貿易大学 日本語学部 卒業論文 専攻 ビジネス日本語 コロナ禍におけるベトナムの B2C E コマースの発展・ ハノイの実態を中心に 学生氏名 Vũ Đình Quang Anh 学生番号 1817740010 クラス Nhật 1 期生 57 指導教. 現在、世界中で新型コロナウイルスのパンデミックが進行しているが、 ベトナムでも 起きている 。コロナ禍は経済社会全体に悪い影響を及ぼして いるが、 一方で多くの業界に飛躍的な発展のチャンスをもたらしている。 パンデミックにもかかわらず、 ベトナム国内だけではなく、 世界中で急激 に発展している業界の一つは電子商取引(E コマース)業界である。 近年、ベトナムの市場において E コマースの市場規模がますます拡大し ており、一般的かつ代表的なビジネスモデルとなっている。特に、商工省の 代表者によると、 現在ベトナムにおける B2C モデルの成長速度は年間平均 で 12%近くの増で益々速くなっており、東南アジアの第 3 位である。そのた め、 B2C モデルはベトナムの E コマース業界における主要なモデルの一つ であり、重要な役割を果たしている。 過去 2 年間で B2C の E コマースプラ ットフォームを通じてオンライン販売からの収益が 20~30%も増加しており、 もっと急速に上がり続くと予測される 企業も少なくない。 しかし、低品質、偽造品、 個人情報漏洩、複雑な商品の購入方法と支払 方法など、 B2C E コマース の問題は今後の発展を阻む可能性があり、 様々 なチャレンジにまだ直面している。 したがって、「コロナ禍におけるベトナムの B2C E コマースの発展・ハ ノイの実態を中心に」という研究テーマを選ぶことにした。本研究では、 新型コロナウイルス感染拡大前後におけるベトナムで B2C の E コマースの 発展を調べ、これと相まって、 コロナ禍における B2C プラットフォーム上 でのオンライン購入の際のハノイ の顧客満足度に関する調査を行った。こ れにより、コロナ禍前の B2C の E コマース発展状況と比べ、コロナ禍でど のように発展しているかを確認した上、 調査結果を踏まえて B2C の改善す べき点を明らかにし、そこから将来の B2C の E コマース促進、課題解決に 向けた企業への提案を行った。
貿易大学 日本語学部 -*** 卒業論文 専攻:ビジネス日本語 コロナ禍におけるベトナムの B2C E コマースの発展・ ハノイの実態を中心に 学生氏名 学生番号 クラス 期生 指導教官 : : : : : ハノイ、2022 年 月 Vũ Đình Quang Anh 1817740010 Nhật 57 Trần Thị Thu Thủy 博士 概要 新 型 コ ロ ナ ウ イ ル ス 感 染 症 ( COVID-19 ) は 、 コ ロ ナ ウ イ ル ス (SARS-CoV-2)による感染症である。2019 年 12 月に中国湖北省武漢市の 原因不明の肺炎の集団発生から始まり、世界的な大流行に至っている。 2020 年 月 11 日に世界保健機関(WTO)のテドロス事務局長は、「新型 コロナウイルスはパンデミックと言える」と述べた。コロナ禍は人の命を 脅かすにとどまらず、社会・経済活動に巨大な影響を与えている。多くの 業界・分野は必死にコロナの影響と戦っているが、B2C モデルをはじめと する電子商取引(E コマース)は急激に発展する指数で連続的に実りを得てい る。 本研究では、コロナ禍前とコロナ禍と比較して B2C E コマースの発 展を分析した。問題やチャレンジを把握するために、Google Forms を通じ てコロナ禍における B2C プラットフォーム上でのオンライン購入の際のハ ノイの顧客満足度というアンケート調査を行った。 その結果、コロナ禍における B2C E コマースはコロナ前より目覚ま しい発展を遂げ、ベトナムにおける B2C 企業はパンデミック対応のため、 商品・サビースの宣伝活動を重視しており、宣伝ツール、手法などを変え ていることがわかった。しかし、顧客満足度についての調査結果に基づき、 ベトナムにおける B2C E コマースは多くのチャレンジに直面している。今 後からの顧客満足度の向上、B2C モデルの発展のために、B2C E コマース の促進、課題解決に向けた企業への提案を行った。 