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Elongation of sand spit at the loc an ri

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土木学会論文集B3(海洋開発), Vol 74, No 2, I_695-I_700, 2018 ベトナム南部ロックアン河口における 砂嘴の延伸 Nguyen Quang DUC ANH1・Dinh Van DUY2・田中 仁3・Nguyen Trung VIET4 Thuyloi 大学研究員, Vietnam-Netherlands Center for Water and Environment (175 Tay Son, Đong Da, Hanoi, Vietnam.) E-mail: ducanh.cte@gmail.com 学生会員 東北大学大学院工学研究科土木工学専攻 (〒980-8579 宮城県仙台市青葉区荒巻字青葉 6-6-06) E-mail: dvduy19@gmail.com フェロー会員 東北大学大学院教授 工学研究科土木工学専攻 (〒980-8579 宮城県仙台市青葉区荒巻字青葉 6-6-06) E-mail: hitoshi.tanaka.b7@tohoku.ac.jp Thuyloi 大学教授, Faculty of Civil Engineering(175 Tay Son, Đong Da, Hanoi, Vietnam.) E-mail: nguyentrungviet@tlu.edu.vn ベトナム南部ロックアン河口において沿岸漂砂の下手方向への砂嘴の延伸が著しい.このため,河口右 岸においては流路の移動に伴う深刻な侵食が見られる.しかし,当地ではこれまで様々な現地資料の蓄積 が行われておらず,砂嘴延伸の状況・対策を論ずるための基礎資料が乏しい.そこで,1988 年以降に撮影 されている Landsat 画像や Google Earth 画像をもとにロックアン河口砂嘴の変動特性に関する検討を行っ た.その結果,砂嘴先端部は平均的に 95m/年の速度で延伸し,一方,対岸の汀線位置もほぼ同じ速度で後 退することから,一定の河口幅が維持されていることが分かった.また,この砂嘴移動速度に砂の移動高 さを乗じることにより推定される沿岸漂砂量は,これまで数値シミュレーションにより評価された値と良 好な一致を示した. Key Words : Loc An River Mouth, Vietnam, sand spit elongation, river mouth opening, satellite image analysis, longshore sediment movement はじめに 討を行っている. 本論文で扱うベトナム南部ロックアン河口では数km 適度に発達した河口砂州は波浪や塩水の河道内への にも及ぶ砂州の延伸が見られる.そこで,衛星画像より 遡上を阻止することから,河川環境にとって望ましい効 約30年にわたる砂州の変形過程を明らかにし,その成長 果を有する.しかし,過度に発達した場合には,洪水時 が対岸の海浜に及ぼす影響を評価した. の水位せき上げなど治水上の問題を引き起こすこととな る.このように,河口砂州(砂嘴)の発達は河川におけ ロックアン河口の概要と使用データ る重要な地形要素である. 我が国の河川では堤防や導流堤により河口部が固定 されていることが多く,河口砂州はこれら人工構造物の ロックアン河口はホーチミン市から南東に約75kmの 影響を多く受けている.また,河川流出土砂の減少によ 箇所に位置するレイ川の河口部である(図-1) .ベトナム り,河口砂州の縮退が多くの河川で見られている .一 においては河口部に固有の名称を使用することが多く, 方,より自然状態にある河口環境においては大規模な砂 同河川も例外では無い.レイ川の流域面積は1200km2, 嘴の延伸が見られる.例えば,インドネシア 幹川流路延長は90kmである6). 1) ,セネガ 2), 3) ル4)などでの事例が報告されている.本研究において対 ロックアン河口の内部は小規模な漁港として利用さ 象とするベトナムにおいても自然な河口地形の発達が見 れているため,河口内への漂砂の押し込みによる河口水 られる.たとえば,田中ら5)はベトナム中部クアロー河 深の浅化が現地の大きな課題となっている. 口における砂嘴延伸と周辺沿岸漂砂との関係について検 I_695 長期的な河口砂嘴の変化を把握するために,全34シー 土木学会論文集B3(海洋開発), Vol 74, No 2, I_695-I_700, 2018 ンのLandsat画像,Google Earth画像を収集した.もっとも 結果および考察 古い画像は1988年に撮影されている.これらの画像に対 して幾何補正を行った後に,WGS84座標系の統一座標で (1) ロックアン河口の地形変化 表示を行った.これらの画像を分析することにより,約 代表的な衛星画像を図-2に示す.図中の赤線は初期形 30年間のロックアン河口砂嘴の変形過程を明らかにした. 状として1988年2月の砂嘴を示しており, この時の開口部 7) Earth画像を用い,現地 なお,宇多ら は同一のGoogle は画像のほぼ中央に位置している.図-2(a)においてはす 観測結果と併せて,2012年以降の近年における砂嘴の伸 でに約500m程度の左岸砂嘴の延伸が認められる.図-2(b), 張過程について検討を行っている.