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「市川拓司の作品における複合動詞のベトナム語への翻訳について

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教育訓練省 MINISTRY OF EDUCATION AND TRAINING 卒業論文 Graduation Thesis Document 「市川拓司の作品における複合動詞のベトナム語へ の翻訳について」 グループ Nguyen Nhu Thiet グループメンバー Do Tue Nhien SB02320 SB02385 指導教官 Nguyen Thi Thanh Ngan 提出日 2020 年 月 日 - ハノイ、2020 年 月 – 要旨 複合動詞はコミュニケーションでも文学でもよく使用される。日本語では、複合動詞の 意味が要素の動詞に基づいて決定した。複合動詞に組み合わせると、後項動詞がその複合動詞 の形交換を担当する。この記事では、日本語の複合動詞の翻訳表現を調査及び評価のため、 「いま、会いにゆきます」という作品における幾つかの複合動詞を分析する。我々は市川拓司 の作品における「合う・合える」「上がる・上げる」「返す・返る」「込む・込める」「出 す・出せる」という後項動詞を中心に複合動詞を分析し、翻訳を評価する。 日本語学習者として、日本語の知識の向上を注意する。特に日本人のように日本語を自 然に使用できるため、複合動詞を完全に理解しなければならない。記事の調査結果を通じて、 我々は翻訳者の翻訳方法を分析し、みんあと共有する。 目次 予論 01 研究背景及び研究目的 02 先行研究 03 研究の対象及び研究範囲 04 研究方法 05 論文の構成 第1章 複合動詞及び翻訳の概要 1.1 日本語の複合動詞について 1.1.1 日本語の複合動詞の定義について 1.1.2 日本語の複合動詞の分類 1.2 ベトナム語の複合動詞について 1.2.1 ベトナム語の複合動詞の定義について 1.2.2 ベトナム語の複合動詞の分類 第 章 市川の作品の翻訳資料「いま、会いにゆきます」の日本語・ベトナム語の両言語にお ける複合動詞の使用への調査・考察 2.1 対象となる複合動詞の統計及び意味 2.1.1 対象となる複合動詞の統計 2.1.2 対象となる複合動詞の意味及び用法 2.1.3 翻訳への判断の基準 2.2 対象となる複合動詞の翻訳表現の分析 2.2.1「合う・合える」の翻訳表現の分析と考察 2.2.2「上がる・あげる」の翻訳表現 2.2.3「出す・出る」の翻訳表現 2.2.4「込む・込める」の翻訳表現 2.2.5「返す・返る」の翻訳表現 結論 参考文献 付録 予論 01 研究背景及び研究目的 ベトナム語と同様に、日本語には名詞、動詞、形容詞などの品詞に分類される。その中で複 合動詞は語彙の中でも習得が難しい項目の一つであることが指摘されている(森田、1978;姫 野、1999;松田、2002)。複合動詞の結合方式及び意味の派生が一律ではなく複雑であるのが 原因である(白、2005)。日本語学習者は複合動詞をどのように接近しているのか、意味をど のように理解するのか、正しい使用方法を把握しているのか明らかにされていない。一方、陳 曦(2012)は日本語母語話者でも複合動詞を間違って使う事があると指摘した。ベトナム語に も複合動詞が存在しているが、種類、結合様式、意味派生など膠着語の日本語と異なるため、 習得、または翻訳には困難を感じると予想される。 近年、日本とベトナムとの相互交流が盛んになるとともに日本の文化は幅広くベトナムに渡 来し、多様化になっている。日本の伝統文化の紹介イベントをはじめ、漫画、小説、またはベ トナムの映画館で上映される人気のあるアニメが増えてきた。さらに日本の文学作品が数多く ベトナム語に翻訳されており、ベトナム人に愛読されているといえよう。その中で、市川拓司 の作品は注目を浴びており、我々も大好きである。 