謝辞 本論文の作成にあたり、多くの方々にご指導ご鞭撻を賜りました。い つも私を熱心に指導し、支えてくださった皆様へ厚くお礼申し上げます。 まず、ハノイ貿易大学の日本語学部長である TRAN THI THU THUY 先生にご多忙中ところ、貴重なお時間を割いて多大なるご指導を賜り、日 頃から研究の進み具合を気にかけていただき、感謝の念に堪えません。終 始暖かく見守って下さった先生のおかげで、この卒論を無事に完成させる ことができました。いつも適切なるご助言をいただき、心より感謝致しま す。 そして、アンケート調査に回答してくださった方々の多大な協力を得 なかったら,私がこの卒論を完成させることはできなかったと思う。皆様 に改めて感謝致します。 最後になりましたが、ハノイ貿易大学の日本語学部の先生方、先輩、 後輩、家族と友人達にはこれまで色々とご支援、常に温かいお励ましのお 言葉を頂き、感謝の意を表します。 誠にありがとうございました。 目次 序論 1 研究の背景 先行研究 研究の目的 研究の対象及び範囲 研究方法 研究の構成 本論 第 章: E コマース及び B2C モデルの概要 1.1 E コマースの概要 1.1.1 E コマースの概念と歴史 .5 1.1.2 E コマースの分類 1.1.3 E コマースの基本機能 1.2 B2C モデルの概要 .10 1.2.1 概念 10 1.2.2 特徴 11 1.2.3 一般的な B2C モデルの分類 .13 1.3 顧客満足度の概要 .15 1.3.1 顧客満足度の概念 15 1.3.2 顧客満足度の評価 16 第 章: コロナ禍におけるのベトナムの B2C E コマースの発展・ハノイの 実態を中心に 19 2.1 ベトナムにおける B2C E コマースの発展 .19 2.1.1 コロナ禍前 19 2.1.2 コロナ禍中 27 2.2 コロナ禍における B2C プラットフォーム上でのオンライン購入の際 のハノイの顧客満足度に関する調査 40 2.2.1 調査対象と範囲 40 2.2.2 調査目的 40 2.2.3 調査内容 40 2.2.4 調査結果 42 2.3 コロナ禍におけるベトナムの B2C E コマースのチャンスとチャレン ジ 47 2.3.1 チャンス 47 2.3.2 チャレンジ 48 第 章: 将来の B2C E コマース促進、課題解決に向けた企業への提案 51 3.1 提案 51 3.1.1 商品・サビースの情報の質の向上 51 3.1.2 カスタマーサービス及びウェブサイトの上での顧客問い合わせ対 応の向上 51 3.1.3 支払方法 53 3.1.4 プライバシーポリシー 54 3.1.5 商品の多様化 56 3.1.6 商品・サビースの質を向上する 56 3.2 本研究の限界 .58 3.3 今後の研究課題 59 結論 60 参考文献 62 付録 66 図表リスト (図) 図 1.1 B2B と B2C の事業領域 12 図 2.1 2015~2019 年のベトナムにおける B2C E コマースの売上高(単位: 十億米ドル) 20 図 2.2 2015~2019 年ウェブサイトを持つ B2C 企業の比率(単位:%) .22 図 2.3 SNS をビジネスに活用する B2C 企業の比率(単位:%) 22 図 2.4 2015~2019 年 E コマースプラットフォームに参加する B2C 企業の比 率(単位:%) .23 図 2.5 2016~2019 年モバイル版のウェブサイトを有する B2C 企業の比率 (単位:%) 24 図 2.6 2016~2019 年モバイル端末の上での販売アプリを有する B2C 企業 (単位:%) 24 図 2.7 2016~2019 年モバイルプラットフォーム上でのビジネスサポートサイ トを有する B2C 企業(単位:%) 25 図 2.8 サイトとモバイルアプリの広告の効果評価(単位:%) 25 図 2.9 2019 年と 2020 年のベトナムにおけるトップ の E コマースプラット フォームの毎月平均訪問者数(単位:数百万件) 29 図 2.10 ベトナムにおける B2C E コマースの売上高(単位:十億米ドル) 30 図 2.11 ウェブサイトを有する B2C 企業の比率(単位:%) .32 図 2.12 SNS をビジネスに活用する B2C 企業の比率(単位:%) .33 図 2.13 E コマースプラットフォームに参加する B2C 企業の比率(単位:%) 34 図 2.14 モバイル版のウェブサイトを有する B2C 企業の比率(単位:%)35 図 2.15 モバイル端末の上での販売アプリを有する B2C 企業(単位:%)36 図 2.16.