研究背景 最近、日本とベトナムの友好関係がますます発展してきた。2013 年は、日本 とベトナムとの間で 1973 年 9 月 21 日に外交関係を樹立してから 40 周年にあたる。 この背景には日本語学習者の人数がだんだん増えていく。日本語は勉強すればする ほど難しくなり、特に複合語についての理解が簡単なことではない。日本語の初級 では、基本的な単純語の指導が中心と
Trang 1大学院
- -修士論文
日本語とベトナム語における
従属複合語の構成
CẤU TẠO TỪ GHÉP CHÍNH PHỤ
TRONG TIẾNG NHẬT VÀ TIẾNG VIỆT
大学院生: Nguyen Thi Ngu 専攻科目: 日本言語学 Code: 60.22.02.09 指導教官: Ngo Minh Thuy準教授, 博士
ハノイ、2014 年
Trang 2ĐẠI HỌC QUỐC GIA HÀ NỘI TRƯỜNG ĐẠI HỌC NGOẠI NGỮ
KHOA SAU ĐẠI HỌC
- -
LUẬN VĂN THẠC SỸ
CẤU TẠO TỪ GHÉP CHÍNH PHỤ TRONG TIẾNG NHẬT VÀ TIẾNG VIỆT
Học viên thực hiện: Nguyễn Thị Ngư Chuyên ngành Ngôn ngữ Nhật Bản Mã số 60.22.02.09
Giáo viên hướng dẫn: PGs TS Ngô Minh Thủy
Hà Nội, năm 2014
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本論において用いられる表記
1. 例文はイタリック体で表す
2. 例文や参考対象語句の文頭に付された「*」は、その表現が容認不可能で あることを示す。
3. 文中で、1つの意味的また用語的まとまりをなすもの、また説明文中の例 文は、「 」で括って示す。
4. 「N」は名詞、「V」は動詞・動詞連用形、「A」は形容詞(語幹)、
「NA」は形容動詞(語幹)、「AD」は副詞、「NP」は名詞句を示す。
示す。
8. 「◆」は「注目」を示す。
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目次
第 1 章 合成語、複合語、従属複合語 5
1.5 本章のまとめ 14
第 2 章「動詞連用形+動詞基本形」の「V1+v2」型従属複合動詞 16
2.1.3 複合動詞の語構成・両項関係についての先行研究 17
2.2.「動詞連用形+動詞基本形」の「V1+v2」型従属複合動詞 23
2.2.1 従属複合動詞の定義 23
2.2.2 「動詞連用形+動詞基本形」の「V1+v2」型従属複合
動詞の語構成・両項関係 24
2.2.3 「動詞連用形+動詞基本形」の V1+v2」型従属複合
動動詞 25
1) 前項主動詞にアスペクトを補助・修飾する後項補助
2) 前項主動詞に方向を補助・修飾する後項補助 32 3) 前項主動詞に動作のやり方を補助・修飾する後項補助
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4) 前項主動詞に相互動作を補助・修飾する後項補助動詞 44 5) 前項主動詞に失敗・難易を補助・修飾する後項補助動詞 47
第 3 章 「名詞+動詞連用形」型及び「動詞連用形+名詞」型従属
3.1.3 複合名詞の語構成・両項関係についての先行研究 55 3.2.「名詞+動詞連用形」型及び「動詞連用形+名詞」型従属複
3.2.1 従属複合名詞の定義 59 3.2.2 従属複合名詞の語構成・両項関係 60 3.2.3 「名詞+動詞連用形」型及び「動詞連用形+名詞」型従属複
合名 詞 60 1) 名詞(主語)と動詞連用形からの結合による従属複合
2) 名詞(補語)と動詞連用形からの結合による従属複合名
3) 名詞(副詞)と動詞連用形からの結合による従属複合名
付録‐筆者のよく使用される従属複合動詞リスト a
