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修士論文 日本語とベトナム語における 従属複合語の構成

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ハノイ国家大学外国語大学 大学院  修士論文 日本語とベトナム語における 従属複合語の構成 CẤU TẠO TỪ GHÉP CHÍNH PHỤ TRONG TIẾNG NHẬT VÀ TIẾNG VIỆT 大学院生: Nguyen Thi Ngu 専攻科目: 日本言語学 Code: 60.22.02.09 指導教官: Ngo Minh Thuy 準教授, 博士 ハノイ、2014 年 ĐẠI HỌC QUỐC GIA HÀ NỘI TRƯỜNG ĐẠI HỌC NGOẠI NGỮ KHOA SAU ĐẠI HỌC  LUẬN VĂN THẠC SỸ CẤU TẠO TỪ GHÉP CHÍNH PHỤ TRONG TIẾNG NHẬT VÀ TIẾNG VIỆT Học viên thực hiện: Nguyễn Thị Ngư Chuyên ngành Ngôn ngữ Nhật Bản Mã số 60.22.02.09 Giáo viên hướng dẫn: PGs TS Ngô Minh Thủy Hà Nội, năm 2014 本論において用いられる表記 1. 例文はイタリック体で表す 2. 例文や参考対象語句の文頭に付された「*」は、その表現が容認不可能で あることを示す。 3. 文中で、1つの意味的また用語的まとまりをなすもの、また説明文中の例 文は、「 」で括って示す。 4. 「N」は名詞、「V」は動詞・動詞連用形、「A」は形容詞(語幹)、 「NA」は形容動詞(語幹)、「AD」は副詞、「NP」は名詞句を示す。 5. 「+」は語句の結合を示す 6. 従属複合についての分析部分には、「V」及び「N」は「中心要素」・ 「主要素」、「v」及び「n」は「修飾要素」・「補助要素」を示す。 7. N、V、n、vに付けされた「1」は「前項要素」、「2」は「後項要素」を 示す。 8. 「◆」は「注目」を示す。 i 目次 序論 .研究背景 2.研究対象 3.研究目的 4.研究方法 5.本稿の構成 第1章 合成語、複合語、従属複合語 1.1 語の種類 1.2 合成語 1.3 複合語 1.4 従属複合語 12 1.5 本章のまとめ 14 第 章「動詞連用形+動詞基本形」の「V1+v2」型従属複合動詞 2.1 日本語における複合動詞 16 16 2.1.1 複合動詞の定義 16 2.1.2 複合動詞の役割 17 2.1.3 複合動詞の語構成・両項関係についての先行研究 17 2.2.「動詞連用形+動詞基本形」の「V1+v2」型従属複合動詞 2.2.1 従属複合動詞の定義 23 23 2.2.2 「動詞連用形+動詞基本形」の「V1+v2」型従属複合 動詞の語構成・両項関係 24 2.2.3 「動詞連用形+動詞基本形」の V1+v2」型従属複合 25 動動詞 1) 前項主動詞にアスペクトを補助・修飾する後項補助 25 動詞 2) 前項主動詞に方向を補助・修飾する後項補助 3) 前項主動詞に動作のやり方を補助・修飾する後項補助 ii 32 41 動詞 4) 前項主動詞に相互動作を補助・修飾する後項補助動詞 44 5) 前項主動詞に失敗・難易を補助・修飾する後項補助動詞 47 2.3 本章のまとめ 50 第 章 「名詞+動詞連用形」型及び「動詞連用形+名詞」型従属 54 複合名詞 3.1 日本語における複合名詞 54 3.1.1 複合名詞の定義 54 3.1.2 複合名詞の役割 54 3.1.3 複合名詞の語構成・両項関係についての先行研究 55 3.2.「名詞+動詞連用形」型及び「動詞連用形+名詞」型従属複 59 合名詞 3.2.1 従属複合名詞の定義 59 3.2.2 従属複合名詞の語構成・両項関係 60 3.2.3 「名詞+動詞連用形」型及び「動詞連用形+名詞」型従属複 60 合名 詞 1) 名詞(主語)と動詞連用形からの結合による従属複合 61 詞 2) 名詞(補語)と動詞連用形からの結合による従属複合名 63 詞 3) 名詞(副詞)と動詞連用形からの結合による従属複合名 64 詞 3.3 70 本章のまとめ 結論 73 謝辞 76 参考文献 付録‐筆者のよく使用される従属複合動詞リスト iii I a 序論 日本語の複合語についての研究は、従来、様々な枠組みにおいて非常に精力 的になされてきた。