本論文においては, Landsat画像や,過去のフラッシュ情報なども加え,より 図-2(c)の時間の経緯とともに,さらなる砂嘴伸張が発生 している.なお,図-2(c)には(x, y)座標の定義を示した. 長期にわたる河口現象について着目した. 図-1 ロックアン河口の位置図 図-2 ロックアン河口砂嘴の成長 I_696 土木学会論文集B3(海洋開発), Vol 74, No 2, I_695-I_700, 2018 (a) Google Earth 画像(2016 年 月 26 日) (b) Geotextile tube の設置状況(2005 年 12 月) (c) 破壊された Geotextile tube(2016 年 10 月 日) (d) コンクリートブロック護岸(2018 年 月 26 日) 図-3 右岸の被災と水際固定のための護岸 (新河口) Spit Breaching Inlet Filling (旧河口) Spit Accretion 図-4 過度に延伸した砂嘴の破断と旧河口の閉塞(FitzGerald et al.8)に加筆) 図-2(d)以降はGoogle Earthの画像であり,より明瞭な画 より当該箇所は河口右岸となった.2016年10月には損傷 像である.開口部はさらに右岸に移動していることが分 し機能していない(図-3(c)) .河口右岸水際を保護するた かる.図-2(d)では砂嘴上での植生の繁茂が見られ,地形 めに,図-3(c)上部に見える工事がなされ,図-3(d)に見ら の安定化が認められる.図-2(e)では砂嘴上に建設された れるようにコンクリートブロック護岸が設置された. 図-4はFitzGerald et al.8) が示した延伸した砂嘴の破断 ビーチホテルや舗装走路が確認される.図-2(f)の段階で は河口が画像の右端部に位置している. 以上に示された地形変化過程より,写真の左から右に と旧河口の閉塞を図示したものである.Viet et al.6)による 1953年以降の地図・衛星画像の解析によれば,1953年, 向かう沿岸漂砂の卓越が示唆される.このような左岸砂 1965年,1979年,1991年の地形には,図-4の様に河川が 嘴の延伸に呼応して右岸には侵食が生じており,現地に 直進する形で砂嘴の付け根で破断が見られる.しかし, おける深刻な課題となっている.まず,海岸侵食対策と して,図-3(a)の四角に示す範囲内においてGeotextile tube それ以降,上述の様に砂嘴上での植生繁茂やホテル・道 の突堤が建設された(図-3(b)) .しかし,砂嘴の成長に 然条件下での砂嘴破断が生じにくい状況にある. 路の建設などにより地形の安定化が進み,以前の様な自 I_697 土木学会論文集B3(海洋開発), Vol 74, No 2, I_695-I_700, 2018 (a) 左岸砂嘴 (b) 右岸砂嘴 図-5 左右岸砂嘴の発達 図-2に示した画像を含め34枚の全画像より,右岸,左 岸の水際線を画像処理により抽出した.結果の一部を図 -5に示す.図-5(a)より,左岸砂嘴の移動距離は3kmにも 達している.この左岸砂嘴の移動に呼応して,右岸砂嘴 x1 = 95 30 ´ (t - 1985 ) + 2.16 ´ 10 m (1) x = 79 79 ´ (t - 1985 ) + 2.38 ´ 10 m (2) は後退している(図-5(b)) . 田中ら5)はベトナム中部クアロー河口における砂嘴の 延伸速度について同様な検討を行い,42.5m/yとの結果を (2) 砂嘴特性の変化 得ている.本研究による式(1)の値は約二倍の値となって 砂嘴の変形特性をより定量的に評価するために,図-5 いる.収集した画像によると,ロックアン河口周辺では の汀線データより各種特性値を求めた.図-6にその定義 北東モンスーン期の波浪の汀線への入射角がよりきつい する.図に示すように,左右岸の砂嘴に対して,その先 ことが確認される.このことが二つの河口における砂嘴 端部座標,基準座標より先の砂嘴の面積,および河口最 延伸速度の相違をもたらしているものと考えられる. 狭部の幅を求めた. 次に,図-7(c)の川幅Bは2000年以降,ほぼ一定値を保 図-7(a)に示す左岸砂嘴先端座標x1,および図-7(b)の右 っている.図-3に示された左右岸砂嘴の面積A1,A2につ 岸砂嘴先端座標x2はほぼ同速度で増加しており,次式を いても, ほぼ一定の速度で変化している (図-7(d), 図-7(e)) . 得る. これは,図-7(a),図-7(b)において砂嘴の岸沖方向の幅が ほぼ一定値を保って成長するためである. y (´103 m) 2.5 1.5 A1 A2 x2 0.5 B x1 0.6 1.5 2.5 3.5 x (´103 m) 図-6 砂嘴特性値の定義 I_698 4.5 5.4 x 1( 103 m) 土木学会論文集B3(海洋開発), Vol 74, No 2, I_695-I_700, 2018 (a) x 2( 103 m) x1=95.30´(t-1985)+2.16´103 R=0.99 (b) x2=79.79´(t-1985)+2.38´103 R=0.91 B(m) (c) A( 106 m2) (d) (e) 図-7 砂嘴特性の変化 ク)と,精度の劣るLandsat(白抜きマーク)がほぼ同様 一方,Bon et al.11)による数値シミュレーション結果に よれば,Q=1.9×105 m3/y が得られており,本研究の砂嘴 な傾向を示すことが確認され,Landsat画像からも精度の 延伸速度を用いた推定値式(4)と良好な一致を示してい 高い評価がなされていると結論づけられる. る. なお,図中では解像度の高いGoogle Earth(黒塗りマー 図-7(d)より,左岸砂嘴面積の増加率は, dA1 (3) = 2.5 ´ 104 m /y dt と評価され, ほぼ一定値を持って延伸している. ここで, ベトナム中部クアロー河口を対象とする田中ら5)の評価 手法と同様に,左から右に向かう沿岸漂砂量Qが河口開 口部に持ち込まれることにより左岸砂嘴が成長すると仮 定する.