そこで、本研究では、複合動詞を夜正しく理解できるように、日本語及びベトナム語の複合 動詞についての概念、区別を把握した上で、市川拓司の作品における複合動詞を抽出し、両言 語の翻訳を分析し、考察することを目的としている。 02 先行研究 これまで複雑な日本語の動詞についてさまざまな視点から数多くの研究が行われてきた。そ れらの研究をいくつか紹介する。 多賀城佳子、Hoff Jean(1986)は複合動詞は日本語の大切な語彙であると認定した。その中 で、[V + V](動詞+動詞)の形の複合動詞は出現頻度が高く、ほとんどは辞書のエントリに含 まれていると示した。 陳曦(2012)の研究では、Perl、テキストエディタや正規表現を使用し、滝沢(2004)の抽 出手順を参考にして行い、685 の例文を抽出し、日本語学習者の複合動詞の誤用を分析した。 調査内容は、複合動詞は日本語母語話者 15 名(日本語教育関係者 名)に例文にあった複合 動詞は「正用」、「不自然」、「誤用」の つのグループに分けてもらった。それから結果を 集計し、正用か誤用か判定した。 その結果、与えられた 685 の例文のうち、日本語学習者は単 一動詞のみ使用する傾向があり、後項動詞の自他動詞の誤用、活用・ヴォイスの誤用など半分 以上の例文が不自然だったと指摘した。 影山太郎(2013)では、「動詞+動詞」型複合動詞は、世界の言語の中でも南アジアの諸言 語に特に集中して存在しているようであるとし、中でも日本語の複合動詞はその生産性と多様 性において卓越しており、これまで多くの研究者の注目を集めてきた 。 由本 陽子(2017)の研究では、これまでの多くの研究の結果をレビューし、まとめた。伝統 的な国語学では、後項動詞が前項動詞に意味を追加することがすぐに分かった。この後項動詞 は「補助動詞」と呼ばれる。さらに、これらの複合動詞は、単独で使っている場合でも同じ意 味を持つかどうかに応じて、「V-V」「V-v」「v-V」「v-v」の つのカテゴリに分類された。 そのうち、保持しているものを V、保持していないものを v として表している1。 Trần Thị Chung Toàn(2004)では、前要素及び後要素が動詞のみの複合動詞を解決した。名 詞、動詞、形容詞の特色及び文例と組み合わせる方が異なるため、[v-v]の形は考慮に入れた。 また、日本語学習者の複合動詞の研究では、[V + V]の形が日本語の複合動詞の共通として言及 されているとなされる。大まかに言えば、日本語の複合動詞の全体の研究がない。筆者は、の いくつかの特定な複合動詞に焦点を当てた。 Trần Thị Chung Toàn(2014)は、複合動詞の概念と分類方法は簡潔で分かりやすくまとめた。 この研究は、寺村秀夫や山本清隆の考えを参考にし、3 つの側面から検討する つの動詞間の 関係に基づいて、複合動詞を分類した。「自由な意味・派生的な意味」「前要素・後要素」 「満要素の関係」の つの側面を考え合わせた時、原則として、9 の組み合わせを出した。 松田文子(2002)も複合動詞の調査を行ったが、後要素が「~込む」のみ対象にした。間違 えて使用する日本語学習者もいるため、松田文子は高レベルの日本語学習者とネイティブスピ ーカーの両方を対象に「~込む」と結合する複合動詞 24 語に対する意味理解方法を調査した。 その結果、 [V + V](動詞+動詞)方針は必ずしも成功するものではなく、習得は困難である ことを述べた。 具体的は 1.1.2 の表 をご参照ください。 翻訳については、ベトナムの訳者・言語学者である Cao Xuân Hạo は、翻訳とはある言語の文 献(ソース言語)から他の言語(ターゲット言語)にできるだけ忠実にその内容も形式も換える ことで あると定義した。 通訳・翻訳理論に関する本は、Hồ Đắc Túc(2012)の「Dịch thuật tự do(訳と理由)」が 挙げられるが、この本には通訳・翻訳の通訳・翻訳についての理論をはじめ、言語・文化・機 能の主な概念とその代表者が紹介された。さらに、文学やニュースやドラマなど特殊な分野の 翻訳方法も述べられた。