しかし、それらの研究には、従属複合語の構造両項関係、補助 要素の修飾意味・従属的役割についてまだ詳細に示されていないと感じられる。本 稿では、日本語の従属複合語を中心として研究し、ベトナム語との比較を進めてい きたい。 研究背景 最近、日本とベトナムの友好関係がますます発展してきた。2013 年は、日本 とベトナムとの間で 1973 年 月 21 日に外交関係を樹立してから 40 周年にあたる。 この背景には日本語学習者の人数がだんだん増えていく。日本語は勉強すればする ほど難しくなり、特に複合語についての理解が簡単なことではない。日本語の初級 では、基本的な単純語の指導が中心となり、複合語は中級以降へ後回しにされがち だが、中級以降でも複合語の意味や用法等の理解が問題となる。 日本語には、「雤風」、「親子」、「光り輝く」、「引き返す」、「書き上 げる」、「蒸し暑い」、「気弱い」ように、2 つ以上の語基が結合してできた複合 語が極めて多く存在し、それらの語構成パターンも実に多様である。なので、日本 語学習者が複合語を正しく自然に使用できなければうまく日本語の使用者と言えな い。 それから、世界的に見ると,このような複合語は東アジアから南アジア,そ して中央アジアの一部にかけての地域に広く観察される。筆者の母語であるベトナ ム語も例外ではない。その他、日本語とベトナム語は似ている点が多くみられ、特 に複合語は構成から結び方まで様々な点を比較することができる。 日本語の複合語に対する研究は、構成要素間の意味的・統語的関係性を分析 する語構成論や、ある つ以上の語がどのような過程を経て合成し複合語となるか を分析する語形成論など、従来、様々な枠組みにおいて研究がなされてきている。 中でも、「降り始める」、「光り輝く」等の複合動詞や「花見」、「雤風」 等の複合名詞について、構成要素間の意味的・統語的関係に基づいてそれぞれの複 合語を複数のパターンに分類していくというタイプの研究は、非常に精力的になさ れてきた。 しかし、それらの研究には、従属複合語の構造両項関係、補助要素の修飾意 味・従属的役割についてまだ詳細に示されていないと感じられる。本稿では、従属 複合語(従属的複合語)の構成について具体的な研究をし、ベトナム語との比較を したい。本来、従属複合語は幅の広いテーマのため、その中で最も興味深い「動詞 連用形+動詞基本形」の「V1+v2」型従属複合動詞、「名詞+動詞連用形」型従 属複合名詞、「動詞連用形+名詞」型従属複合名詞」について焦点を絞り、研究を 進める。 研究対象 本稿では、上述のとおり、日本語の複合語における「動詞連用形+動詞基本 形」の「V1+v2」型従属複合動詞、「名詞+動詞連用形」型従属複合名詞、「動 詞連用形+名詞」型従属複合名詞を取り上げ、様々な関連問題を論じる。  「動詞連用形+動詞基本形」の「V1+v2」型従属複合動詞:読み始める、 切り出す、書き直す  「名詞+動詞連用形」型従属複合名詞:値上がり、種蒔き、島育ち  「動詞連用形+名詞」型従属複合名詞」:鳴き虫、焼き芋、乗り口 それから、「動詞連用形+動詞基本形」の「V1+v2」型従属複合動詞、「名 詞+動詞連用形」型従属複合名詞、「動詞連用形+名詞」型従属複合名詞に相当す るベトナム語について考察し、日越両語を対照しその異同を探究する。 研究目的 日本語を習得するに当たって、どの語とどの語がほぼいつも結びついた形で 用いられていると決まった複合語を身に付けなければならないが、その複合語の構 成・意味等を理解することも必要である。特に、複合語の従属複合語の語構成関 係・修飾要素等の理解が非常に難しい。これをきっかけに、従属複合語について詳 細に調べたい。同時に、合成語、複合語を調べてみようと思った。 本研究の重要な目的は日本語の「動詞連用形+動詞基本形」の「V1+v2」型 従属複合動詞、「名詞+動詞連用形」型従属複合名詞、「動詞連用形+名詞」型従 属複合名詞の語構成、修飾要素等を分析することと、これらの従属複合語をベトナ ム語と比較するともに、日越両語の類似点をまとめたいと思う。さらに、この研究 を通じ、日本語を学習しているベトナム人に、日本語の従属複合語の構成成分、意 味や使い分けを理解させ、従属複合語についてより深く興味を持たせる。 研究方法 本稿では、今までの関連研究を基に筆者の観点を加え、さらに理論・分析・ 統合した。 構成要素間の意味的・銃語的関係性、文法関係等を基づいて、説解・帰納方 法の利用で、従属複合語の構造・構成を分析する。