低い動機づけを持った学習は日本語能力が低いレベルで、日本語の学習を辞める学習者の数は尐なくない。特に、日本語で話せることに対して、自信を持っていない日本語能力の低いレベルの学習者は日本語の学習に動機づけをなくしつつある。したがって、協働学習を用いるディベート授業を導入することで、学習者の日本語学習への学習意欲を高めることが可能性であるかを考察してみたいと考えている。

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1.5 研究の目的・意義

ベトナムにおける日本語教育では、ハノイ工業大学のような高等教育における日本語学習者の学習意欲の維持と向上に対して、今後の研究が必要であると考える。新しい教授法と協働学習を導入することで、学習者の日本語学習に対する学習意欲の向上に効果が期待されると言えるだろう。 特に、対面からオンラインへと多様化する学習形態において、効果的な教授法は学習者の学習意欲の維持・向上にいい影響を与えると考えている。したがって、本研究では、学習者の学習意欲に対する協働学習を用いるディベート授業の有効性を考察する。

本研究の目的として、以下の二点を述べる。

第一の目的は協働学習を用いるディベート授業に対して日本語教師と学習者の認識と期待を明らかにすることで、協働学習を用いるディベート授業を実践した後、学習者の学習意欲がどのような効果があるか、期待されることを満たすかを明らかにすることである。

第二の目的はオンライン型の協働学習を用いるディベート授業では対面型の協働学習を用いるディベート授業に比べて、学習者の学習意欲がどのように変容するかを考察したうえで、日本語学習者の学習意欲に影響を及ぼすどんな要素があるかを明らかにすることである。

本研究を通じて、協働学習を用いるディベート授業において、学習意欲という観点から教授法の効果を測定し、今後のハノイ工業大学の日本語専攻の学習者の学習意欲を高めるため、適当な授業型の提案を目指したいと考える。

目的を達成するために以下のリサーチクエスチョンを設定する。 リサーチクエスチョン(1)

「日本語教師:ディベート授業や協働学習への意識はあるのか。学習者の学習意欲への関心がみられるのか。学習者:ディベート授業への認識はあるか。どのような期待があるか」

リサーチクエスチョン(2)

「学習者:学習意欲において、協働学習を用いるディベート授業はどのような効果がみられるのか。」

リサーチクエスチョン(3)

「学習者:学習意欲において、オンラインと対面ディベート授業では、どのような違いが見られるのか。日本語学習者の学習意欲に影響を及ぼすどんな要素があるか」

本研究の意義は、第一にハノイ工業大学の外国学校の日本語学部の中級レベル学習者の学習意欲を研究対象にすることで、協働学習を用いるディベート授業の効果の研究を可能にする新

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たな事例となることである。第二に、ハノイ工業大学の日本語学部の学習者の学習意欲に潜在する課題について明らかにすることができる。これらを通じて、第三には学習意欲の維持と向上に対する協働学習を用いるディベート授業の可能性について明らかにすることが期待でき、ひいては第四に、この課題を活かしながら、学習意欲の維持と向上に対する対面・オンラインという授業形態によるディベート授業の効果を考察したうえで、日本語学習者の学習意欲を高めるため、教授法と授業設定への応用が可能となる。

1.6 本研究の構成

本論文は5章の構成であり、以下に各章の具体的な内容を記述する。

第一章「研究背景及び目的」では、まずベトナムの日本語教育とハノイ工業大学の外国言語学校の日本語学部における課題と日本語学習者の学習意欲の維持と向上の重要性を説明する。そして、現在のベトナムの日本語教育ではディベートと協働学習といった新たな授業形態がどのように導入されてきたのかを明らかにする。したがって、本研究の目的はハノイ工業大学の日本語学部における日本語教育に関する学習者の学習意欲の課題と学習意欲の維持・向上において協働学習を用いるディベート授業を適用することが可能であることを検討することである。

第二章「先行研究」では日本語教育における協働学習及びディベートに関する研究、ディベート授業及び協働学習における学習意欲に関する研究、オンライン授業における学習意欲に関する研究、オンライン型のディベート授業における学習意欲に関する研究について議論を行う。

第三章「研究方法」では、まず本研究の実践授業とインタビュー・アンケート調査の目的を挙げ、それから実践授業とインタビュ・アンケート調査の方法を説明する。実践授業と調査の協力者はハノイ工業大学の外国言語学校の日本語学部の日本語教師、日本語を専攻している3年生である。次に、インタビュー・アンケート調査方法と分析方法について述べる。本論文では以下の二つの調査を行った。一つ目は日本語教師を対象としたインタビュー調査であり、二つ目は日本語を専攻している3年生を対象とするアンケート調査である。そして、インタビュー調査のデータは文字化して、コード化で表示し、分析を行った。また、アンケート調査から、学習意欲を高めるための4つの視点から「注意・関連・自信・満足」に基づく ARCS モデル(Keller,2010) を学習意欲の効果の評価に関する分析方法として統計を出す。

第四章「研究結果と考察」では、収集された調査データを分析する。この章では「ディベート授業及び協働学習に対する認識」、「学習者の学習意欲において、協働学習を用いるディベート授業の効果」、「学習意欲において、オンラインと対面ディベート授業での相違点」、「ディベート授業において、学習意欲に影響を及ぼす要素」という4つの項目に基づいて分析結果を示す。それから、以上の4つの分析結果について考察を行う。

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第五章「結論」では、第四章に明らかにされた考察を踏まえ、三つのリサーチクエスチョンに回答していく。それから、日本語学習者の学習意欲を高めることに関する教授法と授業設定の提言を述べ、最後に本研究の課題と今後の展望について記述する。

第二章 先行研究

2.1 日本語教育における協働学習及びディベートに関する学習意欲の先行研究

日本語教育において学習意欲についての認識の重要性があるが、学習意欲に関する研究の結果にはまだあいまいな部分が多い。動機付けという学習意欲を指示されていた研究があるが、明確的な動機づけの概念は定義されておらず、学習意欲の概念もあいまいになっている。その背景には、日本語教育における学習意欲を高めるためには、何をすればいいのかを解明しなければ日本語学習の目的を得られないと考える。