モバイルプラットフォーム上でのビジネスサポートサイトを有する B2C 企業(単位:%) 37 図 2.17 サイトとモバイルアプリの広告の効果評価(単位:%) .38 図 2.18 コロナ禍が起こる前に、毎月平均でオンラインショップピングの頻 度(単位:%) .43 図 2.19.コロナ禍以来の毎月平均オンラインショップピングの頻度(単 位:%) 44 図 2.20 コロナ禍における B2C プラットフォームの上でオンライン購入の際 のハノイの顧客満足度(単位:人) 45 図 3.1 商品・サビースの質を向上させるプロセス 56 (表) 表 1.1 B2C モデルと B2B モデルの販売プロセスの相違点 .13 表 1.2 CSAT 指数の評価結果 18 表 2.1 2015~2019 年のベトナムにおける B2C E コマースに関する統計 .21 表 2.2 2016~2020 年のベトナムにおける B2C E コマースに関する統計 .31 表 2.3 調査対象者の特徴 41 表 2.4 コロナ禍におけるオンラインショップピングの傾向 41 表 2.5 オンライン購入の際の顧客満足度の評価 .42 表 2.6 CSAT の指標で顧客満足度の計算結果(単位:%) 46 序論 研究の背景 現在、世界中で新型コロナウイルスのパンデミックが進行しているが、 ベトナムでも起きている。コロナ禍は経済社会全体に悪い影響を及ぼして いるが、一方で多くの業界に飛躍的な発展のチャンスをもたらしている。 パンデミックにもかかわらず、ベトナム国内だけではなく、世界中で急激 に発展している業界の一つは電子商取引(E コマース)業界である。 近年、ベトナムの市場において E コマースの市場規模がますます拡大し ており、一般的かつ代表的なビジネスモデルとなっている。特に、商工省の 代表者によると、現在ベトナムにおける B2C モデルの成長速度は年間平均 で 12%近くの増で益々速くなっており、東南アジアの第 位である。そのた め、B2C モデルはベトナムの E コマース業界における主要なモデルの一つ であり、重要な役割を果たしている。過去 年間で B2C の E コマースプラ ットフォームを通じてオンライン販売からの収益が 20~30%も増加しており、 もっと急速に上がり続くと予測される企業も少なくない。 しかし、低品質、偽造品、個人情報漏洩、複雑な商品の購入方法と支払 方法など、B2C E コマースの問題は今後の発展を阻む可能性があり、様々 なチャレンジにまだ直面している。 したがって、「コロナ禍におけるベトナムの B2C E コマースの発展・ハ ノイの実態を中心に」という研究テーマを選ぶことにした。本研究では、 新型コロナウイルス感染拡大前後におけるベトナムで B2C の E コマースの 発展を調べ、これと相まって、コロナ禍における B2C プラットフォーム上 でのオンライン購入の際のハノイの顧客満足度に関する調査を行った。こ れにより、コロナ禍前の B2C の E コマース発展状況と比べ、コロナ禍でど のように発展しているかを確認した上、調査結果を踏まえて B2C の改善す べき点を明らかにし、そこから将来の B2C の E コマース促進、課題解決に 向けた企業への提案を行った。 53 することが重要である。そして、オープンで正直なフィードバックを得る ために顧客に連絡し、彼らが快適に感じたら、メール、サイトを介して商 品・サビースに対する評価、意見、感想などを送るよう彼らに頼む。正の フィードバックの場合、顧客への感謝として自社の販売サイトへそれを投 稿する。一方、ネガティブフィードバックの場合、反応を示す代わりに、 今後質を改善するために快く受け入れ、顧客へのお礼を伝える。言い換え れば、否定的な反応を商品・サービスの開発機会に変えることである。 • プロモーション ほとんどの B2C 企業は、ホリデーシーズンや定期的な毎月(5 月 日、 月 日、…) などに多くの顧客を引き付けるために割引プログラムを実施 している。しかし、すべての人向けに通常の割引プログラムを作る代わり に、特定の顧客セグメントごとに合う割引を適用するべきである。 また、ホームページで簡単に見つけられる返品規則は、顧客の信頼を 大幅に高め、カスタマーケアセンターへ返品要求に関して連絡することを 減らすという役割を果たす。オープンな開かれた透明性がある返品ポリシ ーは顧客の心理を掴み、リピート率を上げ、キャンセルされた注文数を減 らす。サプライヤーの保証ポリシーには、商品を保証する際の返品送料の 要件を含め、明確にする必要がある。さらに、B2C 企業は顧客保護のプロ グラムを構築することが重要である。要件を満たしていない商品を受け取 ったときにクレームがある顧客に迅速かつ合理的に対応することは、オン ライン購入の際に顧客満足度を高めることができる。 支払方法 オンライン購入する際に、顧客は銀行キャッシュカード、支払いゲー トウェイ、携帯電話、電子財布などの多くのオンライン支払方法から選択 できる。B2C 企業(売り手)はオンライン支払プロセスを簡単化し、ミス を避けるためにアプリ、システム、サイトなどを常にアップデートする必 要がある。そして、顧客が商品・サビースの価格を事前に支払うとき、売 54 り手は十分かつ正確な商品購入数、種類、品質を確保し、決められた期限 内に配達し、配達に関するリスクを負う顧客保護のポリシーが不可欠であ る。 また、名前、住所、電話番号、口座番号、身分証明書の写真などの顧 客情報を秘密にしなければならない。悪人が情報漏洩をいいことに、悪い 目的として顧客の偽物の身分証明書を作り、口座の OTP、暗証番号などを 盗んで不正に引き出すことなどのケースが少なくない。そのため、インタ ーネットバンキング取引のリスクを制限するために、B2C 企業と銀行と顧 客が情報の安全性と機密性の原則を遵守する必要があり、同時にネットワ ーク環境での不正行為を検出して処理し、消費者を保護することにおける 省庁間協力が必要である。 プライバシーポリシー 実際には、多くの顧客は、個人情報が漏れることを恐れるため、オン ラインで購入する方法を選択しない。したがって、顧客の情報セキュリテ ィについて顧客との信頼関係を築くことは、B2C 企業をはじめとする E コ マースビジネスの成功の鍵である。 • 内部の安全性が高いネットシステムを構築する 顧客情報を効果的に保護するために、最初 B2C 企業は、高度なセキ ュリティ機能をサポートするプログラムとソフトウェアを設定することに より、安全な内部ネットワークシステムを構築する必要がある。これは企 業のデータとネットワークセキュリティに関するリスクを最小限に抑える という役割を担う。電子メールの機密情報及び企業や顧客にとって重要な 情報を守るために、最高のマルウェア対策ソフトウェアに投資するべきで ある。毎月、毎年、企業の実際の要件を満たすためにセキュリティソフト ウェアをアップグレードする必要がある。 55 • 安全基準を作成する 部品を接続する共通のシステム、情報セキュリティの確保の原則を構 築するため、デバイスを企業で使用する前に、デバイスのタイプごとに構 成標準を作成する必要がある。標準を作るために、B2C 企業は、企業のパ スワード、アカウント、サービス、またはシステム構成に関するポリシー の更新に注目を集めるべきである。また、B2C 企業はサイバーセキュリテ ィ基本法(2015 年)や、情報セキュリティに関する政府の規定・規則などを 更新して遵守することが不可欠である。 • 外部ネットワークに接続することを 制限する 現在、ほとんどの企業では、データはクラウドプラットフォームの上 に保存されている。クラウドデータプラットフォームがコンピュータシス テムに保存されるデータよりずっと盗まれやすいため、これはハッカーの 標的になっている。そのため、個人アカウントを盗難し悪い目的に利用す ることが頻繁に発生している。 企業のデータ及び顧客の個人データを安全に保存するために、各企業 は Virtual Private Network (VPN)、つまりデータを暗号化する技術と通信相 手を認証する技術を組み合わせ、インターネットを介して複数のローカル エリアネットワーク(LAN)間を安全に接続したり、個別のコンピュータ を特定ネットワーク内部に接続させたりする技術を導入するべきである。 • 顧客データを徹底的に管理する 企業が多くの顧客の機密情報を保存するとき、情報を安全に管理し、 効率的に活用するために、顧客データの暗号化は非常に重要なことである。 データを他人に見られないように特別な処理を施すことにより、日々のネ ットサービスの利用が安心安全に行える。 現在、データを安全安心に守るために、企業は、DES、AES、3DES、 Twofish などの暗号化アルゴリズムを使用することにより、通信量を確保す る HTTPS 暗号化、メール暗号化、安全なメッセージアプリの暗号化、電子 マネーの暗号化、などの暗号化の方法を適用するべきである。 56 商品の多様化 B2C 企業は顧客が商品を簡単に選択するために、ウェブサイト上での 商品の種類を多様化することが必要である。これは、顧客満足度を向上さ せるのに役に立つ一つの要素である。企業の能力と強みに基づき、主力商 品に焦点を合わせ、過酷な市場競争を勝ち抜くために他社との明らかな違 いを生み出す。例えば、Yody というベトナムのファッションブランドの主 力商品はメンズポロシャツである。Yody は男性に向けたポロシャツの種類 を多様化することに焦点を当て、Shopee、Lazada、Tiki などの B2C プラッ トフォーム、または自社のウェブサイトの上で自社の魅力的な割引プログ ラムやお客様感謝イベントを定期的に行う。これにより、他ブランドと比 べ競争優位を生み出し、顧客満足度を向上し、新規顧客を着実にリピータ ーへ引き上げる可能性がある。 顧客のニーズに合う新商品・新サービスを追加するために、B2C 企業 は消費者の嗜好に関する調査を定期的に行う必要がある。そして、信頼性 の高いサプライヤーを能動的に検索することにより、質の高い商品の種類 と量を増やし、顧客が安全安心に購入することに役に立つ。 商品・サビースの質を向上する 商品・サビースの多様化とともに、顧客との信頼関係を築くためには、 質を確保する必要がある。ほとんどの場合、商品・サビースの質を向上さ せるプロセスを実施する企業は、次の つのステップである。 図 3.1 商品・サビースの質を向上させるプロセス 出所:tino.org 57 • ステップ 1:現在の商品・サビースの品質状況を評価する 商品・サビースに関して何か変更を行う前に、B2C 企業は自社の商 品・サビースに対する顧客満足度を通して、現在の商品・サビースの品質 状況を評価する必要がある。これは、企業が現在の商品・サービスの品質 を正しく把握し、商品・サビースに適切な変更を加えるための基礎となる という最初の重要なステップである。 • ステップ 2:品質基準を改善する 商品・サビースの品質状況を評価した上で、B2C 企業は品質基準の改 善を施し続ける。 品質基準とは、商品またはサービスを市場に出す準備ができているか どうかを判断する一連の規則である。それらの規則は、硬さ、耐久性、弾 力性、応答性などを含む。改善の過程における B2C 企業は品質基準を高め、 時代遅れの基準を排除し、新しい基準を検討し適用する必要がある。企業 は設定された基準を満たす商品を作る方法について具体的な計画を立てる ことが重要である。 • ステップ 3:生産プロセスを改善する 生産プロセスにおける変更は、新しい品質基準に基づいて調整される。 新しい品質基準に従うことに加えて、B2C 企業は生産時間の改善、生産性 の改善などの他の基準も考慮することも不可欠である。 • ステップ 4:人材の質を向上する 人材は商品・サビースの質に大きな影響を与える要素である。商品・ サービスの品質を向上させるために、企業は、やる必要があることに対し て従業員数を十分に有してるかどうか、そして現在の仕事をうまくこなし ているかどうかを判断する必要がある。そこから、人事を適材適所に配置 することにより、ビジネス活動が順調に進むはずである。 • ステップ 5:テクノロジーをアップグレードする これも商品・サビースの品質を改善するプロセスにおける重要かつ不 可欠なステップである。