従属複合語の「前項要素」と 「後項要素」の関係・位置について明確にして確認する。 また、ベトナム語とも対照し、その共通点・相違点を明確にする。 本研究は主に次の研究方法を使用する。  帰納方法:「前項要素」と「後項要素」の構造・意味・文法的な関係等を 参照しながら構文的意味等を抽出する。  説解方法:構文的意味等から「前項要素」と「後項要素」の構造・意味・ 文法的な関係等を解説する。  列記方法:参考資料を参照して、日本語の従属複合語のポイント等を列記 して、述べる。  対照方法:日本語における従属複合語とベトナム語に相当する語・型を対 照して、共通点・相違点を述べる。  統計方法:インタネットのデータベースで従属複合動詞を取り上げる。 本稿の構成 本稿は序論、第 章、第 章、第 章と結論の つ部分からなる。 序論では、研究背景、研究対象、研究目的、研究方法、それから本稿の構成 について説明する。 第 章では、合成語、複合語、従属複合語等にの定義や特徴等を述べる。 第 章では、「読み始める」、「切り出す」、「書き直す」等の「動詞連用形 +動詞基本形」の「V1+v2」型従属複合動詞を参考対象とする。まずは、複合動 詞の先行研究を述べて、従属複合動詞の構成要素等について検討し、「動詞連用形 +動詞基本形」の「V1+v2」型の従属複合動詞の種類について研究しながら、ベ トナム語との対照をする。 第 章では、従属複合名詞の「値上がり」、「種蒔き」、「島育ち」等の 「名詞+動詞連用形」型及び「泣き虫」、「焼き芋」、「乗り口」等の「動詞連用形 +名詞」型を参考対象とする。まずは、複合語名詞の先行研究を述べて、従属複合 名詞の構成要素等について分析しながら、ベトナム語との対照をする。 結論では、本論のまとめ及び今後の検討課題について述べる。 最後に、筆者のよく使用される従属複合動詞のリスト、そのベトナム語翻訳 及び例文という付録をつける。 第1章 合成語、複合語、従属複合語 「読み始める」、「切り出す」、「書き直す」等の「動詞連用形+動詞基本 形」の「V1+v2」型従属複合動詞、「値上がり」、「種蒔き」、「島育ち」等の 「名詞+動詞連用形」型及び「泣き虫」、「焼き芋」、「乗り口」等の「動詞連用形 +名詞」型の従属複合名詞についての研究に入る前、関係概念である合成語、複合 語、従属複合語及びこれらの特徴について簡単に述べる。 1.1 語の種類 日本語の語には、「本」、「山」、「手」、「寝る」、「もし」、「はい」 等のように、それ以上小さい部分に分けられないものと、「本箱」のように「本」 と「箱」、「飛び出す」のように「飛び(ぶ)」と「出す」、「不器用」のように 「不」と「器用」等のようにさらに小さい部分に分けられるものがある。前者を単 純語といい、後者を合成語という。つまり、1 つの語基からなる語を単純語という のに対して、1 つの語基に他の語基、あるいは接辞が結合してできた語を合成語と いう。 合成語の中には「雤風」の「雤」と「風」のように、それぞれが単独で単純 語となることができる語基 つ以上からなる複合語と、「山やま」のように同一の 語基が結合した畳語、それに「子供っぽい」のように語基「子供」と「っぽい」の ように単独で用いられることがなく、常に語基について意味を強めたり、意味を添 えたりする接辞とからなる派生語がある。 なお、語基は語の意味上中心となる重要な部分で、語と同形で単独で使いえ る形式である。 以上、整理すると次のように分類することができる。 「n(手段)+V」型の例:「味噌+漬け→ 味噌漬け」、「塩+焼き→ 塩焼き」、 「手+書き→ 手書き」等 ベトナム語には、「n(手段)+V」型従属複合名詞がない。 ii) 「動詞連用形+名詞(手段)」型 上記の「n(手段)+V」型の構造成分との逆で、名詞(手段)が後項要素とな り、動詞連用形が前項要素となる。この型でも、名詞が補助要素として、主要素の 動詞連用形に「手段」を補助する。この型の従属複合名詞は「V+n(手段)」型に相 当する。この型は、日越両語にもある。 縫い+針→ 縫い針→ 針で縫うこと→ 針で縫う 縫い=述語 針=手段 縫い針=述語+手段=V+n 他の例:「呼び+水→ 呼び水」、「消し+ごむ→ 消しごむ」等 ベトナムの「V+n(手段)」型の例:「đi xe」(車で行くこと)、「in máy」(機 械でプリントすること)等。前項要素の動詞である「đi」(行く)、「in」(プリン トする)が中心要素で、後項要素の名詞である「xe」(車)、「máy」(機械)が補 助要素として、中心要素に「phương tiện(手段)」を補助する。 