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序論
日本語の複合語についての研究は、従来、様々な枠組みにおいて非常に精力 的になされてきた。しかし、それらの研究には、従属複合語の構造両項関係、補助 要素の修飾意味・従属的役割についてまだ詳細に示されていないと感じられる。本 稿では、日本語の従属複合語を中心として研究し、ベトナム語との比較を進めてい きたい。
1 研究背景
最近、日本とベトナムの友好関係がますます発展してきた。2013 年は、日本 とベトナムとの間で 1973 年 9 月 21 日に外交関係を樹立してから 40 周年にあたる。 この背景には日本語学習者の人数がだんだん増えていく。日本語は勉強すればする ほど難しくなり、特に複合語についての理解が簡単なことではない。日本語の初級 では、基本的な単純語の指導が中心となり、複合語は中級以降へ後回しにされがち だが、中級以降でも複合語の意味や用法等の理解が問題となる。
日本語には、「雨風」、「親子」、「光り輝く」、「引き返す」、「書き上 げる」、「蒸し暑い」、「気弱い」ように、2 つ以上の語基が結合してできた複合 語が極めて多く存在し、それらの語構成パターンも実に多様である。なので、日本 語学習者が複合語を正しく自然に使用できなければうまく日本語の使用者と言えな い。
それから、世界的に見ると,このような複合語は東アジアから南アジア,そ して中央アジアの一部にかけての地域に広く観察される。筆者の母語であるベトナ ム語も例外ではない。その他、日本語とベトナム語は似ている点が多くみられ、特 に複合語は構成から結び方まで様々な点を比較することができる。
日本語の複合語に対する研究は、構成要素間の意味的・統語的関係性を分析 する語構成論や、ある 2 つ以上の語がどのような過程を経て合成し複合語となるか を分析する語形成論など、従来、様々な枠組みにおいて研究がなされてきている。
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中でも、「降り始める」、「光り輝く」等の複合動詞や「花見」、「雨風」 等の複合名詞について、構成要素間の意味的・統語的関係に基づいてそれぞれの複 合語を複数のパターンに分類していくというタイプの研究は、非常に精力的になさ れてきた。
しかし、それらの研究には、従属複合語の構造両項関係、補助要素の修飾意 味・従属的役割についてまだ詳細に示されていないと感じられる。本稿では、従属 複合語(従属的複合語)の構成について具体的な研究をし、ベトナム語との比較を したい。本来、従属複合語は幅の広いテーマのため、その中で最も興味深い「動詞 連用形+動詞基本形」の「V1+v2」型従属複合動詞、「名詞+動詞連用形」型従 属複合名詞、「動詞連用形+名詞」型従属複合名詞」について焦点を絞り、研究を 進める。
2 研究対象
本稿では、上述のとおり、日本語の複合語における「動詞連用形+動詞基本 形」の「V1+v2」型従属複合動詞、「名詞+動詞連用形」型従属複合名詞、「動 詞連用形+名詞」型従属複合名詞を取り上げ、様々な関連問題を論じる。
「動詞連用形+動詞基本形」の「V1+v2」型従属複合動詞:読み始める、 切り出す、書き直す
「名詞+動詞連用形」型従属複合名詞:値上がり、種蒔き、島育ち
「動詞連用形+名詞」型従属複合名詞」:鳴き虫、焼き芋、乗り口
それから、「動詞連用形+動詞基本形」の「V1+v2」型従属複合動詞、「名 詞+動詞連用形」型従属複合名詞、「動詞連用形+名詞」型従属複合名詞に相当す るベトナム語について考察し、日越両語を対照しその異同を探究する。
3 研究目的
日本語を習得するに当たって、どの語とどの語がほぼいつも結びついた形で 用いられていると決まった複合語を身に付けなければならないが、その複合語の構