彼は、言語は文学の手段であり、「意志」だけでなく作家の気持ちも 伝える役割がある。そして、できれば、翻訳版が原稿の表現方法も反映するべきだとも述べた。 ただし、翻訳者はスタイルが異なるため、翻訳方法も異なることも示された。 Bùi Mạnh Hùng(2008)は、「Ngôn ngữ học đối chiếu(対象言語学)」でベトナム語と世界中 の言語を対照的に分析し、対照言語の歴史と発展過程及び言語学の概要を述べ、対照研究の運 用範囲、根拠、原則についても紹介した。しかも、二つの言語を対照するときの方法を詳しく 述べ、具体例も挙げて分析したため、我々は彼の理論を参考に分析を行った。 03 研究の対象及び研究範囲 日本語における複合動詞の種類は豊富で、使い方もベトナム語より複雑であると考えられる。 例えば、「眼覚める」などの「名詞+動詞」、「降り出す」などの「動詞+動詞」、「近寄る」 などの「形容詞+動詞」、「ぶら下がる」などの「副詞+動詞」が挙げられる。幅が広すぎる ため、本研究では先行研究で多く研究されてきた [V + V](動詞+動詞)だけを対象にした。 また、文学作品における複合動詞の使用率及び翻訳された適切さを検討するために市川拓司 の作品の日本語版とベトナム語版から複合動詞を抽出し分析を行った。使用された複合動詞の 数が多かったため、一番関心を持つ「いま、会いにゆきます」(Em đến mưa、翻訳 者:Mộc Miên)1 冊のみ分析対象にした。まず、複合動詞のリストをまとめ、次に使用率が最 も多い「合う・合える」「上がる・上げる」「返す・返る」「込む・込める」「出す・出る」 という5つの複合動詞の意味及び翻訳の適切度を分析し、考察した。 04 研究方法 本研究の研究方法として、まず関連の資料から複合動詞を抽出し、整理した。つぎにベトナ ム語と日本語の辞書、翻訳と複合動詞に関係する先行研究を参考文献として利用した。資料を 総合した後、必要な情報を集約して分析した。作品のベトナム語版と日本語版における複合動 詞及びそれらを含む文を整理した。最後は、その統計結果を用い、複合動詞が正しく翻訳され たかどうか評価した。 05 論文の構成 本研究は主に序論・本論・結論に分けて展開してきた。本研究は以下の 章からなる。 第 章では、先行研究の成果を踏まえ、日本語及びベトナム語の複合動詞の概念、分類 を記述した。 第 章では、市川の つの作品の翻訳資料を用いて、日本語・ベトナム語の両言語にお ける複合動詞の使用への調査、考察を行った。 第1章 複合動詞及び翻訳の概要 複合動詞の概念及び分類は、動詞の一つのカテゴリーとして位置づけられる。これに関 して、日本語とベトナム語とが異なる特徴を持っている。 1.1 日本語の複合動詞について 1.1.1 日本語の複合動詞の定義について 「複合動詞」の定義は様々な研究で述べられた。 中村その子(1998)では、「動詞連用形+動詞」の形は複合動詞であり、またはcvと 呼ばれると示した。cvは二つの要素を結合させて何らかの意味を表現しようとしたものであ ると思われるが、その結合は連用形の前半部分と残りの後半部分との単純な連結ではなく、両 者の結合関係には幾つかのパターンが見られると主張した。 宮本(2000)は、複合動詞とは二つ以上の単語から成る複合語であり、複合語を構成する 単語全てか、または後部の単語が動詞であって全体として動詞の役割を果たすものであるとし た。 Trần Thị Chung Toàn(2004)では、2つの動詞が結合する時、前項動詞は連用形に後項 動詞が接続し、全体は一つの動詞の位置と機能に該当できると、その全体は複合動と述べた。 さらに、Trần Thị Chung Toàn(2014)では、複合動詞とは、日本語で複合動詞というの は常に「動詞+動詞」の結合体に限らず、目覚める」「近寄る」「ぶら下がる」「ぶん殴る」 のような場合では前の要素は名詞、形容詞、副詞であっても、それらと結合する後項動詞が動 詞であれば、広い意味でその結合体は複合動詞であると認めた。