d) 名詞(帰着点)と動詞連用形 名詞(帰着点)と動詞連用形から成る従属複合名詞を語句に解説すれば、日 本語の名詞(帰着点)に「へ」、「まで」、「に」助詞を添え、ベトナム語の名詞(帰着 点)に何も付け加えない。 i) 「名詞(帰着点)+動詞連用形」型 この型の「里帰り」という例を見てみる。 里+帰り→ 里帰り→ 里に帰ること→ 里に帰る 68 里=帰着点 帰り=述語 里帰り=帰着点+述語= n+V その他、「肌+さわり→ 肌ざわり」、「国+入り→ 国入り」、「島+流し→ 島流し」等ある。 この型の従属複合名詞は「n(帰着点)+V」型に相当する。つまり、前項要素 の n が補助要素として、主要素としての後項要素の V に「帰着点」を補助する。 ベトナム語には、「n(帰着点)+V」型従属複合名詞がない。 ii) 「動詞連用形+名詞(帰着点)」型 この型は、上記の「n(帰着点)+V」型とほぼ同じであるが、構造成分が逆で、 補助要素が後項要素の名詞で、中心要素が前項要素の動詞連用形である。補助要素 は中心要素に「帰着点」を補助する。この型の従属複合名詞は「V+n(帰着点)」型 に言い換える。 この「V+n(帰着点)」型従属複合名詞は、ベトナム語にあるが、日本語にな い。 + quê → quê(田舎へ帰ること) = 述語 quê =述語 + 帰着点= V+n quê = 帰着点 他の例:「về nhà」(家に帰ること)、「đi chùa」(お寺に行くこと)、「 biển」(海に行くこと)等 e) 名詞(起点)と動詞連用形 名詞(起点)と動詞連用形から結合される従属複合名詞を語句に解説すれば、 日本語の名詞(起点)に「から」助詞を添え、ベトナム語の名詞(起点)に何も付け 加えない。 i) 「名詞(起点)+動詞連用形」型 69 この型は、前項要素の名詞が補助要素として、主要素としての後項要素の動 詞連用形に「起点」を補助する。この型の従属複合名詞は「n(起点)+V」型に相当 する。 この型の例を分析してみる。 子+離れ→ 子離れ→ 子から離れること→ 子から離れる 子=起点 子離れ = 起点+述語= n+V 離れ=述語 「n(起点)+V」型の例:「湯+上り→ 湯上り」、「アメリカ+帰り→ アメリ カ帰り」等 ベトナム語には、「n(起点)+V」型従属複合名詞がない。 ii) 「動詞連用形+名詞(起点)」型 この型は、構造成分が上記の「n(起点)+V」型と同じであるが、構造成分の 順番が逆で、補助要素が後項要素の名詞で、中心要素が前項要素の動詞連用形であ る。補助要素は中心要素に「起点」を補助する。この型の従属複合名詞は「V+n(起 点)」型に相当する。 この「V+n(起点)」型従属複合名詞は、ベトナム語にあるが、日本語にない。 xa + mẹ → xa mẹ(母を離れること) xa = 述語 mẹ = 起点 xa mẹ = 述語 +起点 = V+n 他の例:「xa quê」(田舎を離れること)、「rời nhà」(家を出ること)、 「bỏ quê」(田舎を出ること)等 3.3 本章のまとめ 以上、本章では、「N+v」と「n+V」の「名詞+動詞連用形」型及び「V+ n」と 「v+N」の「動詞連用形+名詞」型の従属複合名詞の参考対象とし、従属複合 名詞の定義、従属複合名詞の語構造・両項関係、補助要素の修飾意味の分析で研究 70 を進めた。名詞と動詞連用形の文法的関係を基づいて、主は、名詞(主語)と動詞 連用形からの結合による型従属複合名詞、名詞(補語)と動詞連用形からの結合に よる従属複合名詞、名詞(副語)と動詞連用形からの結合による従属複合名詞の つの種類に焦点を絞り、ベトナム語と比較しながら研修を進めた。 分類をまとめると、以下の表のようになる。 表 2「名詞+動詞連用形」型及び「動詞連用形+名詞」型従属複合名詞 ◆「-」は「この型がない」という意味を示す。 従属複合名詞の種類 従属複合名詞の型 日本語 ベトナム語 雤上がり xe ủi よる型従属複合名詞 「v+N(主語)」 鳴き虫 lắc vai 名詞(補語)と動詞 「n 補語)+V」 種蒔き trứng rán 連用形からの結合に 「V+n(補語)」 焼き芋 bán hoa 島育ち - 「V+n(場所)」 乗り口 tắm sông 「n(時間)+V」 昼休み - 「V+n(時間)」 死に時 chơi đêm 「n(手段)+V」 水遊び - 「V+n(手段)」 縫い針 ăn thìa 名詞(主語)と動詞 「N(主語)+v」 連用形からの結合に よる従属複合名詞 名詞(副語)と動詞 「n(場所)+V」 連用形からの結合に よる従属複合名詞 71 従属複合名詞の種類 従属複合名詞の型 日本語 ベトナム語 「n(帰着点)+V」 里帰り - 「V+n(帰着点)」 - quê 「n(起点)+V」 子離れ - 「V+n(起点)」 - xa quê 上記の分類に基づけば、日本語及びベトナム語には、「名詞+動詞連用形」型 及び「動詞連用形+名詞」型従属複合名詞があると分かるようになった。