特に、現在のような新型コロナウイルスの流行が 58 拡大している状況の中で、従来のビジネス活動が制限され、オンラインで のビジネス活動が活発になっているため、テクノロジーをアップグレード することは最優先されなければならない。生産テクノロジー、管理のテク ノロジー、カスタマサービステクノロジ、などの新しいテクノロジーを設 置することで、B2C 企業は、数十人、数百人の従業員が割り当てられた仕 事に何時間もかけてしまった以前と比べ、複数の仕事を同時並行で進める ことが簡単になると言える。 • ステップ 6:品質管理システムの最適化 最後のステップにおいて、企業は、商品・サービスの品質が基準を満 たし、生産プロセスにおけるすべてのステップがうまくいったことを保証 するために、優れた品質管理システムを導入する必要がある。 品質管理システムは、原材料の仕入れ、生産、商品・サビースを消費 者へ円滑に移転させるまでというすべての活動を含む。品質管理プロセス において、部門、サプライヤー、および販売業者との間に緊密な協力が必 要である。商品・サービスの出力品質を管理することに加え、品質管理シ ステムは、企業が顧客やパートナーからのクレームやフィードバックを効 率的に管理するのにも役立つ。 本研究の限界 本研究にはまだいくつかの制限がある。 第一に、2021 年と 2022 年の初めの最新データがとても少なく、まだ 発表されないため、本研究は新型コロナウイルスがベトナムで出現する 2020 年のデータや指数だけを集めた。そこで、最新の変動や情報を本研究 にまだ入れていない。 第二に、ベトナムにおけるほとんどの B2C 企業は外部に経営成績、 財政状態、業務状況を公開しないため、収益、純利益、純損益、成長率な どの指数を集めることが難しい。そこで、本研究は主に VECOM の調査結 果に基づき、ベトナムにおける B2C 企業のビジネス活動をサポートするツ 59 ール、商品・サビースを宣伝するソーシャルメディアなどの研究に集中し ている。 第三に、本研究のアンケート調査では ハノイにおける 204 人の顧客 を対象に調査を行っただけであり、調査範囲がまだ狭く、調査の回答率が まだ高くないため、結果の信頼性は十分でない可能性がある。 今後の研究課題 今後、この研究テーマを発展させることができれば、以下の点に注意 する必要がある。 • 研究内容がより十分かつ正確に分析されるため、1 年のデータ だけではなく、複数年のデータを集める。 • 本研究では、コロナ前とコロナ禍についての研究に集中してい るが、今後の課題はポストコロナ時代においても B2C 企業に 求められる対応、発展状況、ビジネスの戦略なども研究する。 • 再びアンケート調査を実施したら、調査範囲はハノイにとどま らず、ベトナム全国における消費者を中心に広める。 • 研究結果の説得力がもっと高いため、自分で得られた調査結果 はもちろん、顧客満足度に関して B2C 企業からの実際のデー タにも基づき分析する。 「ポストコロナ時代におけるベトナムの B2C 企業に求められる対応」 については、今後の課題としたい。 60 結論 本研究では、ベトナム電子商取引協会(VECOM)の報告書や商工省 電子商取引・デジタル経済局の「E コマース白書」などの様々な資料を参 考にすることにより、新型コロナウイルスのパンデミックの前(2019 年)と 中(2020 年)におけるベトナムの B2C E コマースの発展状況の研究に集中し ている。そして、B2C プラットフォーム上でのオンライン購入の際のハノ イの顧客満足度についてのアンケート調査結果に基づき、発展を阻む問題 や改善すべき点を把握し、B2C 企業への提案を提示した。 コロナ禍が起こっている背景における、ベトナムの B2C E コマース の売上高の成長率が益々上がり、2025 年に 350 億米ドルに達すると予測さ れる。直接買い物に行く頻度を減らす購買行動を変えているため、B2C プ ラットフォーム上でのオンラインショップピングを選ぶ人数が急激に増え ている。このような巨大なチャンスにより、B2C 企業は効率的なツール、 ソーシャルメディアなどを自社の販売戦略に応用している。VECOM の調 査結果に基づき、コロナ禍が起こる前の時点より B2C 企業は、自社のウェ ブサイトの構築、SNS 上でのビジネス、E コマースプラットフォームに参 加、モバイルプラットフォーム上でのビジネス、SNS と検索ツールを介す る広告を益々重視していることがわかった。