Gagne & Driscoll (2018) は動機づけが難しいタスクを乗り切る心理的サポートでもあり、また学習者が途中であきらめないようにサポートすることも促進するものでもあると述べている。また, McCombs (1988) は動機づけの最も重要な要素とは学習に対する否定的な感情、学習への方向付けなどを肯定的な学習態度、自己効力に変更するものであると指摘している。したがって、加藤(2011)によると、動機づけされた学習者は学習に対する肯定的な態度で学習に臨み、そして成功へと導かれると述べている。本研究では加藤(2011)の学習意欲の定義を使用している。

また、溝上(1996)によると、学習者の動機付けを規定する要因は授業形態にもみられると述べている。伝統的な授業形態は教師から学習という構図は学ぶべき課題に関する知識の量において明白な差が存在するが自分の意見に対する関わりが強いことが多いため、葛藤も強く、それ故に知的好奇心が強く引き起こされると指摘していた。それに、人が集団で学ぶ意義は教師―学生の相互交渉のみならず、学生同士の相互関係を含むのであると明らかになった。したがって、学生同士の相互関係を深く、学習に対する肯定的な態度を生み出し、学習者の動機付け・学習意欲を高めるために、教師はどのような授業形態を導入すればいいかを検討すべきであると考える。

文部科学省(2012)は「未来を見通し、これからの社会を担い、未知の時代を切り招く力」の重要性を強調していた、そこで、アクティブラーニングが新しい時代の学習力を育成するための教授法として注目されている。アクティブラーニングには様々な授業形態や技法がある。溝上(2014)によると、協同学習、協調学習、協働学習、PBL(Project/Problem-Based Learning)LTD 話 し 合 い 学 習 法 ( Learning Through Discussion ) 、 ピ ア ・ イ ン ス ト ラ ク シ ョ ン ( Peer Instruction)という授業形態がある。また、文部科学省(2012)はアクティブラーニング型の教

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授学習形態に発見学習や体験学習、教室でのグループ・ディスカッション、ディベート、グループ・ワーク等の授業形態がある。

講義型授業とアクティブラーニング型授業については溝上(2014)の『アクティブラーニングと教授学習パラダイムの転換』(東信堂)に基づいて、T.M Anh(2019)はアクティブラーニング型授業の類型を作成した。

+書く・話す・発表する 手法

技法 形態

話し方 板書の仕方 資料の見せ方 実物やモデルの提示

コメントシート ミニッツペーパー 小テスト

クリッカー 宿題 授業通信 等

シンクペアシェア ラウンドロビン ディスプレイ 体験学習

リフレクションシート

協同・協調学習 調べ学習 ディベート 話し合い学習法 知識構成ジグソー法

PBL

(Project/Problem based Learning) BPL(Business Leadership Program) 等

表 2.1 によると、アクティブラーニング型授業にはアクティブラーニング度が「低い」、「中~高」、「高」の3つのレベルでみられるとわかった。その中にはディベート授業が学習者主導型の授業で、アクティブラーニング度が高いことがわかる。

ディベートの定義について、これまでの先行研究が多い。神原(2011)によると、ディベートとは事前に設定されたテーマの賛否や是非について、賛成派(肯定派)と反対派(否定派)

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に分かれ、所定の持ち時間と順番によって持論を展開し、審判がその勝負を決定する議論の手法である。松本(2001)はディベートが「一つの論題に対して、対立する立場をとる話し手に、聞き手を論理的に説得することを目的として議論を展開するコミュニケーションの形態と述べている。

各ディベート授業の実践報告によると、日本語教育の現場でディベートの活動の効果が見られる。西谷(2001)は中上級レベルの日本語学習者を対象にディベートを行った結果を見ると、ディベートが口頭表現だけではなく、言語の四技能や判断的思考の養成、言語不安の解決に有効であることを明らかにした。宮永(2019)はディベートの活動は理論的な思考を高めるものとして注目されていると述べている。また、吉川・小川(2000)によると、ディベート活動で期待される教育的効果として①調査・研究活動への動機付け、②支店の複雑化、③人前で話す練習、といった一般的な効果に加え、④情報収集、⑤情報分析、⑥論理的思考、⑦説得力のある口頭表現、⑧傾聴、⑨(相手の論の)矛盾点から反論への発展を挙げており、ディベートによって、読む、書く、聞く、話す、考えるの総合的な言語活動が取得できると述べている。

加えて、清水(2006)はディベートが学習者の話すことに関する動機付けに効果的であると述べている。上級レベルの学習者の口頭能力や、中級レベルの学習者が難しい課題に対しても自信の向上にディベートが有効であると明らかにした。

このように、ディベートの効果に関する研究では、学習者の言語学習に関する口頭表現能力、論理的な思考力といった必要なスキルの向上に効果があるとわかった。また、学習者の話すことに関する動機付けを高めることが明らかにした。しかし、ディベート授業では学習者の学習意欲を具体的にどのような効果があるかについての研究はまだ尐ない。したがって、本研究では、ディベート授業を実践し、学習意欲がどのように変更されるかを検討していく。

また、本研究では学習者の主体性を最も発揮する目的を挙げて、学習観に展開され「協働学習」を用いて、ディベート授業を実践していく。日本語教育においては教授法転換で教師を中心とした授業で、一方的に知識を伝える教師主導型から、学習者主導型に変化している。そこで、「協働学習」が注目されるようになってきた。

舘岡(2003)は「協働」が「学習者同士がお互いに動きかけ合いながら協力して学ぶ」と定義され、その協働を重視した学習を「協働学習」と述べている。「きょうどう」には「協働」「協同」「共同」がある。「協同学習」は教育においてもスモールグループを活用するもので、学習者が自分と他者の学習を最大限に高めるために協同し学習するという考えで、全員が課題を理解し達成することである(ジョンソンラ、2001)。また、協同とは「グループの全員が一つの目標を達成するために、共になくてはならぬ存在としてあっていく」ことと定義されている(関田、2004)。一方、「協働学習」が課題を達成することによって、新たな価値観の創造

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につながることと定義されている(舘岡、2003)。また、協働学習がお互いに協力して何かを創り上げる創造的な活動であるとも定義されている(舘岡、2005)。