ただ、日越 両語には「N(主語)+v」、「v+N(主語)」、「n(補語)+V」、「V+n(補語)」、 「V+n(場所)」、「V+n(時間)」、「V+n(手段)」型の従属複合名詞があるが、 ベトナム語には「n(場所)+V」、「n(時間)+V」、「n(手段)+V」、「n(帰着 点)+V」、「n(起点)+V」型の従属複合名詞ががない、日本語には「V+n(帰着 点)」、「V+n(起点)」型の従属複合名詞がない。 なお、本章では、従属複合名詞の以外、複合名詞の定義、役割、先行研究等 も述べられた。 本稿では、「名詞+動詞連用形」型及び「動詞連用形+名詞」型従属複合名詞」に 限定して研究したが、「名詞と名詞からの結合による従属複合名詞」、「動詞連用形 と動詞連用形からの結合による従属複合名詞」、「形容詞と名詞からの結合による従 属複合名詞」、「形容動詞と名詞からの結合による従属複合名詞」等について検討で きていない。また、「川下り」、「網渡り」、「島めぐり」等の「通過点などの移動 場所を表す」という修飾意味を補助する「名詞と動詞連用形からの結合による従属複 合名詞」についても調べることがまだ出来ていない。今後はこれらの型の従属複合 名詞について検討していきたい。 72 結論 本章では、本論のまとめと今後の検討課題を提示する。 まず、以下に本研究のまとめを提示する。 本研究は、「引き始める」、「押し続ける」、「切り出す」、「書き直す」、 「作り上げる」等の「動詞連用形+動詞基本形」の「V1+v2」型従属複合動詞、 「田舎育ち」、「里帰り」、「雤上がり」等の「名詞+動詞連用形」型従属複合名 詞、「焼き芋」、「縫い針」、「鳴き虫」等の「動詞連用形+名詞」型従属複合名詞 という日本語における つのタイプの従属複合語を参考対象とし、これらの従属複 合語をベトナム語を対照し、ベトナム語に相当する語・型及び異同点を述べた。 従来、複合語動詞・名詞の研究は様々な理論的枠組みの基で、精力的に研究 がなされてきている。しかし、それらの研究には、補助要素の修飾意味・従属的役 割についてまだ詳細に示されていない。 これに対して、本研究では、語構成の前項要素と後項要素の関係、補助要素 の修飾意味・従属的役割等について分析し、記述した。また、日本語の各型従属複 合語の構成をベトナム語のどんな複合語・型に相忚するか、ベトナム語との共通・ 相違点があるか示した。 さて、第 章では、日本語及びベトナム語における語の種類、合成語の定義・ 種類・特徴、複合語の定義・種類・特徴、従属複合語の定義・種類・特徴について 簡単に述べた。 第 章では、「引き始める」、「押し続ける」、「切り出す」「書き直す」、 「作り上げる」等の「動詞連用形+動詞基本形」の「V1+v2」型従属複合動詞を考察 対象とした。まず、複合動詞の定義、役割、語構造、両項関係や先行研究等につい て述べ、その後、従属複合動詞の定義、語構造、両項関係等を検討した。最後に、 「動詞連用形+動詞基本形」の「V1+v2」型従属複合動詞の個々の従属複合動詞の意 73 味を検討を踏まえ、構成要素の関係、補助要素の修飾意味・従属的役割等を分析し た。そして、ベトナム語には相当する語・型を提示した。 次に、第章 では、「田舎育ち」、「里帰り」、「雤上がり」等の「名詞+動 詞連用形」型従属複合名詞、「焼き芋」、「縫い針」、「鳴き虫」等の「動詞連用形 +名詞」型従属複合名詞を考察対象とした。この従属複合名詞には、「N+v」型、 「n+V」型、「V+n」型、「v+N」型がある。まず、複合名詞の定義、役割、語構 造、両項関係や先行研究等について述べ、その後、従属複合名詞の定義、語構造、 両項関係等を検討した。最後に、「名詞+動詞連用形」型及び「動詞連用形+名詞」 型従属複合名詞の個々の従属複合名詞の語構造・両項関係を検討を踏まえ、構成要 素の意味関係、補助要素の修飾意味・従属的役割等を分析した。そして、ベトナム 語と比較してから相当する語・型を提示した。 