そのため、ベトナムの B2C E コマースは、多くの発展チャンスを持っている。 しかし、コロナ禍が起こって以来、省市の間で B2C の発展度は比較 的に均一とならなく、不均衡の問題になっている。また、得られた調査結 果から見ると、ベトナムの B2C E コマースは、商品・サビースの情報の質、 カスタマーサービス、フィードバック、プライバシーポリシー、支払方法 など、まだ多くのチャレンジに直面しており、B2C プラットフォーム上で のオンライン購入の際の顧客満足度が顕著に低下していることが明らかで ある。そのチャレンジを乗り越えるには、政府と商工省は B2C 取引の指標 が最も低い地方における企業をはじめとす各企業をオープンな政策投資や 61 人材や IT インフラの構築で支援することが必要である。B2C 企業は顧客の 意見を聴き、課題解決を迅速的に図り、良くないところを改善する必要が ある。 「新しい生活様式」の実践という状況の中で、B2C モデルをはじめと する E コマースは経済回復を促進することに重要な役割を果たしている。 コロナ禍、ポストコロナ時代においても急激に成長し続けると言える。 62 参考文献 日本語の参考文献 JETRO、2017 ジェトロ世界貿易投資報告・新たなビジネスモデル としての EC と人材、日本: JETRO グランドビューリサーチ 、2021 世界の B2C E コマース市場 20212028:種類別(B2C 小売業者、クラシファイド)、用途別、地域別 、東京 都: Grand View Research 金綱潤 、2012、[ポイント図解]顧客満足度が面白いほど向上する本、 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kinh nghiệm thực tế Việt Nam, NXB Đại học Quốc gia Hà Nội 17 Hiệp hội thương mại điện tử Việt Nam VECOM, 2019 Báo cáo Chỉ số Thương mại điện tử Việt Nam 2019 18 Hiệp hội thương mại điện tử Việt Nam VECOM, 2020 Báo cáo Chỉ số Thương mại điện tử Việt Nam 2020 19 Hiệp hội thương mại điện tử Việt Nam VECOM, 2021 Báo cáo Chỉ số Thương mại điện tử Việt Nam 2021 20 Hiệp hội thương mại điện tử Việt Nam VECOM, 2020 Việt Nam – Thương mại điện tử tăng tốc sau đại dịch COVID-19 21 PGS TS NGƯT Nguyễn Văn Hồng, TS Nguyễn Văn Thoan, 2013, Giáo trình Thương mại điện tử bản, NXB Bách Khoa – Hà Nội 22 PGS TS Nguyễn Văn Hùng, 2014, Cẩm nang thương mại điện tử, NXB Thống kê 23 PGS TS Nguyễn Văn Minh, 2014, Giáo trình phát triển hệ thống Thương mại điện tử, NXB Thống kê 24 Nagasue Harumi, Kakihara Mayumi, 2011, Làm hài lòng khách hàng: Kiến thức dịch vụ người, NXB Trẻ 25 Thái Thanh Sơn, Thái Thanh Tùng, 2017, Thương mại điện tử thời đại số, NXB Thông tin Truyền thông 64 参考ウェブサイト 26 TOPICA, 2018 Bài 1: Tổng 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