このように、「協働学習」と「協同学習」の相違点というのは「協働学習」には「創造性」や「新たな価値観」があるとわかった。本研究ではディベート授業で、学習者がお互いに協力しながらグループの課題を達成する学習活動を取り組み、そのプロセスを通して、能力・スキル・知識を身に付け、学習者の「創造性」を発揮することで、学習者の「新たな価値観」を生み出すことを「協働学習」として定義する。その協働学習をディベート授業で学習者はどのように受け取るか、どのように学習者の学習意欲に影響を与えるかを考察する。

2.2 オンライン型のディベート授業における学習意欲に関する先行研究

2020 年から新型コロナウイルス感染拡大のため、大学の教室ではオンライン授業を行っている。その背景には学習者の学習習慣を変更させただけではなく、教師も新しい授業形態に対策をしなければならなかった。

平成 19 年文部科学省告示第 114 号によると、「通信衛星、光ファイバ等を用いることにより、多様なメディアを高度に利用して、文字、音声、静止画、動画などの多様な情報を一体的に扱うもので、次に揚げるいずれかの要件を満たし、大学において、大学設備基準第 25 条第 1 項に規定する面接授業に相当する教育効果を有すると認めたものであることと述べ、村上(2020)は「従来の対面授業と同等の教育効果があれば、様々なメディアを用いて実施した授業も大学の卒業単位として認められることになっている。」として「オンライン授業」を説明している。本研究では「オンライン授業」の村上の定義を扱う。

「オンライン授業」にはライブ配信等の同期型(同期双方向型)と資料やビデオ、課題にアクセスさせる非同期型(オンデマンド型)を2種類に分類されている(文部科学省、2018)。また、オンライン授業のメリットとデメリットについては先行研究が多く存在する。Loyd & Gresard (1984)はテクノ不安の類似概念であるコンピューター不安が学習やスキル取得にマイナスの影響をもたらすことを指摘している。また、坂部・山崎(2012)によると、テクノ依存も、現在の人間関係が希薄化して孤独感が悪化するなど、全般的な生活障害へ波及するリスクが高いことが指摘されている。一方、内田(2021)はオンライン授業は効果的に活用することができれば、時間や場所を選ばずに自分のペースで自由に教育を受けることができる等、様々な制約を取り払い、教育を得けることのコストを下げ、より個人に敵合した教育を提供することが可能になることが期待されていると述べている。

このように、オンライン授業に関する課題(アクセス・学習者の集中度・通信環境・教師と学習者の ICT スキル等)が多いとわかった。オンライン型のディベート授業ではこれらの課題がまだあるかまたはこれらの課題を克服できるかを明らかにしたい。

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また、オンライン型のディベート授業で協働学習を行うノウハウはどのように実施すればいいか、学習者の学習意欲にどんな効果があるかの先行研究がまだ尐ない。したがって、本研究では学習意欲に対する協働学習を用いるオンライン型のディベート授業の効果があるかを考察してみたい。

第三章 研究方法

3.1 本研究のディベート実践授業

文野(1994)はディベート授業ではディベート活動のルールや課題、語彙・表現の効果的なインプットを行って、ディベートによる口頭運用能力を向上させると述べている。そのため、本実践では活動前にディベート授業の目的とルールについて授業の導入段階で明確に説明した。本実践を行ったのは日本語中級会話クラスである。受講生はベトナム語母語の学生から JLPT のN3・N2 レベルの学生、12 人であった。本科目は 100 分の授業、週 1 回、5 週の短期コースであり、対面型の授業が3回とオンライン型の授業が2回で実践した。各授業のグループは学習者の日本語能力によって、構成した。毎回の授業はアンケート調査を行い、対面型の授業後とオンライン型の授業後には総合アンケート調査もあった。

次はディベート活動の流れについて述べる。1回目のディベート授業にはディベート流れとルールに関するビデオを見せて、学習者に流れと準備について立論からまとめまでの形式を説明した。2・3回目は対面型で、4・5回目はオンライン型でディベート授業を行った。2回目以降のディベート準備、論点から試合までは基本的には学習者で実施し、教師は支援者や観察者として回った。表 3.2 は準備から試合・アンケート調査までのディベート活動の流れである。

表 3.2:対面型とオンライン型のディベート授業の流れ

1.テーマの決定 ・2回3回目は教師がテーマを決定する。

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・4回5回目は学習者がテーマを決定する。 2.グループ分け ・グループを決める。

・各グループのリーダーを決める。 ・肯定側と否定側を決める。

3.グループ準備 ・(対面型用)作戦シート紙また(オンライン型用)作戦シートのリンクを配り、グループで立論を作成する

・調べた必要な情報と資料を集めて、作戦シートを書いて完成する。

・相手の反論点を予測し、自分のチームの意見を準備する。 4.試合 ・発表者は一人ずつ相手のチームとジャッジに向かって話す。

・ジャッジは発表の話したことを判断し、点数をつける。 ・各チームは時間内に発表を終わらせる。

5.アンケート調査 ・オンラインアンケート調査に記入する。 ・各授業後のアンケート調査:5 回

・対面授業への総合アンケート調査:1 回 ・オンライン授業への総合アンケート調査:1 回

また、本研究の実施ディベート授業では、協働学習を用いるディベート授業で、各授業の流れには「前作業」「本作業」「後作業」の3つで協働学習の構成になされる。

表 3.3:ディベート授業における協働学習の構成

協働学習の内容 時間(100 分)

前作業

学習者がグループでテーマを検討する 5分 グループで話し合いする 10 分

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また、内藤地(2015)によると、学習者自身が論題を探して決めることについて、学習者のモチベーションが上がるというメリットがあるとわかった。したがって、本実践ディベート授業では2回・3回目のテーマは教師が決定したが、4回・5回目のテーマは学習者が決めたと決心した。

表 3.4 は実践ディベート授業のテーマを示す。

表 3.4:実践ディベート授業のテーマ ディベートテーマ

2回目 テーマ1:将来の成功のために、大学での勉強は必要です テーマ2:若者はできるだけ早く結婚したほうがいいです。 3回目 テーマ1:人生では愛よりお金のほうが大事です。

テーマ2:人間にとっては外見より性格のほうが大事です。

4回目 テーマ1:企業に求められるのは、姿勢より能力のほうが大切です。 テーマ2:仕事では、やりがいより 給料のほうが大切です。 5回目 テーマ1:定年の年齢を引き上げるべき