本論を一貫して見ると、「動詞連用形+動詞基本形」の「V1+v2」型従属複合動 詞、「名詞+動詞連用形」型従属複合名詞、「動詞連用形+名詞」型従属複合名詞の語 構造・両項関係を検討を踏まえ、構成要素の意味関係、補助要素の修飾意味・従属 的役割等における分析は日本語学習に役に立つ知識だと思う。それに、日本語とベ トナム語の共通点・相違点を対照した上で、語彙の面白さを感じながら、日本語を 学習しているベトナム人に対して日本語により深い興味を持ってほしい。 以上は、本論の内容のまとめであり、本論の成果とも言えるが、時間的・言 語能力的な不足のため、欠点及び不徹底な点が残っている。それらを以下に示し、 今後の検討課題としようと思う。 まず、本論文では、従属複合動詞及び従属複合名詞に限定して考察を進めた が、従属複合形容詞についてはまだ調べることが出来ていない。今後は、従属複合 形容詞に関しても詳細な検討を進め、このタイプの複合語における語構成成分関 係・意味、修飾意味について、先行研究を踏まえつつ、検討していきたい。 74 次は、第 章では、「V1+v2」型従属複合動詞について研究を進めたが、「v1 +V2」型従属複合動詞についてまだ検討が出来ていない。または、「終了・完了」 の意味を付け加える v2「あげる/あがる/ぬく/きる/きれる/やむ」、「継続」の意味 を付加する v2「つづく」、「動きの途中」という意味を修飾する v2 「かける/かかる」、 「方向」の意味を添える v2「たてる/たつ/つける/つく/まわす/まわる」、「相互動 作」を補助する v2「つける/つく」、「強意」を表す v2 「こむ/つける」、「動作とその 結果」を付け加える v2「とろす/とる/たおす」等の従属複合動詞について提示されて いない。今後はこれらの従属複合動詞について検討していきたい。 次に、第 章では、「名詞+動詞連用形」型及び「動詞連用形+名詞」型従属複 合名詞」に限定して研究したが、「名詞と名詞からの結合による従属複合名詞」、「動 詞連用形と動詞連用形からの結合による従属複合名詞」、「形容詞と名詞からの結合 による従属複合名詞」、「形容動詞と名詞からの結合による従属複合名詞」等につい て検討できていない。また、「川下り」、「網渡り」、「島めぐり」等の「通過点な どの移動場所を表す」という修飾意味を補助する「名詞と動詞連用形からの結合によ る従属複合名詞」についても調べることがまだ出来ていない。今後はこれらの型の 従属複合名詞について検討していきたい。 最後に、筆者の日本語及びベトナム語についての理解力が限定されているた め、本研究の言葉が恣意的であること、様々な欠点があることは認識している。し かしながら、実は、本研究を通じて、日本語に限らず、ベトナム語の複合語、従属 複合語のについての筆者の視野を広げるようになった。または、従属複合動詞及び 従属複合名詞の構造・性質・構成・両項関係や使いわけについて分かるようになっ た。それに加えて、日本語を勉強する時、語の構造・構成・用意・意味・性質等に 最初から注目し、理解する必要があることも分かった。この研究結果は日本語を学 習しているベトナム人にとっていくらでも役に立てば幸いである。 75 謝辞 本研究を実施するにあたり、本論指導教官である国家大学外国語大学の東洋 言語文化学の Ngo Minh Thuy 先生は本研究に対し深い関心を示し、構造の大枠から 問題設定・解決まで、いろいろご指導を頂きました。先生のご指導なくしては、本 研究は形になりませんでした。心より厚く感謝申し上げます。また、東洋言語文化 学の先生方から貴重なご意見、多くの方々からご協力および援助を頂き、感謝いた します。 76 参考文献  日本語 1.秋元美晴(2002)『よくわかる語彙』アルク 2.寺村秀夫( )『日本語・日本文化』大阪外国語大学研究留学生別科 3.寺村秀夫( )『日本語の文法 上 』日本語教育指導参考書 国立国 語研究所 4.寺村秀夫( )『日本語のシンタクス意味 II』くろしお出版 5.山本清隆( )『複合動詞の格支配』都大論究 6.長嶋善郎( )「複合動詞の構造」『日本語講座 日本語の語彙と表 現』大修館書店 7.姫野昌子( )「動詞の連用形に付く補助動詞及び複合動詞後項」『日 本語教育事典』大修館書店 8.姫野昌子( )『複合動詞の構造と意味用法』ひつじ書房 9.影山太郎( )『文法と語形成』ひつじ書房 10.影山太郎・由来陽子( )『語形成と概念構造』研究社 11.影山太郎( )『形態論と意味』くろしお出版 12.