これより,左岸砂嘴面積増加率より,沿岸漂砂 量が求められる. dA Q = (DB + DC ) = 2.0 ´ 10 m /y dt おわりに 本研究においてはベトナム南部ロックアン河口を対 象として,この約30年間にわたる衛星画像により得られ た河口砂嘴の変動の解析を行った.それにより,ほぼ一 定の速度で右岸側に移動する特性を確認した.現在,開 口部を固定化するための突堤が建設されたことから,こ の効果についてさらにモニタリングを続け,必要に応じ (4) てさらなる対策を講じる必要がある.この際,導流堤工 ここで,DB:バーム高さ,Dc:移動限界水深であり,バ リア・ブンタウ省における実測値9)よりDB=2.0mとし,移 法が一つの対策として考えられるが,沿岸漂砂の遮断に よる周辺海岸への影響を十分に配慮する必要がある. 動限界水深についてはロックアン河口から90km北東の Phan Thietにおける実測値10)からDc=6.0mの値を使用した. 謝辞: 本研究に対して,独立行政法人日本学術振興会の I_699 土木学会論文集B3(海洋開発), Vol 74, No 2, I_695-I_700, 2018 「論文博士号取得希望者に対する支援事業」の助成を得 た.ここに記して,関係機関に対して謝意を表する. 参考文献 1) 2) 3) 4) 5) 6) 澤本正樹,真野 明,田中 仁: 日本の河口,古今書 院, 286p, 2010 Suprijo, T and Mano, A.: Maximum flow velocity in equilibrium tidal inlets, Journal of Coastal Research, Vol.39, SI, pp.406-409, 2004 Nurfaida, W and Shimozono, T.: Migration of river mouth opening in Opak River, Yogyakarta, Indonesia, 土木学会 論文集 B2(海岸工学), Vol.73, No.2, I_751─I_756, 2017 Sadio, M., Anthony, E.J., Diaw, A.T., Dussouillez, P., Fleury, J.T., Kane, A., 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accumulation of sand introduced by longshore sediment transport On the other hand, serious erosion of the down-drift sand spit can be observed In addition, there is a fishing port inside the inlet and the elongation of the up-drift sand spit is causing a problem for navigation of the fishing boats Due to lacking field data in many coastal zones along the coastline of Vietnam, Landsat and Google earth images from 1988 to 2017 have been utilized for the investigation of the Loc An Inlet’s evolution According to the analysis results, the tip of the up-drift sand spit is shifting with the velocity about 95 m/y while the tip of the down-drift sand spit is retreating at almost the same speed This indicates that the width of the inlet has remained constant Longshore sediment transport rate (LSTR) along the up-drift sand spit is calculated as a product of the area change rate of this sand spit and the total depth of closure and berm height This LSTR shows good agreement with the LSTR calculated by numerical simulation I_700

Ngày đăng: 27/03/2023, 13:36

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