また、「ひっこす」「やっつ ける」「抜きん出る」のように前要素が連用形の音便形であるものは接頭辞であるため派生語 とした。狭い意味では、二つの動詞が結合する時、前の動詞の連用形に後の動詞が接続し、そ の全体が一つの動詞として使われるものを複合動詞と定義した。 1.1.2 日本語の複合動詞の分類 各人の視点に応じて、様々な分類方法がある。 10 (1)この辺りは、ブティックやアクセサリーショップやファーストフードの店なんかが ひしめき合っている。 “Khu toàn tiệm thời trang, trang sức, đồ ăn nhanh.” (1)では、翻訳者は著者の完全な意味を伝えなかった。 (2)「あんなに真面目におつき合いしてたのに?」 “Chúng nghiêm túc mà.” (3)フトンの中で抱き合いながら慌てふためいている両親を見て彼は言った。 “Trông thấy cảnh bố mẹ luống cuống chăn, thằng bé nói.” (4)二人で抱き合ったときに感じた胸の高鳴り。 “Cảm xúc dâng trào lồng ngực làm chuyện ấy.” (5)ポケットの中で触れ合った指と指。 “Những ngón tay túi áo.” (6)触れ合うきみの腕に温もりが戻る。 “Tay em ấm trở lại.” (2)と(5)と(6)では、「お付き合う」と「触れ合う」が翻訳されていないが、文の意味があまり 変わらなず、場面で意味が十分伝わったため。敵訳と評価できる。 (3)と(4)の「抱き合う」は、ベトナム語に翻訳すると「ôm lấy nhau」となっている(3)では政敵 の行動を表すため、ベトナム文化では避けたい場合の1つと考えられる。そこで、翻訳されて 25 いない可能性があると判断し、意味的にはある程度理解できるため、適訳と評価した。ただし、 (4)の「抱き合う」は「làm chuyện ấy」と翻訳された。意味が変化され、誤解を招く可能性があ ると推測できるため誤訳と評価する。 (7)澪は先生をきっと忘れてしまっているだろうけど、でも会ってみれば、通い合う何かがあるはずだ。 “Tuy Mio không nhớ thầy Nombre gặp nhau, chắn hai người có chuyện để nói.” 通常に「通いあう」は「nói」という意味として使用されないが、この場合、「通いあう」を 「nói」に翻訳されるのは間違いない。 2.2.2「上がる・あげる」の翻訳表現 以下の表 11 は「上がる・上げる」翻訳表現と回数を示す。 表 11 「上がる・上げる」の翻訳表現 複合動詞 翻訳表現 こみ上げる 出る回数 評価 Ồ ạt trào dâng 敵訳 Dâng lên 敵訳 しゃくり上げる Nức nở 敵訳 すすり上げる Khịt khịt 敵訳 作り上げる Tìm 敵訳 Làm 敵訳 Tạo 敵訳 引き上げる Ra 敵訳 張り上げる Hét lên 敵訳 打ち上げる Bắn 敵訳 Bắn lên 敵訳 Nhấc 敵訳 持ち上げる 元の意味と比較 偽り 26 Dang 敵訳 Kéo lên 敵訳 Dơ cao 敵訳 搔き上げる Vén 敵訳 放り上げる Ném 敵訳 書き上げる Viết thư xong 敵訳 湧き上がる Dâng lên 敵訳 積み上げる Chất lại thành đống Chất lên 敵訳 敵訳 Đứng lên 敵訳 Đứng dậy 敵訳 舞い上がる Lâng lâng 敵訳 見上げる Ngước lên 敵訳 Ngẩng lên 敵訳 Quay sang 敵訳 Ngước nhìn lên 敵訳 Nhìn 敵訳 Liếc nhìn 敵訳 Bật lên 敵訳 立ち上がる 跳ね上がる 意味変化 表 と表 11 から分かるように、2 つの場合は本来の意味と異なった。 (8)何か架空の理由をつくり上げようとしたが、見事なまでに何も思いつかなかった。 “Tơi cố tìm lý giả tưởng đó, thật xuất sắc tơi khơng tìm lý nào.” (9)ぼくはほらっ、と両手を身体と平行に 持ち上げ、薄手になったスーツを彼女に見せた。 “Tôi dang hai tay để nhìn thấy vest mỏng tơi mặc.” 27 (8)及び(9)では、翻訳者は複合動詞の本来の意味で翻訳しなかったが、他の単語との関係性、 しかも文の意味を保持できるため、敵訳と評価する。例えば、(9)の場合、「持ち上げる」は 「nhấc lên, nâng lên」という意味であるが、「平行に持ち上げる」になると、ベトナム語の 「dang tay」と同じ意味になるため、翻訳のニュアンスが正しいと言える。 2.2.3「出す・出る」の翻訳表現 以下の表 12 は「出す・出る」翻訳表現と回数を示す。 表 12 「出す・出せる」の翻訳表現 複合動詞 翻訳表現 つくり出す 元の意味と比較 出る回数 評価 省略 敵訳 飛び出す Lao 敵訳 働き出す Đi tiếp 敵訳 剥き出す Bong tróc 敵訳 取り出す Lấy 敵訳 Rút 敵訳 敵訳 Dốc cạn 意味変化 口をついて出る Bật 敵訳 吐き出す Tuôn 敵訳 Thở 敵訳 敵訳 噴き出す 省略 差し出す Đưa 敵訳 張り出す Sum suê 敵訳 思い出す Nhớ 敵訳 Nhớ 敵訳 Nhớ đến 敵訳 Nhớ lại 敵訳 敵訳 Liên tưởng 意味変化 28 Hình dung 意味変化 敵訳 抜き出す Lấy 敵訳 抜け出す Chui 敵訳 Vùng dậy 敵訳 放り出す Bắn vọt lên 敵訳 探し出す Tìm 敵訳 映し出す Hiện lên 敵訳 敵訳 Bước bước 敵訳 Đi dạo 敵訳 Đi 敵訳 Đi tiếp 敵訳 Trào nước mắt 敵訳 Khóc 敵訳 Tn 敵訳 敵訳 Tn trào 敵訳 漏れ出る Tiết 敵訳 突き出す Chúi 敵訳 Giơ 敵訳 言い出す Nói 敵訳 走り出す Chuẩn bị rời ga 敵訳 Chuyển bánh 敵訳 踏み出す Tiến thêm 敵訳 送り出す Đưa 敵訳 Đẩy 敵訳 Tiễn 敵訳 這い出る Lết 敵訳 連れ出す Thả 敵訳 省略 歩き出す 泣き出す 溢れ出す Thấm vào 意味変化 29 Mưa 敵訳 Đổ mưa 敵訳 飛び出す Phóng bay 敵訳 駆け出す Chạy tìm 敵訳 降り出す 具体化 「出す・出る」の後項動詞が翻訳されなかった文は以下の通りである。 (10)雑踏がつくり出す声は、全体でひとつの意味を語っているように聞こえた。 ”Tiếng cười nói bọn họ dường có chung ngụ ý.” (10)では、「作り出す」が翻訳されなかったが、文の意味が全然変わらないため敵訳 と評価する。 (11)ポケットの中のコインを全て取り出し、電話機の上に載せる。 ”Anh dốc cạn số tiền xu túi, đặt lên bàn điện thoại.” (11)では、「取り出す」が本来の意味と間違って翻訳されていたが、「全て取り出す」が 「dốc cạn」に翻訳されるのは正確なため、敵訳と評価する。 (12)佑司は満腹になってもなお噴き出してくる母親の乳で顔を濡らした。 ”Mỗi lần bú xong, Yuji lại rửa mặt sữa mẹ.” この場合は(2) (5) (6)と同様に、翻訳されなかったが、意味が伝わったため敵訳と評価する。 (13)優等生的で、しかも細く高くすこし語尾が震えるきみの声を思い出させるような可 憐な筆致だった。 ”Nét chữ học sinh xuất sắc, xinh xắn, mảnh mai với phần đuôi chữ run run làm anh liên tưởng tới giọng nói em.” 30 (14)何故か思い出して描こうとすると、きみの後ろ姿ばかりが頭に浮かんでいた。 ”Anh cố hình dung lại gương mặt em, mà chẳng hiểu đầu anh tồn lên hình ảnh em từ phía sau ” 「思い出す」は「liên tưởng」及び「hình dung」に翻訳できない。(13)と(14)では、翻訳者は自 身の理解に従って翻訳した。文の意味があまり変わらないため、敵訳と評価できる。 (15)部屋には古びたTVが置かれていて、ぼくはソファーに座ると、そこに 映し出され るB級映画みたいな夢をしばらく眺めて時間を過ごす。 ”Trong phịng kê tivi cũ, tơi ngồi vào ghế sofa, tiếp tục mơ màng thể xem phim hạng B ” (15)は(12)と同じであるため、敵訳と評価される。 (16)血液中に溢れ出していた化学物質は、もっと穏やかで無害なものに転化されていっ た。 ”Chất hoá học kia, sau thấm vào máu chuyển thành chất ơn hồ, hồn tồn vơ hại.” (16)では、「溢れ出す」は間違って翻訳していた。「あふれだす」はベトナム語で 「chảy」であるが、本来の意味に翻訳すると、文の流暢さを下げると考えられる。そ こでこの場合、「thấm」は「chảy」のより良く、適訳と評価できる。 (17)それでもぼくが口を開かずにいると、佑司はまた駆け出していった。 ”Thấy không chịu mở miệng, Yuji liền chạy tìm.” 31 (17)では、翻訳者は文に意味を追加したと思うが、文のコンテキストに基づいて、敵訳とみ られ、敵訳と評価する。 2.2.4「込む・込める」の翻訳表現 以下の表 13 は「込む・込める」翻訳表現と回数を示す。 表 13 「込む・込める」の翻訳表現 複合動詞 翻訳表現 元の意味と比較 出る回数 評価 もぐり込む Nằm co ro 誤り 誤訳 敵訳 敵訳 Cúi xuống 敵訳 Ngồi xuống 敵訳 Bước lên 敵訳 Lên 敵訳 仕舞い込む Tống 敵訳 入り込む Lạc vào 敵訳 Kéo đến 敵訳 Chui vào 敵訳 敵訳 Trùm Kéo しゃがみ込む 乗り込む 意味変化 取り込む Đã xong 寝込む Liệt giường 敵訳 差し込む Nhét 敵訳 座り込む Ngồi thụp xuống 敵訳 引っ込む Trào 敵訳 思い込む Coi 敵訳 Đinh ninh 敵訳 Dồn 敵訳 打ち込む 意味変化 32 抱え込む Chịu đựng 押し込める 放り込む 溜め込む 意味変化 敵訳 Kìm nén 敵訳 Nhốt 敵訳 Ném 敵訳 Tống vào 敵訳 Cho vào 敵訳 Tích trữ 敵訳 敵訳 敵訳 誤訳 省略 覗き込む Nhìn vào 省略 話し込む Nói chuyện 敵訳 踏み込む Nhấn 敵訳 飛び込む Bước sang 敵訳 飲み込む Uống 敵訳 Kìm lại 敵訳 Nuốt ực 敵訳 Tu 敵訳 Nén lại 敵訳 Im lặng 敵訳 Nín thinh 敵訳 黙り込む 表 12 から見られるように、「ぐり込む」は様々な意味で翻訳された。「Trùm」及び「Kéo」 は正確であるが、「nằm co ro」が問題である。 (18)フトンにもぐり込み、澪に剥いたリンゴを食べさせてもらう。 “Tôi nằm co ro chăn, Mio gọt táo bón cho tơi” 33 (18)では、元の意味での正しい翻訳と比較すると、「nằm co ro」は、原作のより具体化になり、イメージが強 くなった。身を縮めて布団を頭の上まで被るイメージから「co ro」を連想した原因だと推測できる。ただし、「co ro」 は寒さなどで身を丸めることを表すため、この場合は相応しくないと言える。そこで、不適訳と見なされる。 (19)ぼくの視線に気付いた彼女は、またフトンに肩までもぐり込んだ。 “Phát tơi nhìn, nàng kéo chăn đến tận vai.” この場合、、「もぐり込む」を、「kéo」に翻訳すると、単語の元の意味が変わり、著者が伝えた い内容を少し変更する。ですが、全体として、文の元の意味は変わっていない。適訳と評価す る。 (20)佑司は1年分の耳垢を溜め込んでいたわ。 “Yuji năm chưa lấy ráy tai.” (20)では、「溜め込む」が翻訳されないが、文の意味が保持されるので、敵訳と評価する。 (21)ぼくが字の練習をしているとき、肩越しに覗き込む彼女の気配を感じた。 “Mỗi ngồi luyện chữ, cảm thấy nàng đằng sau tôi.” (21)における「覗き込む」は、翻訳されなかった。省略された部分の意味が正確に伝わって いないため、文の意味が不十分である。そこで、誤訳と評価する。 2.2.5「返す・返る」の翻訳表現 以下の表 13 は「返す・返る」翻訳表現と回数を示す。 34 表 13 「返す・返る」の翻訳表現 複合動詞 翻訳表現 引き返す 出る回数 評価 Quay ngược trở lại 敵訳 Buông tay 誤訳 Xuống tàu, quay 敵訳 敵訳 思い返す 元の意味と比較 省略 振り返す Nhìn lại 敵訳 振り返る Ngối lại 敵訳 Ngoảnh lại 敵訳 Quay lại 敵訳 Quay sang 敵訳 Quay người 敵訳 誤訳 Nhớ 敵訳 握り返す Siết chặt 敵訳 繰り返す Lặp lại 敵訳 Nhắc nhắc lại 敵訳 Liên tục 敵訳 Nhắc lại 敵訳 Lặp lặp lại 敵訳 敵訳 Hỏi lại 敵訳 Chớp chớp 敵訳 省略 省略 読み返す 頷き返す Cứ 誤り 敵訳 Bao nhiêu lần 誤り 敵訳 Thở hổn hển 敵訳 Đọc 敵訳 Đọc đọc lại 敵訳 Gật đầu 敵訳 35 (22)きみはいくらでも引き返せる。 “Anh bng tay em được.” 表 と表 13 から見られるように、(22)の「引き返す」は「出発点に戻る」という意味であり、 ベトナム語では「quay trở lại」に相当する。に翻訳され、誤訳と評価した。 (23)きっと人生なんて「あっ」という間に終わっていくのだろうから、思い返す記憶な んてそんなにたくさんはいらない。 “Đời anh kết thúc nháy mắt nên chẳng cần nhiều kỉ niệm làm gì.” (23)では、「思い返す」が翻訳されなかったが、文の意味は変わらない。それでも「思い返す」 の翻訳を抜かされても敵訳と評価する。 (24)部屋を出るとき、振り返ると先生はまだじっとぼくらのことを見ていた。 “Thầy dõi theo hẳn khỏi phịng.” (24)では、「振り返る」が翻訳されず、文の意味が省略され、不十分になった。そこで誤訳 と評価する。 (25)きっと、1000 回も繰り返された言葉だったからだ。 “Nàng chào tơi ngàn lần rồi.” 36 (26)しかし、結局はずっと「これは遊びなんだ」と心の中で 繰り返すことになる。 “Thế đầu câu ''đây trò chơi''.” (25)及び(26)は(4)と同じである。「繰り返す」は「同じことを何回もする」という意味であり、 本来の意味で翻訳されなくてもその行動だけ翻訳すれば意味が伝わる。この場合は文の意味が 変わらないため、適訳と評価する。 (27)どれだけ別れを繰り返しても、どれだけ遠い場所に流されても、それでもね。 “Dù phải chia tay lần, dù bị trôi dạt đến nơi nữa.” (27)では「繰り返す」が翻訳されなかったが、「bao nhiêu lần」と合わせると意味が正確に伝 えることができる。そこでこの場合では、内容が保持されたため、敵訳と評価する。 (28)プーは上目遣いにぼくらを見上げたまま、ずいぶんと⾧い時間浅い呼吸を 繰り返し ていた。 “Con Pooh thở hổn hển, lại liếc nhìn chúng tôi.” (28)では、(25)と(26)と同様に、「繰り返す」が翻訳されなかったが、文の意味が変わらない ため、敵訳と評価する。 37 結論 以上、市川拓司の「いま、会いにゆきます」における「合う・合える」「上がる・上げ る」「返す・返る」「出す・出る」「込む・込める」という「V-V」タイプの5つの後項動詞 の表現を考察ていた。 第1章では、先行研究に通じて複合動詞の定義及び分類方法が方法を示した。作品を考 察する時、我々は最も出る5つの後項動詞を選び、それらの複合動詞の意味及び使い方を分析 した。理論的で、「V-V」タイプとは前要素及び後要素が動詞である。複合動詞は生活のコミ ュニケーション、読解及び日本語の深い知識との関連がある。同じ単語は、話者、作者のコン テキスト及び使い方に通じて、いろいろな意味で翻訳できる。 第2章では、3つのレベルの評価に基づいて、統計、評価及び説明を掘り下げた。最初、 我々は「いま、会いにゆきます」における5つの後項動詞の出る回数を統計した。その後、翻 訳における翻訳した複合動詞の翻訳方法及び出る回数を統計する。次に、それらの複合動詞を 第1章に統計した複合動詞の意味を照合する。その考察結果を通じ、3つのレベルの評価を使 用し、翻訳を評価する。考察結果から見られ、敵訳は 250 ケース(98%)、不敵訳は ケース (0%)、誤訳は ケース(2%)。 結果を比較し、次のように幾つかのことを気付く。翻訳者は作品における「合う・合え る」「上がる・上げる」「返す・返る」「出す・出る」「込む・込める」が後項動詞の複合動 詞をほとんど正確に翻訳した(98%)。複合動詞が誤って翻訳されるの及び省略ケースもある が、文と文章の意味に影響を与えない。さらに、翻訳した文が非常に自然で、読者を攪乱させ ない。まだ間違った翻訳があった(2%)が、一般的に段落の意味があまり変わらない。記事 を通じて、研究結果を皆様と共有する。 日本語の複合動詞は、日本人にも日本語学習者にも使い難い。我々は、この研究を行い、 作品を考察し、日本語の複合動詞を学習に困難がある人に立てれば幸いである。 38 参考文献 Bùi Mạnh Hùng(2008)「Ngôn ngữ học đối chiếu」 Hồ Đắc Túc(2012)「Dịch thuật tự do」 Trần Thị Chung Toàn(2004)「日本語の複合動詞ハンドブック」 Trần Thị Chung Toàn(2014)「ベトナム人学生のための日本語文法」 中村その子(1998)「日本語複合動詞の意味形成と特性 言語認知の立場から 」 山口昌也(2019)「「Web データに基づく複合動詞用例データベース」 の構築と評価」 影山太郎 (2013) 「語彙 的複合動詞の新体系:その理論的・応用的意味合い」影山太郎 (編)『複合動詞研究の最先端:謎の解明に向けて』 1-46 ひつじ書房. 影山太郎(1993)「文法と語形成」 斎藤衛 (2014) 「複合動詞の形成と選択制限:他動性調和の原則を手掛かりとして」岸 本 10 松田文子(2002) 「日本語学習者による複合動詞「~こむ」の習得」 11 由本 陽子(2018)「日本語の複合動詞研究の回顧と再考」 12 由本陽子 (2005)『複合動詞・派生動詞の意味と統語:モジュール形態論から見た日英 語の語形成』ひつじ書房. 13 西山國男 ・小川 芳樹 (2013) 「複 動動詞における助動詞化と無他動性」遠藤善雄 (編) 『世界に向けた日 本語研究』 103-133 開拓社. 14 陳曦(2012)「日本語学習者における複合動詞の誤用分析 ―作文データベースを用い て─」 15 高,娟(2019)「複合動詞の量的考察の結果を教育現場へ活かす方を探る : 学術論文に おける使用頻度の高い複合動詞を試」みとして 39

Ngày đăng: 05/08/2021, 21:39

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