テーマ2:妊娠・出産にかかる費用を無料にすべき

2回目、3回目のテーマは学生に親しみのあるテーマであり、学習者の意見がさまざまである。学習者は自分の経験と意見を考え、肯定側と否定側が意見を述べ、わかりやすくて、ディベートの流れに慣れることに適当なテーマだと考える。4・5回目では学習者は自分が社会的な問題に対する関心度が高い話題を選んで、テーマを選定した。学習者はディベート授業に活用できるテーマを挙たことで、ディベート活動を理解し、様々な意見が出て、授業に積極的に参加し、ディベート活動への学習意欲の高まりが観察できた。

各授業では全体学習者を4つのグループを分ける。各二つのグループでテーマの一つについて議論する。残りの二つのグループは評価グループになる。グループ分けは日本語能力に基づいて、教師が決定した。各グループでリーダーを一人選出させた。教師は司会とタイムキーパーという役割を果たす。全体授業ですべての学習者が発表を通してディベートの経験ができるようにした。

ディベート練習での学習者の役割は 3.5 で示す。

表 3.5: ディベート練習の役割 ディベート練習での学習者の役割

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司会者・タイムキーパー ・教師 肯定側グループ ・発表者3人 否定側グループ ・発表者3人

ジャッジ(評価グループ) 残りの学習者:6人を二つの評価グループに分ける ・肯定側を評価するグループ:3人

・否定側を評価するグループ:3人

表 3.6 はディベート練習の流れを示す。

表 3.6: ディベート練習の流れ

立論 (16 分)

肯定側 5分

否定側からの質問 3分 否定側 5分

肯定側からの質問 3分 作戦タイム

(10 分)

反対尋問の準備

反対尋問 (10 分)

否定側 5分 肯定側 5分 作戦タイム

(10 分)

最終弁論の準備

最終弁論 (10 分)

否定側 5分 肯定側 5分

表 3.6 によると、立論、反論、最終弁論は各グループでそれぞれ異なった1人が担当する。なお、質問の時間にはだれが回答してもいいこととした。

評価グループは教師が作成した採点表を活用し、勝ち負けを決定した。表 3.7 は採点表を示す。

表 3.7: ディベート練習の採点表

評価対象:グループ… 総合計: 説得力(論理性・

根拠・

発 表 態 度 ( 表現力ー声・

チ ー ム ワ ー ク( 全 員 参 加 ・

時間配分 合計

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証拠・準備) 丁寧さ) 意見調整) 立論

反対尋問 最終弁論

点数の目安:

5点:非常によくできた 4点:できた

3点:普通

2点:あまりよくできなかった 1点:全然よくなかった

学習者の全員に作戦シート紙(対面型用)また作戦シートのリンク(オンライン型用)を配り、肯定側、否定側の立論、反対、最終弁論のアイデア、根拠となるデータを書くようにした。図1は作戦シートの内容を示す。

図 3-1:ディベート練習の作戦シート

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3.2 調査目的と調査協力者

本研究の調査の目的は、まず協働学習を用いディベート授業についてハノイ工業大学の外国言語学校の日本語学部の教師と学習者の認識を調べることによって、日本語教育と日本語学習において、学習意欲の役割を明らかにすることである。次に、協働学習を用いディベート授業を実践授業として展開してから、学習者を対象としたアンケート調査から、ハノイ工業大学の外国言語学校の日本語学部の学習者の学習意欲における問題点と学習意欲を高めるための協働学習を用いディベート授業の応用性について分析し、考察を行う。

本研究では二つの調査を行う。これは学習者へのアンケート調査と教師へのインタビュー調査である。アンケート調査の対象はハノイ工業大学の外国言語学校の日本語学部において日本語を専攻する3年生である。調査協力者の学生数は12人である。

インタビュー調査の対象はハノイ工業大学の外国言語学校の日本語学部で日本語を教える現職のベトナム人教師である。

インタビュー調査の協力者の情報は以下の通りである。

教諭① 教員歴:3.5 年未満、担当科目:聴解、会話、読解、観光専門日本語(1年生・4年生)

教諭② 教員歴:5 年未満、担当科目:会話、作文、翻訳(1年生・4年生) 教諭③ 教員歴:2.5 年未満、担当科目:読解、作文(1年生・3 年生)

3.3 調査方法

3.3.1 インタビュー調査

教師へのインタビューは 2022 年 10 月から 2020 年 11 月まで実施し、オンラインツールのZOOM で 30 分から 45 分程度で実施した。インタビュー調査の内容は主に 15 質問であり、半構造化インタビューでデータを収集した。

インタビューの質問は大きく三つの要素から構成した。一つ目は教師の基本的な情報と日本語教育経験。二つ目はディベート授業に対する認識や日本語授業における学習者の学習意欲と協働学習の課題である。三つ目は協働学習を用いるディベート授業の実践に対する教師の期待である。

インタビュー調査の目的はまずディベート授業に対して、ハノイ工業大学の日本語学部の教師はどのように認識しているかを明らかにすることである。また、教師の観点と経験から日本語授業における学習意欲と協働学習の状態と課題を把握し、学習意欲の役割を明らかにするこ

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とである。最後にディベート授業における学習者の学習意欲の向上の効果に対する教師は何を期待しているのかにすることである。

3.3.2 アンケート調査

調査協力者は 2022 年 11 月 1 日から 2023 年 1 月 1 日までの間に、ディベート実践授業に参加し、オンラインのアンケート調査に記入した。アンケート調査は授業前のアンケート調査と授業後のアンケート調査の2度にわたり実施した。また、授業後のアンケート調査には二つの部分がある。一つ目は対面型のディベート授業へのアンケート調査である。二つ目はオンライン型のディベート授業へのアンケート調査である。また、3つの対面型ディベート授業後と2つのオンライン型のディベート授業後の総アンケート調査も実施した。

授業で活動を行う前のミニアンケート調査の構成には学習者の基本的な情報と日本語能力がある。また、選択肢の質問と自由記述の部分もある。選択肢の質問には、ディベート授業に対する認識と興味について検討する。自由記述の部分にはディベート授業に対する期待についての答えが求められている。ミニアンケート調査の目的はディベート授業における学習意欲の向上の効果に対する学習者は何を期待しているのかにすることである。