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成・意味等を理解することも必要である。特に、複合語の従属複合語の語構成関 係・修飾要素等の理解が非常に難しい。これをきっかけに、従属複合語について詳 細に調べたい。同時に、合成語、複合語を調べてみようと思った。
本研究の重要な目的は日本語の「動詞連用形+動詞基本形」の「V1+v2」型 従属複合動詞、「名詞+動詞連用形」型従属複合名詞、「動詞連用形+名詞」型従 属複合名詞の語構成、修飾要素等を分析することと、これらの従属複合語をベトナ ム語と比較するともに、日越両語の類似点をまとめたいと思う。さらに、この研究 を通じ、日本語を学習しているベトナム人に、日本語の従属複合語の構成成分、意 味や使い分けを理解させ、従属複合語についてより深く興味を持たせる。
4 研究方法
本稿では、今までの関連研究を基に筆者の観点を加え、さらに理論・分析・ 統合した。
構成要素間の意味的・銃語的関係性、文法関係等を基づいて、説解・帰納方 法の利用で、従属複合語の構造・構成を分析する。従属複合語の「前項要素」と
「後項要素」の関係・位置について明確にして確認する。
また、ベトナム語とも対照し、その共通点・相違点を明確にする。
本研究は主に次の研究方法を使用する。
帰納方法:「前項要素」と「後項要素」の構造・意味・文法的な関係等を 参照しながら構文的意味等を抽出する。
説解方法:構文的意味等から「前項要素」と「後項要素」の構造・意味・ 文法的な関係等を解説する。
列記方法:参考資料を参照して、日本語の従属複合語のポイント等を列記 して、述べる。
対照方法:日本語における従属複合語とベトナム語に相当する語・型を対 照して、共通点・相違点を述べる。
統計方法:インタネットのデータベースで従属複合動詞を取り上げる。
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5 本稿の構成
本稿は序論、第 1 章、第 2 章、第 3 章と結論の 5 つ部分からなる。
序論では、研究背景、研究対象、研究目的、研究方法、それから本稿の構成 について説明する。
第 1 章では、合成語、複合語、従属複合語等にの定義や特徴等を述べる。
第 2 章では、「読み始める」、「切り出す」、「書き直す」等の「動詞連用形
+動詞基本形」の「V1+v2」型従属複合動詞を参考対象とする。まずは、複合動 詞の先行研究を述べて、従属複合動詞の構成要素等について検討し、「動詞連用形
+動詞基本形」の「V1+v2」型の従属複合動詞の種類について研究しながら、ベ トナム語との対照をする。
第 3 章では、従属複合名詞の「値上がり」、「種蒔き」、「島育ち」等の
「名詞+動詞連用形」型及び「泣き虫」、「焼き芋」、「乗り口」等の「動詞連用形
+名詞」型を参考対象とする。まずは、複合語名詞の先行研究を述べて、従属複合 名詞の構成要素等について分析しながら、ベトナム語との対照をする。
結論では、本論のまとめ及び今後の検討課題について述べる。
最後に、筆者のよく使用される従属複合動詞のリスト、そのベトナム語翻訳 及び例文という付録をつける。
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第 1 章
合成語、複合語、従属複合語
「読み始める」、「切り出す」、「書き直す」等の「動詞連用形+動詞基本 形」の「V1+v2」型従属複合動詞、「値上がり」、「種蒔き」、「島育ち」等の
「名詞+動詞連用形」型及び「泣き虫」、「焼き芋」、「乗り口」等の「動詞連用形
+名詞」型の従属複合名詞についての研究に入る前、関係概念である合成語、複合 語、従属複合語及びこれらの特徴について簡単に述べる。
1.1 語の種類
日本語の語には、「本」、「山」、「手」、「寝る」、「もし」、「はい」 等のように、それ以上小さい部分に分けられないものと、「本箱」のように「本」 と「箱」、「飛び出す」のように「飛び(ぶ)」と「出す」、「不器用」のように