石井正彦( )「現代語複合動詞の語構成分析における一観点」『日 本語学』 3.石井正彦( )「現代語複合動詞の語構成分析-〈動作〉・〈変化〉 の観点から-」『国語学研究』 14.石井正彦( 5.石井正彦( )『辞書に載る複合動詞・載らない複合動詞』日本学科 )『現代日本語の複合形成論』ひつじ書房 6.森翠芳『日本語複合動詞研究の現在』 7.『新版日本語教育事典』日本語教育学会 18.金田一春彦( )「日本語動詞のアスペク」『国語動詞の一分類』む ぎ書房 I 19.野田大志( )『現代日本語における複合動詞の意味形成―構文理論 によるアプローチ』名古屋大学大学院国際言語文化研究科 20.井口厚夫・井口裕子『日本語文法整理読本-解説と演習』バベル・プレ ス 21.吉川武時『日本語文法入門』アルク 22.『日本語の語と文』ハノイ国家大学外国語大学言語東洋言語文化科学 23 Nguyễn Thị Xuân (2004)『日本語の複合動詞とベトナム語における相当する 単位』ハノイ国家大学外国語大学 24.Trần Lan Phương (2002) 『日本語の複合動詞とベトナム語の複合動詞の比 較』ハノイ国家大学外国語大学 25.Nguyễn Thị Hồng Nhung (2012)『日本語における複合動詞「~出る」「~ 出す」と「~始める」』ハノイ国家大学外国語大学 26 Nguyễn Thị Ngọc Lan (2007)『日本語の連用複合動詞』ハノイ国家大学外国 語大学  ベトナム語 Nguyễn Thị Bích Hà, Đối chiếu cấu tạo từ ghép phụ tiếng Nhật tiếng Việt - Kiểu cấu tạo NV/VN: Đại học Quốc gia Hà Nội Nguyễn Tài Cẩn, 1996 Ngữ pháp tiếng Việt: Đại học Quốc gia Hà Nội Trung tâm Khoa học Xã hội Nhân văn Quốc gia, 2003 Ngữ pháp tiếng Việt: Nhà xuất Khoa học Xã hội Diệp Quang Ban Hoàng Văn Thung, 2012 Ngữ pháp tiếng Việt - Tập một: Nhà xuất Giáo dục Việt Nam II 付録 筆者のよく使用される従属複合動詞リスト No 従属複合動詞 意味 言いあやまる Nói nhầm 言い出す Nói 例文 彼は友達の名前を言いあやまった。 夫は、なぜ妻が突然、離婚を言い出したのか、理解 できなかった。 言い忘れる Quên nói 大事なことを言い忘れた。 言い落とす Quên nói 私はうっかり大事なことを言い落とした。 受け入れる Nhận vào 大学は留学生を受け入れる。 受け取る Nhận lấy 私は郵便局から小包みを受け取った。 売り上げる Bán デパートはすべての商品を売り上げた。 売り広げる Bán rộng rãi その会社は新しいお菓子を売り広げた。 売り切れる Bán hết 新型のパソコンは、あっという間に売り切れた。 10 追いかける Đuổi theo 警官がスリを追いかけた。 11 追い回す Đuổi vòng 子供たちは子犬を追い回した。 quanh 12 追い出す Đuổi 彼は野良犬を家から外へ追い出した。 13 思い入る Nhớ kỹ 私は、自分が頑張らねば、と深く思い入った。 14 思い返す Nhớ lại 彼女は、一年前の事件を思い返した。 15 思い出す Nhớ 彼は、10 年前の約束を思い出した。 16 思い違える Nhớ nhầm あの人は、夢を現実と思い違えているのです。 17 思い過ごす Nghĩ あの人は、いらぬことまで思い過ごす性格だ。 18 思い付く Nhớ đến 彼はすばらしい考えを思いついた。 19 思い込む Nghĩ 彼らはその噂を真実と思い込んだ。 20 書き上げる Viết xong 彼女は連載小説を書き上げた。 a No 従属複合動詞 意味 例文 21 書き落とす Viết thiếu 私は必要な項目を書き落とした。 22 書き換える Viết lại 古代史を書き換える新発見。 23 書き違う Viết nhầm 私は、アルメニアをアルジュリアと書き違った。 24 書き漏らす Viết thiếu 私は自分の名前を書き漏らした。 25 聞き落とす Nghe thiếu 私は、慌てていたので相手の名前を聞き落とした。 