授業後のアンケート調査の構成には 8 つの選択式の質問が学習者の学習意欲に関する質問で、最後の一つの自由記述は学習者の感想である。

授業後の総アンケート調査は 27 つの質問は選択式で、3 つは自由記述である。最初の8つの選択式の質問は学習者の学習意欲、残りの 19 つは学習者の協働学習である。その中には協働学習のルーブリックの質問が4つ、自己チェックリストの問が 10 つ、ペアーチェックリストの問が 5 つである。3 つの自由記述には学習意欲に関する要素、授業のメリットとデメリット、学習者の困難なことなどである。

授業後のアンケート調査と総アンケート調査の目的は学習者から、協働学習を用いるディベート授業は学習者の学習意欲に対して、どのような効果があるかを明らかにすることである。加えて、学習者の学習意欲はオンライン型のディベート授業にどのような変化があるのかを明らかにしたうえで、学習意欲に影響を与えるどんな要素があるかを解明することを目指す。

3.3.3 分析方法

インタビュー調査のデータは文字化して、コード化で表示し、自由記述の分析を行った。また、学習者への授業事前のアンケート調査と授業後のアンケート調査にある半構造化の質問が含まれるため、アンケート調査の協力者の学習者は名称を署名化するため、記号に変換している。アンケート調査の協力者のコードは学習者の日本語能力に対して順番を付けている。本研究では学習者の日本語能力は学習者が取得した JLPT レベルに基づいて、分類されている。中級レベルの学習者は JLPT N3 から JLPT N2 までの学習者である。

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具体的には、日本語能力が JLPT N2 である学習者は N201 から N204、日本語能力が JLPT N3である学習者は N301 から N308 で記号に変換している。

次に、アンケート調査の選択式の質問で収集したデータに対しては、ARCS モデルで統計分析を行う。

ARCS モデルとは、学習意欲への主な影響を理解するためのより効果的な方法であり、学習意欲に関する問題を特定して解決するための体系的な方法である。 結果として得られるモデルには、学習者の動機づけに関する変数の 4 つのカテゴリーの統合と、典型的な教育設計モデルと互換性のある動機づけの設計プロセスが含まれている。具体的に、Keller(2010)は ARCS モデルとは学習意欲を高めるための 4 つの視点(Attention:注意、Relevance:関連、Confidence:自信、Satisfaction:満足)に焦点を当て、それぞれの頭文字からモデル名を命名した(表 3.8 参考)。

表 3.8:ARCS モデルカテゴリー概念

Major Categories and Definitions

Attention Capturing the interest of learners, stimulating the curiosity to learn

Relevance Meeting the personal needs/ goals of the learner to affect a positive attitude Confidence Helping the learners believe/ feel that they will succeed and control their

success

Satisfaction Reinforcing accomplishment with rewards (internal and external)

また、井上(2021)は、ARCS モデルの4つの視点について、「注意」の要素としては、知恵的喚起、探求心の喚起、変化性が、「関連性」の要素としては、目的指向性、動機との一致、楽しみやすさが、「自信」の要素としては、学習用件、成功の機会、個人的なコントロールが、「満足」の要素としては、自然な結果、肯定的な結果、公平さが含まれていると述べている。したがって、本研究では、中級レベル学習者に対して学習意欲という観点からディベート授業効果を測定することには価値があると考えている。

ディベート授業に参加した学習者の学習意欲を測るために、Keller(2010)の Instructional Materials Motivation Survey(IMMS)に参考して、選択式の質問を作成し、アンケート調査を行った。IMMS には 36 項目がある。 「関連」Relevance と 「自信」Confidence の質問は両方とも 9 項目、「満足」Satisfaction の質問は 6 項目、「注意」Attention の質問は 12 項目である。その項目を数値化する際には項目ごとに平均スコアを算出し、分析を行う。これにより、合計が 1 から 5 の範囲のスコアに変換され、各項目を比較しやすくなる。

表 3.9 は Instructional Materials Motivation Survey(IMMS)の質問内容を示す。

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表 3.9:Instructional Materials Motivation Survey(IMMS)の質問内容

1 When I first looked at this lesson, I had the impression that it would be easy for me 2 There was something interesting at the beginning of this lesson that got my attention 3 This material was more difficult to understand than I would like for it to be

4 After reading the instroductory information, I felt confident that I knew what I was supposed to learn from this lesson

5 Completing the exercises in this lesson gave me a satisfying feeling of accomplishment 6 It is clear to me how the content of this material is related to things I already know 7 Many of the pages had so much information that it was hard to pick out and remember

the important points

8 These materials are eye-catching

9 These were stories, pictures, or examples that showed me how this material could be important to some people

10 Completing this lesson successfully was important to me 11 The quality of the writing helped to hold my attention

12 This lesson is so abstract that it is was hard to keep my attention on it 13 As I worked on this lesson, I was confident that I could learn the content 14 I enjoyed this lesson so much that I would like to know more about this topic 15 The pages of this lesson look dry and unappealing

16 The content of this material is relevant to my interests

17 The way the information is arranged on the pages helped keep my attention 18 There are explanations or examples of how people use the knowledge in this lesson 19 The exercise in this lesson were too difficult

20 This lesson has things that stimulated my curiosity 21 I really enjoyed studying this lesson

22 The amount of repetition in this lesson caused me to get bored sometimes

23 The content and style of writing in this lesson convey the impression that its content is worth knowing

24 I learned some things that were surprising or unexpected

25 After working on this lesson for a while, I was confident that I would be able to pass a test on it

26 This lesson was not relevant to needs because I already knew most of it

27 The wording of feedback after the exercises, or of other comments in this lesson, helped me feel rewarded for my effort

28 The variety of reading passages, exercises, illustrations, etc helped keep my attention on the lesson

29 The style of writing is boring

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30 I could relate the content of this lesson to things I have seen, done, or thought about in my own life