「不」と「器用」等のようにさらに小さい部分に分けられるものがある。前者を単 純語といい、後者を合成語という。つまり、1 つの語基からなる語を単純語という のに対して、1 つの語基に他の語基、あるいは接辞が結合してできた語を合成語と いう。
合成語の中には「雨風」の「雨」と「風」のように、それぞれが単独で単純 語となることができる語基 つ以上からなる複合語と、「山やま」のように同一の 語基が結合した畳語、それに「子供っぽい」のように語基「子供」と「っぽい」の ように単独で用いられることがなく、常に語基について意味を強めたり、意味を添 えたりする接辞とからなる派生語がある。
なお、語基は語の意味上中心となる重要な部分で、語と同形で単独で使いえ る形式である。
以上、整理すると次のように分類することができる。
Trang 11a
参考文献
日本語
1.秋元美晴(2002)『よくわかる語彙』アルク
2.寺村秀夫( )『日本語・日本文化』大阪外国語大学研究留学生別科 3.寺村秀夫( )『日本語の文法 上 』日本語教育指導参考書 国立国 語研究所
4.寺村秀夫( )『日本語のシンタクス意味 II』くろしお出版
5.山本清隆( )『複合動詞の格支配』都大論究
6.長嶋善郎( )「複合動詞の構造」『日本語講座 日本語の語彙と表 現』大修館書店
7.姫野昌子( )「動詞の連用形に付く補助動詞及び複合動詞後項」
『日本語教育事典』大修館書店
8.姫野昌子( )『複合動詞の構造と意味用法』ひつじ書房
9.影山太郎( )『文法と語形成』ひつじ書房
10.影山太郎・由来陽子( )『語形成と概念構造』研究社
11.影山太郎( )『形態論と意味』くろしお出版
12.石井正彦( )「現代語複合動詞の語構成分析における一観点」『日 本語学』
3.石井正彦( )「現代語複合動詞の語構成分析-〈動作〉・〈変化〉 の観点から-」『国語学研究』
14.石井正彦( )『辞書に載る複合動詞・載らない複合動詞』日本学科 5.石井正彦( )『現代日本語の複合形成論』ひつじ書房
6.森翠芳『日本語複合動詞研究の現在』
7.『新版日本語教育事典』日本語教育学会
18.金田一春彦( )「日本語動詞のアスペク」『国語動詞の一分類』む ぎ書房
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19.野田大志( )『現代日本語における複合動詞の意味形成―構文理論 によるアプローチ』名古屋大学大学院国際言語文化研究科
20.井口厚夫・井口裕子『日本語文法整理読本-解説と演習』バベル・プレ
ス
21.吉川武時『日本語文法入門』アルク
22.『日本語の語と文』ハノイ国家大学外国語大学言語東洋言語文化科学
23 Nguyễn Thị Xuân (2004)『日本語の複合動詞とベトナム語における相当す る単位』ハノイ国家大学外国語大学
24.Trần Lan Phương (2002) 『日本語の複合動詞とベトナム語の複合動詞の 比較』ハノイ国家大学外国語大学
25.Nguyễn Thị Hồng Nhung (2012)『日本語における複合動詞「~出る」
「~出す」と「~始める」』ハノイ国家大学外国語大学
26 Nguyễn Thị Ngọc Lan (2007)『日本語の連用複合動詞』ハノイ国家大学外 国語大学
ベトナム語
1 Nguyễn Thị Bích Hà, Đối chiếu cấu tạo từ ghép chính phụ trong tiếng Nhật và
2 Nguyễn Tài Cẩn, 1996 Ngữ pháp tiếng Việt: Đại học Quốc gia Hà Nội
3 Trung tâm Khoa học Xã hội và Nhân văn Quốc gia, 2003 Ngữ pháp tiếng Việt:
Nhà xuất bản Khoa học và Xã hội
4 Diệp Quang Ban và Hoàng Văn Thung, 2012 Ngữ pháp tiếng Việt - Tập một:
Nhà xuất bản Giáo dục Việt Nam