26 聞き違える Nghe nhầm 私は店の電話番語を聞き違えた。 27 聞き慣れる Nghe quen 聞き慣れたメロディ。 28 組み上がる Ghép xong 工事の足場が組み上がった。 29 組み替える Ghép lại コーチは、より強い体制にチームを組み替えた。 30 仕上げる Làm xong 彼は作品を仕上げた。 31 仕返す Làm lại 彼は相手に仕返した。 32 立ち直る Đứng lại 彼女は逆境から立ち直った。 33 立ち尽くす Đứng im 私はただその場に立ち尽くした。 34 立ち連なる Đứng thành 木々が立ち連なっている。 hàng 35 作り上げる Làm xong 彼はとうとう銅像を作り上げた。 36 作り替える Làm lại 彼は庭を駐車場に作り替えた。 37 作り出す Làm 彼はヒット商品を作り出した。 38 問い詰める Hỏi kỹ 上司は彼に欠席の理由を問い詰めた。 39 問い合わせる Hỏi lại 彼は店に場所を問い合わせた。 40 飛び出す Bay 猫が庭から道路に飛び出した。 41 飛び違う Bay loạn lên たくさんの鳥が飛び違っている。 42 飛び回る Bay vòng カラスが空を飛び回っていた。 quanh 43 取り去る Lấy この洗剤は汚れをきれいに取り去る。 b No 従属複合動詞 意味 例文 44 取り違える Làm nhầm 彼は目的と手段を取り違えていた。 45 取り切る Làm 彼は庭の雑草を取り切った。 46 逃げ出す Chạy 犬が家から逃げ出した。 47 逃げ回る Chạy vòng 彼らは敵から逃げ回った。 quanh 48 飲み交わす Uống 彼は友達と酒を飲み交わした。 49 飲み分ける Uống phân 料理によって赤ワインと白ワインを飲み分ける。 loại 50 乗り合わせる Đi 彼は友達と電車に乗り合わせた。 51 乗り遅れる Đi chậm 彼女は電車に乗り遅れた。 52 乗り組む Đi ghép 客室乗務員が飛行機に乗り組んだ。 53 話し込む Nói chuyện 電車の中で友達と話し込んで、駅を乗り過ごしてし mải mê まった。 54 話し合う Nói chuyện ピクニックに行くことを話し合う。 55 引き上げる Kéo lên カーテンを引き上げる。 56 引き出す Kéo はさみを引き出す。 57 引き下げる Kéo xuống ブラインドを引き下げる。 58 待ち受ける Đợi sẵn 彼らは山の頂上で敵を待ち受けた。 59 待ち合わせる Đợi 60 待ち望む Đợi mong 再会する日を待ち望んでいます。 61 見上げる Nhìn lên 恋人と二人で、夜空を見上げた。 62 見当たる Nhìn thấy どこを探しても、財布が見当たらない。 63 見入る Nhìn ボーイフレンドと公園で待ち合わせた。 chằm そのCMには、思わず見入ってしまった。 chằm c No 従属複合動詞 意味 例文 64 見返す Nhìn lại 65 見直す Nhìn nhìn 何度も天井を見直した。 lại 66 見詰める Nhìn 遠くから男の人がじっと私を見ているので、私も彼 を見返した。 chăm 尐女はそのタワーを見詰めた。 67 見回す Nhìn xung 私は自分の周りを見回した。 quanh 68 申し添える Nói thêm 69 申し立てる Nói rõ ràng 夫は、裁判所に離婚調停を申し立てた。 70 持ち込む Mang vào 彼女は部屋に花を持ち込んだ。 71 持ち出す Mang 家から食べ物をこっそり持ち出す。 72 詠みあやまる Đọc nhầm 73 詠み落とす Đọc thiếu 74 読み返す Đọc lại 彼は、恋人から手紙を何度も読み返した。 75 読みこなす Đọc hiểu 英字新聞を読みこなすコツを教えてください。 76 読みさす Đọc dở 私は小説を読みさして、眠ってしまった。 77 読み飛ばす Đọc qua 不要な部分を適当に読み飛ばしてください。 ご参考までに申し添えますと、富士山だけではなく 三保の松原も世界文化遺産に登録されました。 首相は世論を読みあやまった。 重要な情報を読み落とさないように注意してくださ い。 d

Ngày đăng: 23/09/2020, 21:58

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