31 There are so many words on each page that it is irritating 32 It felt good to successfully complete this lesson

33 The content of this lesson will be useful to me

34 I could not really understand quite a bit of the material in this lesson

35 The good organization of the content helped me be confident that I would learn this material

36 It was a pleasure to work on such a well-designed lesson

1,4,13,25,35 Reverse: 3,7,19,34

5,14,21,27,32,36

本研究では、IMMS の質問リストを参考し、本研究の内容に関する「関連」Relevance 、「自信」Confidence 、「満足」Satisfaction 、「注意」Attention を各項目に対して2つの質問を設定した。それから、合計が 1 から 5 の範囲のスコアに採点し、平均スコアで比較する。なぜかというと、ARCS モデルの4つの項目を平等的に評価するために各の項目を同じ数で設定し、平均スコアで分析するのが4つの要素を比較やすくなる。

また、協働学習を用いるディベート授業の学習者の協働学習のパフォーマンスを評価するために、Luis Valente (2016)のルーブリック(グループの協働学習パフォーマンスにむけ)、自己チェックリスト(学習者の個人的な協働学習パフォーマンスにむけ)、ペアーチェックリスト(グループメンバーの協働学習パフォーマンスに向け)を参考にした。

Luis Valente (2016) は 第一に、協働学習を評価するためにルーブリックが非常に明確な手段であると述べている。なぜというと、協働学習に対する自己評価および相互評価に柔軟かつ効果があるからである。ルーブリックを使用することで、学習者が全体的な協働学習の評価プロセスに参加できる。 このように、協働学習を測定するための基準の使用で、学習者は評価プロセスの基準と目的を明確で客観的に理解することができるとわかった。 Goodrich (1996) によると、「評価基準は、教師の期待を明確にし、学習者にどのように対応するかを示すことによって、学習者の学習成果を改善し、追跡することができる」と述べている。 このことから、評価基準が活動の意味を定義するのにルーブリックのメリットがあるとわかった。

また、Luis Valente(2016)によると、自己チェックリストの目的は、学習者自身が他のグループメンバーとチームとして活躍し、自分と他のメンバーの役割を十分に認識し、理解するの

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かを明確に評価するためであるとわかった。そこで、自分のグループの目標を認識し、自分自身とグループメンバーの貢献を評価できるようにすることが自己チェックリストの目的の一つである。

最後に、ペアーチェックリストの目的は、学習者はグループで他のメンバーの協働学習の能力を認識してから、自分の協働学習スキルを向上させ、協働学習に対する必要なスキルを身に付けるようにすることであるとわかった。

したがって、協働学習を用いるディベート授業での協働学習を評価するために、Luis Valente (2016)のルーブリックが本研究の目的に適当な手段と考え、参考にした。但し、本研究ではルーブリックの最初の4つの基準を使用するにした。なぜかというと、本研究では、グループの協働学習パフォーマンスを推定するために、各メンバーのタスクに対する集中度、相互支援、責任と信頼性、チーム リーダーのパフォーマンスを4つの基準として評価するからである。そのため、Luis Valente (2016)の最初の4つの基準が本研究の目的に当たると考え、選択した。

Luis Valente が作成した協働学習の評価ルーブリックと自己・ペアーチェックリストの見本は表 3.11、表 3.12、表 3.13 に提示する。

The focus was mostly directed to what should be done and most of the tasks have been completed properly

The focus was often directed to what should be done but some tasks were not completed properly

Rarely the focus of the work was directed to what should be done and many tasks were not completed properly Mutual help Whenever there was

difficulties,

There were faced, and help was provided

Most of the difficulties were faced, and nearly always help was provided

Many of the difficulties were faced, and often help was provided

Difficulties were rarely faced, and help was rarely provided

Responsibility and reliability

Systematically punctual for group meetings and does not depend on others to do the assigned work

Usually punctual for group meetings and most of time does not depend on others to do the assigned work

Often punctual for group meetings and most often does not depend on others to do the assigned work

Rarely punctual for group meetings and most often depend on others to do the

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assigned work Team leader’s

performance

The entire work plan was duly presented to team members and completion of tasks of each team member was monitored until complete

The work plan was mostly presented to team members and the majority of tasks were monitored until completion

The work plan was presented to almost all team members and a large member of tasks were monitored until completion

The work plan was presented to some of team members but only a few tasks were monitored until completion

表 3.12 自己チェックリストの見本

Yes/No Statements I know exactly what my task in this group are

When I face difficulties, I looked for help both inside and outside of the group

I presented to the group sources or documents relating to the subjects (e.g: books, texts, website, videos)

I have put forward to the group the issues which are relevant to our work I helped my colleagues when they asked me for help

I helped my colleagues when I realized that they had problems, even without them asking me for help

I know perfectly well what are the roles and tasks of each colleague in my group Usually I express my views and opinions clearly to my group

I feel able to access the contributions of my peers’ in the work done by our group

I believe I would not be able to do a better job myself than what was achieved by my group

表 3.13 ペアーチェックリストの見本

Yes/No Statements All group members actively contributed to the final product Group members gave each other support and feedback

When the group was having trouble, other groups spontaneously helped When the group asked for help, other groups helped immediately In the end, everyone seemed satisfied with their group’s work

Group member exchanged and negotiated between them their ideas, strategies, tools and/or resources to carry out the activity

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The group defined the tasks and the role of each member early on The group asked the opinion and suggestions of other groups The group assisted and gave advice to other groups

The group requested comments to other groups before finishing the activity The group accepted critical comments from other groups

第四章 研究結果と考察

4.1 ディベート授業及び協働学習に対する認識 4.1.1 ハノイ工業大学の日本語教師の認識

本節ではハノイ工業大学の外国言語学校の日本語学部の教師のディベート授業と協働学習に対する認識について分析し、考察を行う。

インタビュー調査の対象者の教師の基本的な情報を表 4.1 に示す。

表 4.1:インタビュー調査の教師の基本的な情報

学位 日本語能力 教師資格 経験年数 参加した日本語トレーニング A 教師 修士 N2 なし 3.5 年 アクティブラーニングの

ワークショップ

B 教師 修士 N2 なし 4.5 年 まるごとに関するワーク ショップ

C 教師 学士 N2 なし 2 年 文法・会話に関するワーク ショップ

学位の専門資格 A 教師 日本語言語 B 教師 日本研究 C 教師 日本研究

表 4.1 を見ると、教師の専攻は日本語教育ではなく、また、教師資格も持っていないとわかる。したがって、協働学習とディベート授業についてまだはっきり理解していないことが推測できる。本節ではハノイ工業大学の日本語学部の教師のディベート授業と協働学習に対する認識を明らかにするために、教師の日本語授業におけるディベート授業の導入状態、教師が担当した授業における学習者の学習意欲と協働学習の役割、協働学習を用いるディベート授業に対する教師の期待から分析し、考察していく。

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4.1.1.1 教師の日本語授業におけるディベート授業の導入状態

ハノイ工業大学の日本語学部の日本語教育カリキュラムには様々な科目がある。1年生・2年生のカリキュラムには文法・語彙・読解・聴解・会話・作文等がある。教師の自分の授業についての語りから、ディベート授業の導入状態が明らかになった。

インタビュー①

ディベート授業について聞いたことがない。それで、導入したこともない。但し、学習者に対する効果は学習者の日本語会話の機会を作って、日本語能力を上がると考える。また、思考能力を向上させる。教師に対する効果には自分の授業が面白く、学習者と知識やスキルが共有できる。

(A 教師)

インタビュー②

知っていました。自分の授業に導入したことがある。ディベート授業を実施するために、学習者の日本語能力がかなり高い(N3 レベル以上)という条件が求められている。ディベート授業では学習者が主体的に行動し、教師が観察者としている。学習者に対する効果は会話能力を向上させ、協働学習も上がると考える。しかし、日本語能力が異なるグループに対する評価は難しい。詳しくは学習者の各個人の能力を客観的かつ効果的に評価することはできない。

(B 教師)

インタビュー③

ディベート授業について聞いたことがない。但し、ディベート授業を導入したら、会話能力を向上させると思う。しかし、グループ間のメンバーの日本語能力の格差があったら、ディベート授業と協働学習の効果に影響を与えるだろう。また、日本語能力が高くても、自信がない学習者はディベート授業で積極的に参加しないと思う。

(C 教師)

A 教師は(インタビュー①)は日本語教師として4年間以上働ている。聴解・会話・作文・文法・専門日本語といった日本語科目を担当した経験がある。日本語教育と自分の授業に対して、熱心な教師だと見える。アクティブラーニング教授法に関するワークショップにも参観したことがあり、学習者の主体性を中心とした教授法として学習者を授業で積極的に参加させ、

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思考能力も向上させるアクティブラーニングの効果を認識した。しかし、現在のベトナムの日本語教師は教師に中心した伝統的な教授法で教えているから、その習慣を消し、新しい教授法を導入するのが誰でもできるとは言えない。また、学習者も伝統的な教授法に慣れてしまって、新しい教授法が導入される授業に積極的に参加せずに、授業の効果がまだ見られない。したがって、ディベート授業を聞いたことがないが、導入する予定がまだないと A 教師は述べている。 B 教師は(インタビュー②)ディベート授業を導入したことが1度しかないと述べているが、C 教師はまだ聞いたことがない。B 教師は自分の授業にアクティブラーニング型の授業を導入したことがあるが、実施した経験は多くない。学習者は積極的に参加し、授業の内容も覚えやすい。しかし、授業の活動の実施に時間がかなりかかり、授業管理はむずかしいと述べている。そのため、会話能力を向上させ、グループ活動がよくなるディベート授業の効果があると認識しているが、自分の授業に導入したことが尐ない。

C 教師は(インタビュー③)ディベート授業について聞いたことがないが、アクティブラーニング教授法を導入したことがある。自分の作文授業では学習者が授業前に内容を準備し、授業中に積極的に参加したことが見られた。それで、学習者の成績も上がる。したがって、ディベート授業が会話能力を向上させるという効果があると考え、導入したいと述べている。 また、二人の教師はグループ間にある学習者の日本語能力の格差がディベート授業の効果に対する影響について自分の意見を述べている。学習者間の日本語能力の格差が大きかったら、各学習者に対するディベート授業の効果を評価するのが難しい。特に、日本語会話に対する自信がない学習者にとっては、ディベート授業で日本語会話能力を向上させることができるとは言えないと述べている。

3人の日本語教師のインタビュー内容を見ると、ディベート授業に対する教師の認識がまだ浅いとわかった。アクティブラーニング教授法を導入した教師がいるが、ディベート授業に対する認識と経験がまだない。また、学習者の学習意欲に対するディベート授業の効果があるのかをはっきり理解していないとわかった。教師は新しい教授法を導入することに対して、努力しているが、伝統的な日本語教育の習慣を変更するのが難しく、また「授業時間の管理」、「学習者の平等的な評価」、「学習者の日本語能力の格差」という問題があったため、ディベート授業などの新しい教授法を導入するのがまだ困難であると確認している。

4.1.1.2 教師が担当した授業における学習意欲と協働学習の役割

次に自分の授業における学習意欲と協働学習の役割に対する教師の認識を以下のインタビューの結果は示している。

インタビュー④

Trang 36

学習意欲は授業の効果に与えると思う。学習意欲がなかったら、成績が良くない。協働学習を用いる自分の授業では学習者の学習意欲が高くて、学習者は自己学習で、知識を長い記憶でできた。また、授業に積極的に参加し、チームワークもよかった。また、学習意欲を高めるのは教師の役割と思う。

(中略)協働学習を評価する方法はグループ活動の成果を評価している。 (A 教師)

インタビュー⑤

学習意欲は授業の効果に与える。異なる学習目標、異なる学習意欲だと思う。 例えば、 成績の向上のための学習意欲がある学習者: 授業に集中し、メモを取るが、活動にはほとんど参加しない。 知識やスキルを向上させるための学習意欲 がある学習者: 学習活動への積極的な参加し、教師への質問 する。したがって、学習意欲は 学習者の学習方法や学習意識に影響を与える。 明確な目標がなくて、学習への動機を持っていない学習者は 学習成果と学習態度はまあまあである。学習者は自分の学習における学習意欲の役割をはっきり理解し、学習の目標を立てなければならない。

また、協働学習を用いる授業では学習者の自信とコミュニケーションスキルを向上させると思う。しかし、学習者は仲良く友人とグループして、協働学習の活動が好きで、グループ分けが難しい。また、学習者間の能力の格差があるので、グループ間で平等的にタスク分けが難しい。それで、各学習者に対する協働学習の効果を評価するのが難しいと思う。

(B 教師)

インタビュー⑥

授業前の協働学習が大切だと思う。しかし、協働学習の活動を行う時、グループ分けが難しい。例えば、学習者の学習能力の格差、学習者間の関係、学習者の能動など。

(C 教師)

A 教師は(インタビュー④)自分の授業で協働学習の活動を行って、学習者が授業に積極的に参加し、チームワークもよかったと述べている。その結果、学習意欲が高まったと見られた。したがって、学習意欲を向上させるために、授業の目標を達成しながら学習活動を実施するのが教師の役割としての大切さを強調している。

Trang 37

一方、B 教師は(インタビュー⑤)学習意欲に関する学習者の役割を強調している。学習者は自分自身の学習目標を認識せずに、学習意欲がなくなるため、成績に影響を与えると述べている。また、B 教師は協働学習を用いる自分の授業の問題点について話している。それは学習者間の関係と能力格差が各学習者に対する協働学習を用いる授業の効果とグループ分けと評価が難しいと述べている。C 教師も(インタビュー⑥)も同様の指摘をしている。

確かに、学習者の学習意欲を高めるために、学習者と教師、処方の役割が大切である。教師は新しい教授法を導入し、面白い活動を行っても、学習者が自分自身の学習目標がなくては学習意欲もなくて、授業の活動の目的も達成することができないと考える。また、学習者が授業で自分の学習タスクを認識し、チームと協働し、授業の目標を達成した上で、学習者の学習意欲を高めるとができると言えるのではないだろうか。したがって、協働学習を用いるディベート授業の実施はどのように活動が行われるか、学習意欲に対するどのような効果があるかを考える。

また、ディベート授業を導入することで、教師に指摘された協働学習を用いる授業の問題点を解決するのかを考察してみたい。

4.1.1.3 協働学習を用いるディベート授業に対する教師の期待

上述のように考察した通りに、ハノイ工業大学の日本語学部の教師はディベート授業に対する認識がまだ浅いが、学習者の学習意欲を向上させる新しい教授法を導入する意識が確認できた。次に協働学習を用いるディベート授業に対する教師の期待を示す。

インタビュー⑦

協働学習を用いるディベート授業を導入したら、学習者の思考力を向上させ、学習者の情報検索スキルを磨き、授業の内容をよく覚えて、学習意欲が高まると期待している。また、グループでよく活動して、協働学習が高くなっていると思う。

(A 教師)

インタビュー⑧

学習者は授業に積極的に参加し、自信を持って、自分の意見を述べさせることによって、学習者の学習意欲を高めると期待する。詳しくはディベートのテーマへの関心度が高かったら、自分の意見を述べたいと考える受け身の学習者でも積極的になるように授業活動に参加する。 また、ディベート授業で、学習者は友人関係がないメンバーとも協働することができ、学習環境におけるコミュニケーションの範囲を広げる。

(B 教師)

Trang 38

16.70%

83.30% 0%

図4.1:学習者はディベート授業についての認識度

聞いたことがあるが参加したことがない 聞いたことがなくて参加したこともない 聞いたことがあって参加したことがある

インタビュー⑨

学習者の能動と学習意欲にいい影響を与えると期待する。詳しくは学習者を自分の快適ゾーンから抜け出させ、自分の意見を述べることをさせ、授業内では学習者が成長する機会を与えると思う。また、ディベート授業での協働学習で、学習者間の関係がよくなって、学習者のコミュニケーションスキルも高まるだろう。

(C 教師)

上述の通り、学習意欲と協働学習を用いる授業に関する問題点を認識し、教師はディベート授業のような新しい授業型に対するいろいろな期待がある。一つ目は「学習者の思考力の向上」「自信を持つ」「授業の内容をよく覚える」「授業に積極的に参加する」などというメリットによって、学習意欲が高まると期待することである。二つ目は「自分の意見を述べさせる」「自分の快適ゾーンから抜け出させる」「学習者間の関係がよくなる」「コミュニケーションの範囲を広げる」というメリットによって、協働学習を用いる普通の授業の問題点を解決するように期待することである。A 教師と C 教師はディベート授業について聞いたことがないが、ディベートの基本的な知識を調べたら、自分の授業にある課題を解決することができると期待している。

4.1.2 ハノイ工業大学の日本語学部の学習者の認識

ディベート授業に対するハノイ工業大学の日本語学部の学習者の認識を明らかにするために、授業で活動を行う前のミニアンケートを行った。

ミニアンケートの結果は以下の図 4.1 に示す。

図 4.1:学習者はディベート授業についての認識度

Trang 39

91.7% 8.3%

図4.2:ディベート授業について興味がある?

25% 8%

8%

17%

25% 8%

8%

0%5%10%15%20%25%30%日本語学習のスキルを向上させる …

主体的学習能力を発揮する 効果的な新しい教授法を体験したい 協働学習に関するスキルを向上させる 思考能力を高める 日本語学習への学習意欲を高める 期待がなし

に対する学習者の期待

図 4.1 によると、ハノイ工業大学の日本語学部の学習者はディベート授業についての認識度が低いとわかった。多くの学習者はディベート授業を聞いたことがなくて、参加したこともない(83.3%)。また、聞いたことがあるが参加したことがないという学習者の割合は 16.7%。このことは上部の教師のインタビュー結果と一致し、日本語教育にディベート授業を導入することがないので、ディベート授業に対する学習者の経験がないことは当然である。

図 4.2:ディベート授業について興味がある

教師は学習者をネットでディベート授業についての概念と特徴を調べさせた。後で、学習者は「ディベート授業について興味がある」という質問に答えた。図 4.2 によると、ディベート授業に挑戦したい学習者の割合は多い。91.7%の学習者はディベート授業に興味があると述べている。一方、ディベート授業に興味がないという割合はかなり尐ない(8.3%)。興味のない学習者はディベート授業が新しい授業型で、授業活動で早く覚え、考え、実施するのが学習者にとって難しいから、参加したくないと述べている。この学習者はまだ授業に参加したことがないが、ディベート授業に対する自分自身の考えで授業に参加したくないと回答している。これは授業活動への学習意欲がないと言えるのだろうか。ディベート授業を導入した後、この学習者の学習意欲はどのように変更されるかを考察してみたい。

協働学習を用いるディベート授業に対する学習者の期待は図 4.3 で示す。

Ngày đăng: 04/08/2024, 22:24

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